宮坂 昌之
新型コロナ変異株は日本ではXBB.1.5が増え、さらに最近、EG.5が勢いを増しています。しかし、秋から使えるXBB用ワクチンがおそらくEG.5にも効くはずです。
ところが、さらに最近、海外でまた新しい変異株が出ているようです。一度は流行が終わったはずのBA.2がさらに変異をしたものです。イスラエル、デンマーク、イギリス、アメリカとまったく異なる4つの地域で見つかっていて、お互いに塩基配列が少しずつ異なっていることから、K大のM准教授があちらこちらで示唆している「ヒト関与説」は単なる空想に過ぎず、流行が盛んな地ではこのような変異株が実際にできやすいことを示していると私は考えています。
この新しい変異株は、現在、BA.2.86と呼ばれていますが、上記のXBB.1.5と比べると、新たに31個の変異が入っていて、もしかするとXBB用ワクチンが効きにくい可能性があります。ただし、現時点ではその感染力や病原性は不明ですが。
一般に「新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスより変異の頻度が少ない」と言われるのですが、実際は、感染する人の数が多いと、このようにいつまで経っても新たな変異株が次から次へと出て来ることになります。社会レベルで見たら、「かかったほうが得だ」などということはありません。
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