宅建は独学で合格できる?勉強時間は?難しい?おすすめの勉強法も解説
- 2020.12.16
宅建は独学で合格可能なのでしょうか?また、どの位の勉強時間が必要なのでしょうか?
試験の合格には勉強計画を立てることが欠かせません。
試験までの残りの日数を計算し、1日の勉強時間を考えることが第一歩となりますが、合格までの勉強時間が不可欠です。
勉強時間は試験合格までの道のりを測る基準といえますね。
結論から言うと、宅建に合格できる時間は300~400時間と言われており、1日2時間勉強した場合約6ヵ月かかります。
この記事では、宅建の勉強時間の詳細や勉強法についても解説しているため一緒に見ていきましょう!
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目次
宅建試験の特徴と合格率について
宅建試験は、例年の合格率が15~17%程の傾向となっており、決して簡単な試験ではありません。
試験は、以下の科目から出題され問題数は、全部で50問(「5問免除者」の方については、免除科目を除く45問)。
すべて 「4肢択一式」のマークシート式問題です。
科目 | 出題数 |
権利関係 | 14問 |
法令上の制限 | 8問 |
税その他 | 3問 |
宅建業法 | 20問 |
免除科目 | 5問 |
近年、合格点は概ね34~38点程度の傾向になっています。
そのため、まずは34~38点を安定して得点できることを目指して学習を進めるとよいでしょう。
関連コラム:宅建の独学合格に必要な勉強時間は?最短合格のための勉強法も解説
宅建の独学合格に必要な勉強時間は300~400時間
アガルートアカデミー宅建試験講座の林 裕太講師が、宅建試験に独学で合格するのに必要な勉強時間について以下の動画でもわかりやすく解説しています!
宅建の合格に必要な勉強時間は、初学者の方であるか、学習経験のある方であるかによっても変わってきます。
初学者の方の勉強時間
独学で合格された方たちの実際の勉強時間に関するアンケート等を見てみると、宅建の合格に必要な勉強時間は、一般的に、300時間から400時間くらいと言われています。
合格された方たちが勉強を開始する時期として最も多いのが4月頃です。
試験の約半年くらい前から始めるという方が一番多いというわけですね。
そして、4月頃から勉強を開始すると、勉強の日数は約180日となりますから、逆算すると1日約2時間(平日に2時間・休日に2.5時間)勉強することで、約半年間で400時間勉強できる計算となります。
これはアガルートで合格された方たちのアンケート結果とほぼ合致する勉強時間となります。※アガルートの受講生の平均学習期間は6.2か月となっています。
ここまでの内容をまとめると、
- 「勉強時間は300時間から400時間くらい」
- 「勉強の期間は約半年(6か月)」
- 「一日の勉強時間は約2時間」
となります。
以上は、法律の勉強に初めてチャレンジする方(いわゆる初学者の方)を想定した話です。
学習経験のある方の勉強時間
他の資格試験などで法律の勉強をある程度したことがあるという方(学習経験のある方)の場合、上記の勉強時間はもう少し短いものとなるでしょう。
例えば、宅建で出題される科目のなかには「権利関係(民法等)」という科目があります。
ここでは、「民法」というわが国の法律のなかでもとても重要な法律を勉強していくことになります。
この「民法」は、その重要性もあって、実は多くの資格試験において出題科目として採用されています。
なので「民法」を他の資格試験ですでに勉強しているという方の場合、宅建の「権利関係(民法等)」のうち「民法」に関する勉強は、大幅にカットする(省略する)ことが可能だと思われます。
すると、科目のなかで勉強しなくてもよいものが出てきますから、全体の勉強時間もグッと減ることになりますよね。
そのため、学習経験のある方の場合、初学者の方のように4月から勉強を開始することができなかったとしても、カットされる勉強時間との関係で、準備に必要となる期間も短くて済む可能性があり、十分合格することは可能です。
関連記事:宅建と簿記2級はどちらが難易度が高い?試験内容・合格率・勉強時間で比較
初学者の方が合格までにかかる期間は約6か月
では、初学者の方は4月に勉強を開始しないと、合格することはできないのでしょうか?
そんなことは決してありません。
勉強を開始する時期が4月よりも後になった初学者の方でも、合格される方は実際に数多くいらっしゃいます。
そのような方たちはいったい何がポイントになったかといえば、ズバリ「一日にかける勉強時間」を調整するという点です。
先ほど「勉強時間は300時間から400時間くらい」とお伝えしました。
なので、勉強の期間が短いという方は、「一日にかける勉強時間」を増やせば、この「300時間から400時間くらい」をこなすことが可能なはずです。
これを、開始する時期が4月よりも後になった方たちは実践していたわけです。
そこで、勉強を開始する時期により「一日にかける勉強時間」がどのくらい変わるのかを簡単な表にして整理してみました。
開始時期 | 日数 | 一日にかける時間 | 一週間にかける時間 |
4月(半年間) | 180日 | 約2時間 | 12時間30分 |
5月(5か月間) | 150日 | 2時間 | 15時間 |
6月(4か月間) | 120日 | 2時間30分 | 約19時間 |
7月(3か月間) | 90日 | 約3時間20分 | 約25時間 |
8月(2か月間) | 60日 | 5時間 | 37時間30分 |
※総勉強時間を「300時間」として計算しています。
※1か月=4週として計算しています。
※受験申込受付期間は例年「7月頃」です。8月から勉強を始めようという方は、受験申し込みを忘れずに行いましょう!
いかがでしょうか。
もちろん、開始する時期を問わず、「一日にかける勉強時間」や「一週間にかける勉強時間」は多いに越したことはありません。
特に本番が近い時期(「直前対策期」といいます)は、すべての科目の総復習をしていかなければなりませんので、時間がいくらあってもいいという時期でもあります。
これから勉強を開始するうえで、計画を立てる際の参考としてお役立ていただければ幸いです。
早い時期から勉強を開始するメリット
なお、4月よりも前に勉強を開始するメリットはないのか?というと、実はたくさんあります。
4月は、「変化の時期」でもあり、会社にお勤めの方の場合、所属する部署や役職が変わる等があったり、お子さんがいらっしゃる方の場合、お子さんが小学校や中学校に上がる等して、生活サイクルが変わったりします。
そのため、宅建の勉強を4月から始めよう!と考えていたものの、お仕事やご家庭に変化が生じ、そちらへの対応に時間を多く割くこととなった結果、開始する時期が結局夏ごろになってしまった……ということは割とよくある話です。
また、考えてみれば当たり前のことなのですが、私たちの生活のなかに今まで「宅建の勉強」はありませんでした。
これまでやったことのないことをやろうという場合、私たちには24時間しかない以上、何か別のことを止める必要が出てきます。
4月から勉強を始めるのであれば、他のことを止めて「2時間」の枠を設け、そこに「宅建の勉強」をはめ込むというイメージです。
不慣れなことを始めようというのですから、まずそれに慣れる(習慣化する)だけでも一苦労です。
そんなことを、1か月、3か月、半年、1年……と続けていくことになるわけで、これがどれだけ大変な作業かは、お判りになっていただけるかと思います。
したがって、これまでやってこなかったことを新しく始めよう!という場合には、助走期間、すなわち「慣れるための期間」があるのが望ましいのです。
以上のことから、4月よりも前の時期から勉強を始めることができる方は、やはり有利であることは間違いありません。
例えば、1月から始めるのであれば、1月から3月までの3か月間は「助走期間・準備期間」として、この間はひとまず「1日30分勉強する」ことを目標に始めてみるのがおススメです。
そうやって、最初は“身体を慣らす”ようにしてスタートしていただければ、4月以降の本格的な準備期間へとスムーズに移行することが可能になります。
他にも、「助走期間・準備期間」も当然宅建の勉強が進んでいきますよね。
すると、4月から新しい生活が始まって忙しくなってきたとしても、それまでの「助走分」がありますから、お仕事やご家庭のことを優先させ、それらがひと段落した頃に勉強を再開しても、問題なく戻ってくることが可能です。
4月よりも前に勉強を始めようとお考えの方は、これらの話を参考にしていただければ幸いです。
合格のためにおすすめな勉強時間の配分
4月頃から勉強を開始する場合、ここまでの話で
「勉強時間は300時間から400時間くらい」
「勉強の期間は約半年(6か月間)」
「一日の勉強時間は約2時間」
ということは分かりました。
それでは次に、「科目ごとに必要になる勉強時間」や「時期に応じた勉強時間」等もう少し詳しい話に入ります。
科目ごとの勉強時間の配分
まずは「科目ごとに必要になる勉強時間」についてです。
- 権利関係(民法等):90時間程度
- 宅建業法:90時間程度
- 法令上の制限:80時間程度
- 税その他:20時間
- 免除科目:20時間
ここからは、「この300時間から400時間くらい総勉強時間を、各科目にどのくらい配分していけばよいのか」という話をしていきます。
最初に結論を示してしまうと、各科目の勉強時間の配分は、以下のようになります(なお、以下では総勉強時間を「300時間」として計算しています)。
1.権利関係(民法等):90時間程度
「権利関係(民法等)」は、例年14問出題される科目です。
合格のためにも、しっかりと勉強しておきたい科目といえます。
しかし「権利関係」は、民法等法律の規定に関する内容や、裁判例(判例)の正確な理解と記憶が求められるうえに、事例式での問題が出題されることから問題の解答の仕方を訓練する必要があり、マスターするのに時間を要する科目です。
「権利関係」は、勉強するのに時間のかかる科目ですから、慌てずじっくりと攻めていくこととしましょう。
2.宅建業法:90時間程度
「宅建業法」は例年20問出題される科目で、宅建において“得点源(正解数を稼ぐべき箇所)”と位置づけられている科目です。
例年20問中16~18問正解を求められる科目ですから、何がなんでもマスターする必要があります。
「権利関係」に比べれば、勉強する量はそれほど多くありません。
そのため、テキスト(教科書)を読むために必要な時間はそれほどかからないはずです。
しかし、上記のとおり、例年20問出題されるため、解けるようになるべき過去問の量がとても多いです。
例えば過去10年分だとすると、毎年20問×10年分=計200問ということになります。
問題を解くだけでも結構な時間を費やすこととなります。
また「宅建業法」の場合、例えば「免許の欠格事由」や「重要事項の説明」といった分野において、多くの項目の正確な記憶(暗記)が求められます。
覚える作業に勉強時間が必要となるわけです。
3.法令上の制限:80時間程度
「法令上の制限」は、例年8問出題される科目です。
出題数は、上記2科目と比較してもそれほど多くないこともあり、勉強する内容も「『権利関係』よりは少ないけど、『宅建業法』よりはちょっと多い」くらいの量です。
しかし、「法令上の制限」で恐ろしいのは、とにかく専門用語が多い点です。
「第一種低層住居専用地域」「田園住居地域」「建蔽率」「容積率」「2項道路」「仮換地」「宅地造成」等など日常生活においてまず聞くことのない用語や制度の話を、ずーっと勉強していくこととなります。
これら専門用語や制度の内容は、聞きなじみのない話がゆえに、とにかく理解に時間がかかります。
だから丸暗記で乗り切る!……と行きたいところですが、似たような話や制度が多く出てくるのも「法令上の制限」の特徴です。
ちょっとした表現の違いで、丸暗記での対策はすぐさま足元をすくわれます。
問題数や勉強する内容の量が少ないのに、80時間と比較的多めに勉強時間を割り当てているのは、このあたりの事情によるものが大きいです。
不慣れな話には、いつも以上にじっくりと勉強していくこととしましょう。
4.税その他:20時間
「税その他」は、例年3問出題される科目です。
問題数が少ないうえに、宅建の合格に必要となる知識の量は「過去問で問われる内容だけ」と比較的シンプルですので、上記3科目とは異なり、割とあっさりと終わらせることが可能です。
勉強すべき箇所を明確にし、「税その他」はなるべく少ない時間で済ませたいところですね。
5.免除科目:20時間
最後に「免除科目」ですが、この科目は、例年問46~50で出題されます。
「免除科目」も、「税その他」と同様、「過去問で問われる内容だけ」をやれば十分です。
なお、例年問48で出題される「統計」問題は、試験の直前に実施される講座や模擬試験などで提供される最新データに沿った勉強が必要で、これだけでOKです。
そのため、問48の「統計」問題対策は、試験の直前期にあたる8月か9月くらいに最新データを使って内容確認をするだけで十分です。
以上が、「科目ごとに必要になる勉強時間」でした。
「科目ごとに必要になる勉強時間」というのは、勉強しようとしている科目の特徴や出題傾向に依拠するところが大きいです。
勉強の計画を立てる際は、こういった科目の特徴や出題傾向等を踏まえてやってみることをおススメします。
関連コラム:宅建試験の問題を解く理想的な時間配分・順番は?モデルスケジュールを紹介
時期に応じた勉強時間の配分
次は、切り口を変えて「時期に応じた学習スケジュール(学習内容)と勉強時間の配分」について見てみることとしましょう。
なお、以下では「4月から勉強を開始した」ものとしてお話していくことになりますので、予めご承知おきください。
下記の記事で、おすすめのスケジュールについて詳しく解説しています。
関連記事:宅建に独学で合格するためのスケジュール・期間を徹底解説
時期に応じた学習計画
まず、宅建等多くの国家試験では、勉強する時期を大きく以下の2つ
「基礎力養成期」
「直前対策期」
に分けます。
- 基礎力養成期:4~7月(4か月間)
- 直前対策期:8~10月(2か月半)
- 基礎力養成期:4~7月(4か月間) 140時間
- 直前対策期:8~10月(2か月半) 160時間
ここでは、上記の期間にてそれぞれ解説していきます。
基礎力養成期:4~7月(4か月間)
テキストを読んだり、予備校の講義を受講したりする等して、宅建で問われる内容を勉強する時期です。
インプット期と呼ばれることもあります。
この時期の勉強は、初めて読む・聞く話ばかりですから、まずは「どんな内容なのか」をしっかり理解することが肝心です。
基礎力養成期は“理解重視”の時期となりますから、分からないところをなるべくゼロにするためにも、しっかりとテキストを熟読したり、講義を受講したりするよう心がけましょう。
また、この時期は、テキストを読む・講義を受講するのと並行して、過去問集等を使った問題演習にも取り掛かります。
もちろん理解重視の時期ですから、まだまだ解ける問題は少ないはずです。
間違えてしまった問題については、解説を読むだけでなく、テキストに戻って調べたこと等も忘れずメモしておくようにしましょう。
直前対策期:8~10月(2か月半)
理解重視の基礎力養成期が終わると、いよいよ「直前対策期」に突入します。
この時期は、話が変わって“記憶重視”の時期になります。
基礎力養成期で分からないことをゼロにしたら、今度はそれらを頭の中にどんどん入れていくイメージです。
覚えるためには繰り返すことが必要なので、この時期はとにかく今までやってきたことを何度も何度も繰り返すこととなります。
ただし記憶の定着率というのは、人それぞれのため、時間があればこまめに見直す等「時間があれば、合格に向けて勉強あるのみ!」という姿勢で過ごすこととしましょう。
以上が、「基礎力養成期」「直前対策期」の解説でした。
時期に応じた勉強時間の配分
では、これらを踏まえて、それぞれの時期ごとの勉強時間の配分を考えてみましょう。
基礎力養成期(4~7月) | 直前対策期(8~10月) | |
勉強時間 | 140時間 | 160時間 |
基礎力養成期:4~7月(4か月間) 140時間
「基礎力養成期」は“理解重視”の時期のため、1つずつ確実にクリアすることが求められます。
もっとも、最初の段階は「記憶しているか(覚えているか)」はそれほどこだわる必要はありません。
記憶することが本格化するのは、この後の「直前対策期」だからです。
まずは、最後までテキストを読むこと・過去問集を解ききることを優先させましょう。
直前対策期:8~10月(2か月半) 160時間
「直前対策期」は“記憶重視”の時期のため、とにかく覚えるために繰り返すことが求められます。
繰り返しの対象は全科目ですから、全体を一周するだけでもかなり時間を要します。
また、「基礎力養成期」に完了しなかった箇所をフォローする(終わらなかった箇所・どうしても分からなかった箇所)のもこの時期になりますから、やはりこちらの時期のほうが勉強時間のウェイトが大きくなりがちです。
最後に「科目ごとに必要になる勉強時間」や「時期に応じた勉強時間」をまとめてみましょう。
これまでの話をまとめますと、おおよそ以下のような表になります。
科目 | 基礎力養成期(4-7月) | 直前対策期(8-10月) |
権利関係(民法等) | 40時間 | 50時間 |
宅建業法 | 40時間 | 50時間 |
法令上の制限 | 40時間 | 40時間 |
税その他 | 10時間 | 10時間 |
免除科目 | 10時間 | 10時間 |
合計 | 140時間 | 160時間 |
いかがでしょうか。
科目ごとの「基礎力養成期」と「直前対策期」の時間配分は、
- 勉強する量の多さ・少なさ
- 例年の問題数の多さ・少なさ
を基準にして、それぞれの時期ごとに各科目の配分時間を設定してみました。
これから勉強を開始するにあたって参考になれば幸いです。
以下の動画でも、宅建の勉強スケジュールや宅建の重要性、日程や合格率などについて詳しく解説しているため併せてご覧ください。
最短で合格するための勉強法
ここまでで見てきたように、宅建の合格には、かなりの勉強時間・勉強期間が必要なことが分かりました。
そこで、最後にこれらの時間・期間を少しでも短くするために意識すべき・検討すべきポイントをいくつか挙げたいと思います。
- 最初は細かなところは気にしない
- テキストだけでなく、過去問集も積極的に使いましょう
- 分かっている人に積極的に聞いてみる
- 受験指導校(予備校)を利用する
1.最初は細かなところは気にしない
上記のとおり、宅建の勉強では、時期によってやるべきことが変わります。
「理解重視の時期」と「記憶重視の時期」ですね。
最初の「理解重視の時期」に関しては、細かなところは気にせず、まずは最後までたどり着くことを優先させましょう。
細かなところにいちいち立ち止まっていると、余計に時間が必要になります。
2.テキストだけでなく、過去問集も積極的に使いましょう
「過去問をやっておけばOK」という科目・分野も、宅建ではあります。
そのようなところは、過去問集を用いた問題演習だけで済ませるという手を採用するのもアリです。
すると、テキストを読むための時間を節約することができますから、総勉強時間を圧縮することが可能です。
また、問題集の選び方としては、テキストとセットのものを選ぶことや、いろいろな問題集に手を出さないようにする必要がございます。
詳しく知りたい方は「独学経験者が紹介!宅建試験の独学におすすめの問題集・過去問題集」を参考にしてみてください。
3.分かっている人に積極的に聞いてみる
分からないからといって、そこで立ち止まっていれば前へ進むことができません。
かといって、分からないことをいつまでも分からないままにしておくわけではいきません。
そこで、ネットで検索する等してどうにか解決しようとするわけですが、分からないことですから当然どうやって調べてよいやら分かりません(汗)。
なので、ここは思い切って分かっている人に質問してしまいましょう。
何十分もかけて調べていたことが、一言二言で解決することも多々ありますよ。
4.受験指導校(予備校)を利用する
「勉強するだけでも色々と気にしなければならないのに、他にも気にしないといけないことがあるなんて……。」と思った方は、受験指導校(予備校)を利用することもご検討ください。
そういう“面倒くさいこと”を代わりにやるのが、受験指導校(予備校)の役目です。
面倒くさいことはすべて受験指導校(予備校)にやってもらい、受験生の皆さんは、宅建の合格に必要なことだけをひたすら実行するのに努めましょう。
独学と通信講座のメリット・デメリットについて
補足となりますが、独学と通信講座でのそれぞれのメリット・デメリットを紹介いたします。
どちらで学ぶか悩まれている方は参考にしてみてください。
まずは、独学のメリットですが、やはり費用が安いことです。
教材費以外は基本的に料金がかからないため、値段を抑えたい方などには独学がおすすめです。
また、デメリットに関しましては、一人で勉強を行うため、継続して勉強する意思を保つ必要があります。
一方、通信講座のメリットにつきましては、わからない部分は講師に質問できるため学習が捗ります。
また、デメリットに関しましては、独学とは逆に費用が高いこととなります。
わからないところはすぐに講師に聞けたり、独学でやるよりもモチベーションが保ちやすい等のメリットも多いため、決して高すぎるという訳ではないため、効率良く学びたい方は通信講座がおすすめです。
関連コラム:宅建試験の「権利関係」の出題傾向と勉強法の4つのポイント
関連コラム:宅建試験おすすめの通信講座・予備校9社を比較!費用や特徴を解説
宅建試験は難しいのか?
次は「独学」という言葉の意味を、宅建試験の世界にあてはめてみましょう。
宅建試験の世界における「独学」は、言葉の意味を踏まえると、こんな感じです。
先生がいない
宅建試験の世界における「独学」は、言葉の意味を踏まえると、まず、先生がいません。
先生がいないということは、勉強しなければならない項目の内容について、分かりやすく解説してくれる人がいないというわけです。
そのため、「ここってどういう意味なんだろう…?」と思っても、それを聞く相手がいません。
もちろん、今の時代は、「インターネット」という大変便利な道具があります。
しかし、インターネットは、大変便利な道具であると同時に、「古い情報」「不確かな情報」も出てきてしまいます。
例えば、このコラムとは異なりいったいどこの誰が書いたものなのか分からないものも出てきます。
試験は常に傾向が変化するものであるにも関わらず、古い情報や不確かな情報を掴まされてはたまったものではありません。
しかし、それらの情報が、「これは古いから参考にならない」とか「それは今の試験の傾向にあってない」など、情報のアウト・セーフを判断してくれる人がいません。
全部自分で判断しなければならないのが「独学」です。
小学校・中学校の頃は、教科書は先生が決めてくれていました。
ただ、そのテキストを選んでくれる先生が独学場合いません。
テキストも、私たち自身が、無数に存在するものの中から選びだす必要があります。
「これにしよう」と決意し、本屋さんへ買いに行ってみると、テキストの横には「問題集」がたくさん並んでいます。
苦労して選び出したテキスト・問題集でいざ勉強を始めてみると、「あれ?」と思うことや「勉強しづらい」と感じることもあるでしょう。
そんな不安を取り除いてくれる・悩みを聞いてくれる・助けてくれる人もいません。
ひとりで勉強する
独学の場合、自分だけで勉強することになります。
「ひとりで勉強する」以上、何を、いつまで勉強するのかは、常に自分で判断しなければなりません。
そのため、「何の科目を」「いつまでに」終わらせるのかを自分で決めなければなりません。
「宅建業法」はいつまでに終わらせるか?
「権利関係」は?「法令上の制限」は?
「税」はいつのタイミングで最新情報に当たりましょうか?
「統計情報」は、いつ最新のものが公表されるのでしょうか?
「ひとりで勉強する」ため、他の受験生の方々と比べて、現在の進捗が「先行している」のかそれとも「出遅れている」のかが分かりません。
箱根駅伝で、首位のランナーが2位以下を圧倒的な差をもって引き離しているイメージでしょうか。
「先行している」のであればペースを落とし、「出遅れている」ものの底上げを図る必要があります。
そういった判断(タイミング)も、ご自身でやっていく必要があります。
「独学」を宅建試験の世界に当てはめてみると、とても不安な内容になってしまいましたが、宅建試験の世界では、独学で合格を勝ち取った方も当然います。
「独学」で勉強することが難しいという方の特徴としては次で解説いたします。
独学におすすめのスケジュールについては、以下の記事でも解説しています。
関連コラム:宅建に独学で合格する為のスケジュール・期間を徹底解説
「独学」が難しい人の特徴
「独学に向いている方の特徴」が明らかになりましたが、反対に「独学」は難しいかも……という方も当然いらっしゃるでしょう。
自分に合った学習スタイルを、適切に選ぶことは、結果を確実に出すうえで重要です。
そこで、次は反対に「独学は難しいかも…」という方の特徴も明らかにしておきましょう。
特徴その1:なかなか決断できない方
なかなか判断できない方は、様々存在するテキストや問題集の中から「これ!」と選び出すのが困難です。
また、こういうタイプの方は、一度選んだテキストや問題集も、最後までやり切らずに途中で別のものに切り替えてしまうことが多い傾向です。
「最後までやり切らないと宅建試験の学習範囲をすべて網羅できない」とわかっていながらです。
これでは、いつまで経っても勉強が終わらず合格は遠のく一方です。
特徴その2:適切な情報を選び出すのが難しい方
どこに出かけようかといつまでもスマホで調べ続ける人や、調べてみたものの解決策が一向に見つからない人というのもいるのではないでしょうか?
こういった方というのは、「独学」で合格を勝ち取るのは難しい傾向にあります。
確かな情報をつかみ取る力がなければ、古い情報や不確かな情報、間違った情報を掴まされ、そのまま試験に突入し結果が出ないことが十分起こり得ます。
そして、「独学の場合」先生がいないことから、掴まされた情報が古い・間違っていると誰も指摘してくれません。
そんな状態で何年も勉強を続けることになってしまいます。
特徴その3:計画性をもって物事を進められない方
計画性をもって物事を進めるのはなかなか辛い話ですよね。
計画性がないと、10月の第三日曜日までに準備を間に合わせることができません。
ここまで「独学」は難しいと思われる方のタイプを挙げてきました。
そのような方には、やはり受験指導校を利用していただき、宅建試験の合格を目指していただきたいです。
「独学」の悪い面をカバーしているのが、受験指導校のメリットとなります。
まとめ
宅建の勉強時間・勉強法や独学の難しさに関する解説は、以上となります。
このコラムでは、
- 宅建の合格に必要な勉強時間は、「勉強時間は300時間から400時間くらい」「一日の勉強時間は約2時間」である。
- 勉強を始める時期によって、一日の勉強時間は大きく変わる
- 各科目の勉強時間は「基礎力養成期」と「直前対策期」で異なる
- 勉強時間を短くするコツは「最初は気にせず前へ進むこと」「分からないことが出てきたら、分かる人に質問してさっさと解決する・面倒なことは受験指導校(予備校)に任せてしまう」
- 「独学」で勉強することは難易度が高い
という点を中心に解説してきました。
宅建は、例年20万人以上の方が受験申込みをする超人気資格です。
それほど人気なのは、就職・転職等キャリアアップの手段としても有効ですし、他の資格へのステップアップにも用いることができ、非常に使い勝手のよい資格だからです。
今回のコラムを参考にしていただき、ぜひ宅建の合格を勝ち取ってください!
アガルートアカデミー受講生の合格者の声も参考にしてみてください。
合格者の声:試験日まで2ヶ月半程の勉強時間で見事に合格! 松堂 優子 さん
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この記事の著者 林 裕太講師
初学者向けの入門講座から、受験経験者を対象とした上級講座まで幅広く講座を担当。
本試験の出題傾向を緻密に分析した上で、初学者・受験経験者問わず、少しでもわかりやすく、点をとりやすくなるような講義とテキスト作りに心血を注ぐ。
また、様々な資格試験に精通する「資格マニア」でもある。
アガルートアカデミーでは、行政書士試験だけでなく、公務員試験(法律系科目,社会科学等)、
宅地建物取引士試験、司法試験(一般教養科目対策)、ビジネス実務法務検定®試験の指導も行う。
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