東京・世田谷区を中心に相次ぐ窃盗被害。狙われたのは“歯科医院”だった。

被害にあった「あきば歯科」の秋葉祐輔院長は、取材に対して「(警察から)この地域でこういう犯行が流行っているという話を聞いた」と打ち明けた。

現金20万円が入っていた金庫ごと…扉に傷も
4月17日午前3時過ぎ、東京・世田谷区にある歯科医院のドアをこじ開けて侵入してきた2人組。1人は暗い室内をスマホの光で照らし、左手には“バール”のようなものを持っている。


このあと2人組は、院内にあった手提げ金庫を盗み、逃走していった。

駅から近い歯科医院で窃盗事件は起きた。入口にある扉を見てみると、今も、こじ開けられたような跡が残されている。


犯人が歯科医院に侵入してから5分後、防犯センサーで異常を検知した警備会社から、警備員が駆けつけてきた。しかし、すでに犯人の姿は消えていたという。

「あきば歯科」秋葉祐輔院長:
やってくれたなと思いました。(警察に)聞いたところによると、プロだったのではないかという話だったので、なかなか、捕まえるのは難しいと思います。

金庫の中にあった現金20万円が入っていた金庫ごと盗まれ、さらに壊された扉の修理代には40万円程がかかるという。


“個人経営の歯科医院”が狙われている
歯科医院を狙った同様の窃盗や侵入被害は、世田谷区を中心に、先週から少なくとも5件発生。

“医療器具”や100万円を超える現金が盗まれるケースもあったという。なぜ歯科医院ばかりが狙われるのか?専門家は、“個人経営”という特有の事情があると指摘する。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
(窃盗犯は)現金が多くある場所ばかりを狙いますので。歯科医院を狙うことはよくある。

歯科医院は、保険適用外の治療があるため、釣り銭用として多額の現金を準備するケースがあるという。

さらに警備員や医療スタッフが常駐する総合病院と違い、夜間が無人で受付のレジに現金を置いたままにする、個人経営の歯科医院が狙われていると警鐘を鳴らす。

埼玉県警搜査一課 佐々木成三氏:
歯科医院は夜間、人がいないことが分かりますので。そこにお金が多額にあるということ。受付だけを探せば、現金があるだろうということも。時間短縮の上でも犯罪グループは歯科医院ばかりを狙っていると思う。

狙われた歯科医院は、悔しさをにじませる。
「あきば歯科」秋葉祐輔院長:
歯医者さんはもうかっていると、皆さん、思っていると思うが、残念ながらかなり利益率は低い職業なので、ご勘弁いただきたいと思う。

窃盗被害が相次ぐ歯科医院。警視庁は関連を調べている。
(「イット!」4月18日放送)