70年に北九州市で行方不明になった事務員加藤久美子さん(当時22)について、「北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会」の青木英実代表は29日、「北朝鮮による拉致の疑いが濃厚」として、被疑者不詳のまま、国外移送目的略取の疑いで福岡県警に告発状を出した。同日午後には東京や山口など全国11都道県で、「特定失踪者(しっそうしゃ)問題調査会」が「北朝鮮による拉致の疑いが濃い」と発表する。ほかの失踪者12人についても告発状が提出される予定。
告発状によると、加藤さんは70年8月8日ごろ、現在の同市八幡東区の自宅近くの路面電車停留所で妹と別れた後、行方が分からなくなった。北朝鮮の元工作員安明進(アン・ミョンジン)氏が、「88年から90年にかけて、加藤さんによく似た女性を金正日政治軍事大学で何度も見かけた」と証言しているという。
告発状の提出はこの日午前9時過ぎ、同県警八幡東署で行われた。青木代表は提出後、「加藤さんは拉致の疑いが極めて濃い。全国の警察が協力して、真実を明らかにして欲しい」と述べた。
(01/29 11:42)
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