【バイク紹介】ビーノはなぜこんなに
人気なのか?その意外すぎる理由とは。
かわいさで言ったらホンダの原付
スクーターのスクーピーのほうが
かわいかったと思うが、ここまで
ヤマハビーノが人気になるとは
正直思わなかった。
ヤマハ車種なのに今はホンダが
作っているが。
ビーノ人気は「ゆるキャン△」の
影響も強いと思う。
「キャンプ+スクーター」の数年前
の最強タッグのようなもので。
だが、ビーノ自体は発売された
1990年代からのロングランモデル
で、根強い人気があった。
発売当初はネオレトロを謳い、
ポップなシティビークルとして
発売されて大ヒットした。
CMキャラクタは人気のパフィが
やっていた。
レトロなスタイルとは裏腹にパンチ
のあるキビキビとした走りで、姿
のみならず実走性能でも多くの人
を魅了した原付スクーターだ。
実際に乗ってみると、かなり面白
い。
クラシカルスタイルのスクーター
はイタリアンレッドがよく似合う
が、こうしたイエローも映える。
これもイタリアンなテイスト。
ただ、「ゆるキャン△」のリン
がパステルトーンのビーノに
乗っていたので、穏やかな色調
のビーノも人気が出た。
二輪車にそうした色調のカラー
を施したのは、実は1985年の
8時間耐久のヤマハファクトリー
チーム「資生堂テック21ヤマハ」
が初めてだった。水色に近い薄紫
のパール塗装。
その色合いを見て、第一ライダー
だった元WGP世界チャンピオン
のケニー・ロバーツはぶったま
げて文句を言った。
「モーターサイクルの色は鮮や
かな色と決まっている。こんな
うすらぼけた色は駄目だ。勝て
る訳ない。こんなの乗りたく
ない」と。
メーカースポンサーの商品の
色だからとなだめてどうにか
納得させたという歴史がある。
確かに日本のヤマハがパステル
トーンのカラーリングを採用す
るまでは、ありとあらゆる二輪
は極彩色だった。赤、青、白、
黄、緑、銀・・・。
きついソリッドカラーがセオリー
だったのはケニーの言う通り
だった。
しかし、テック21が世界を変えた。
だが、スクーターとカブのみは
ボヤンとした色調の車が大昔
からあった。少し濁った色の。
ただ、本格的なメルヘンチック
な色が登場したのは1985年から
だろう。
志摩リンのビーノの色合いなどは、
その延長線上にあるといえるだろう。
それでも、ヤマハは1977年の
復活させたスクーターの原初で
あるパッソルでモノトーンのカ
ラーを採用していた。私がヤマハ
系レーシングチームから新発売
されたばかりのビーノを貸与さ
れて都内の足として乗っていた
個体は、やさしい水色のパッソル
だった。リンのビーノと同じよう
な色調の。
「復活させた」というのは、1960
年代には国産スクーターが多く
あったのだが、1970年あたりを
起点に全車廃番。
ヤマハがパッソルでスルーステップ
を復活させるまで、国産車では
スクーターは全く存在しなかった。
ラッタッタで原付ブームに火を
着けたホンダでさえ、両足ステッ
プモデルのモペットを出しただけ
だった。ヤマハが復活の狼煙を
あげたのだった。
それからはもうカワサキ以外の
各社がこぞってスクーターを
作って市場を形成した。
それにより日本の二輪産業は
爆発的に成長した。
カワサキのみは原付スクーターは
作らなかった。
だが、1950年代のカワサキの
第一号車は実はスクーターだった
事はあまり知られていないようだ。