自動車王国日本の凋落:役に立たない全固体電池

2023-08-15T13:00:42+09:00

Posted by MOS_IC_MAKE

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ひとりごと

日本は世界一の自動車生産量を誇っていたが、最近では中国に追い抜かれた。
いまや中国が世界一の自動車輸出量を誇り、自動車販売料も世界一を誇る。しかしその中国市場で日本車は軒並み不況にあえいでいる。
中国で「日本車が総崩れ」不安視される撤退ドミノ
日本が中国の後塵をはいするようになったのはひとえに電気自動車に乗り遅れたせいである。


中国の自動車輸出台数は2023年第1四半期(1~3月)に107万台となり、初めて日本を抜き世界一の自動車輸出国となった。中国汽車工業協会(CAAM)の統計によると、自動車輸出台数は20年に108万2千台、21年に201万5千台となり、22年には311万1千台に達しており、爆発的な伸びを示している。
 この伸びは、新エネルギー車(NEV)輸出台数の大幅な増加によるところが大きい。

日本はハイブリッド車に依存しすぎたため電気自動車(BEV)に完全に乗り遅れた。BEVはハイブリッド車の延長でいつでもできるとたかをくくっていたせいで完全に出遅れた。電池を例に上げれば、中国は圧倒的なシェアを誇る。日本製の電池はほとんどお呼びでない。

そんな中、日本メーカーが起死回生のぎゃくてんをかけるのが全固体電池だという。6月13日、トヨタ自動車が全固体電池を「2027年にも実用化する」と発表、このニュースが大きな話題を呼んでいる。
電気自動車用の電池の主流はリチウムイオン電池である。正極と陰極お間に電解液をはさみ、充放電を繰り返す。全固体電池というのは液体の電解液の代わりに固体の電解質を用いた電池のことである。全固体電池の特徴は充電量が大きく、高速充電が可能なことだ。トヨタの資料によれば15分の充電で1200Kmの走行が可能になるという。

夢の様な電池なのだが現実はそんなにうまくは行っていない。まず全固体電池といってもリチウムイオン電池には変わるはない。リチウムを必要とすることには代わりはない。
普通の電池は電極を電解質につけるだけだが、全固体電池は固体の電解質のため電極の固体どうしの接続が難しい。さらに固体にクラックが入ることがあるため寿命が短い。
つまり電池の製造工程はいまの電池とは違った全く新しいラインが必要になる。

つぎの航続距離だが普通の乗用車では1200Kmも必要ない。ガソリン車のようにせいぜい500kmも入れば十分である。しかも高速充電するためには高容量の充電器が必要になる。つまり全固体電池のために高容量の充電器を増設できるかということだ。
一般的なBEVの使い方は昼間走って、夜にゆっくり家庭や宿舎で充電する。つまり高速充電の需要はあまりない。全固体電池を搭載したとしても、そのメリットを活かせない。
多分全固体電池は当初は高価なものになるだろうから、かんたんには普及しないだろう。トヨタは2027年ころには発売するとしているが、多分その頃にはもっと電池が安くなる。それどころかもっと安いナトリウム電池が出てくる。
全固体電池の出る膜など無いと思うのだが

いまさらリチウム電池の全固体電池なんかどうやっても中国にはかなわないのだから、それよりも次世代の電池とされるナトリウム電池を目指すほうが得策だと思うのだが。



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