「人権保護と真実発見の要請の調和の観点から…」刑事訴訟法の答案でこのような理由付けを多用している人はいないでしょうか。

でも考えてみてください。人権保護や真実発見の調和が重要であることはだれが見ても疑う余地のない自明の命題で、そこから条文の解釈ができるわけはないのです。

したがってこのような論証の理由付けは条文解釈の理由付けのようで、全く何の意味を有していません。

今この文章を読んで焦りを覚えた受験生、是非「事例演習刑事訴訟法」を読んでみてください。

本書は数多くの受験生の答案を大改造してきた名著です。

ここではなぜ刑法事例演習教材が名著足りうるのかその理由や、効率的な利用方法を解説していきます。


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事例演習刑事訴訟法の内容・特徴

「刑事訴訟法の演習書と言ったらこれ一択」というような評価をする人も少なくないのがこの事例演習刑事訴訟法、通称「古江本」です。

本書は33個の事例を題材に、生徒二人と教授(講師)による対話形式で事例の解説を進めていきます。

内容は非常に高度になっていますが、対話形式で書かれることによってやや読み進めやすい形になっているように感じます。

各論点について反対説を含め非常に深い部分まで解説されており、予備校本で刑事訴訟法の表層のみをさらった人が本書を読むと目からうろこの記述に多く出会うことになるでしょう。

平成31年、令和2年の司法試験刑事訴訟法では反対説までの言及することを求められる出題がされているため、本書を利用し反対説を含め各論点の本質的部分の理解を深めておくことは非常に有益といえます。

また、本書は網羅性という点からも非常に高く評価できます。
例えば平成23年から令和2年までの約10年で本書に記載のない論点が出題されたのは1年のみです。

したがって、本書を理解することができれば頻出論点の理解は完璧、予備試験や司法試験の刑事訴訟法の科目の高評価がぐっと近づくことでしょう。

勉強への使い方

論証の理由付けの充実に

司法試験の刑事訴訟法といえば長い問題文の中から適切な事実をピックアップして評価するあてはめ勝負の科目ととらえられがちです。

しかし、各論点について受験生の解釈の理由付けが杜撰なことは採点実感でも繰り返し指摘されています(例えば平成28年の採点実感では「特段の理由付けもなく心理状態に関する供述であるから非伝聞証拠と結論付けていた…」と述べられています。

そこで刑事訴訟法の試験で高評価を獲得するためには論点の解釈を充実させることが必要不可欠といえます。

本書は先のとおり各論点について深い部分(深いとはいえ司法試験レベルを大きく超えるようなレベルではありません)まで、論理的にわかりやすく具体例を駆使して解説されています。

そこで本書を利用し論点の理由付けを改良し、考査委員のお眼鏡にかなった論点の解釈を答案上で展開しましょう。

つまずいたら「刑事訴訟法の争点」、酒巻連載(法学教室)を開いてみる

本書は最強の演習書との呼び声がたかいものの、一方で記述が難解すぎるという声もちらほらと聞こえてきます。

たしかに会話形式で多少緩和されているものの、各論点につき非常に深い部分まで言及されているので一読してもよくわからないことも、あることでしょう。

そのような時は「刑事訴訟法の争点」(有斐閣)か、法学教室355号~394号に掲載された酒巻先生の連載を参照してみてください。

いずれも大学の図書館に行けば容易に閲覧できると思います。

古江本は上記の教材と非常に親和性が高く、古江本の内容をよりページ数を割いて解説しているのが上記の2つです。

古江本の内容で不明点があったら是非その2冊を開いてみてください。

きっと正しい解釈にたどり着くことができます。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい演習書の使い方と科目別おすすめ本14冊

事例演習刑事訴訟法の評価

事例演習刑事訴訟法は、刑事訴訟法の頻出論点につき深く正しい理解を導いてくれる最強の演習書と言えます。

しかし先述のとおり本書の内容は比較的高度なものになっています。

そのため初学者が本書に手を出そうとするとちんぷんかんぷんで刑事訴訟法が苦手科目であると錯角してしまうかもしれません。

そこで本書は中~上級者、具体的には予備試験短答式試験合格レベルの知識がある人が積極的に読むべき本といえます。

ぜひ「刑事訴訟法の論点の理由付けがワンパターンになってしまう」「わかっているつもりなのに模試や答練で刑事訴訟法の点数がのびない」という悩みを抱える方は本書を手に取ってみてください。

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