中小企業診断士の口述試験では、どのような問題が出題され、合格率はどのようになっているのでしょうか?

中小企業診断士試験合格を目指す人にとって、口述試験を受験する必要があるので気になるのではないでしょうか。

そこで、中小企業診断士の口述試験の概要、合格率、質問される内容、口述試験の対策について解説します。

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中小企業診断士の口述試験の概要

中小企業診断士の口述試験は、端的に申し挙げますと、中小企業診断士試験最後の関門です。

口述試験では、中小企業診断士2次試験で筆記試験合格者が受験でき、筆記試験で出題された事例をもとにした質問に対し口頭で回答するものです。

試験日程

令和5年度の口述試験は令和6年1月21日(日)に行われます。合格発表日は令和6年1月31日(水)です。

例年、12月中旬の日曜日に行われます。2次試験では筆記試験と口述試験がありますが、筆記試験合格者のみが口述試験に挑むことができるため、それぞれ別の日程となっています。

筆記試験の合格発表からおよそ1週間後に実施されるため、口述試験の準備期間は短いです。口述試験前の1週間は集中して口述試験対策を行いましょう。

なお、口述を含む中小企業診断士試験の全体的な日程に関しては以下のコラムを参考にしてみてください。

※関連コラム:2023年中小企業診断士試験の概要|試験日・申し込み方法も解説

試験会場

口述試験の受験地区は原則として筆記試験と同じ地区となります。転勤などの事情でやむを得ない場合に限り受験地区を変更できます。

具体的な受験地としては、札幌(北海道)、仙台(宮城県)、東京、名古屋(愛知県)、大阪、広島、福岡の各都市で受験することになります。遠隔地に住んでいる方はホテルなどへの前泊も検討した方が良いでしょう。

具体的な会場については、筆記試験合格者に送付される口述試験案内で把握することができます。ホームページなどへの掲載はないので、口述試験案内をよく読むようにしましょう。

試験の時間帯と試験自体の時間

試験の時間帯も口述試験案内で通知されます。

一般的な時間帯としては昼前から昼過ぎにかけてが多いようです。試験の時間は個人で細かく指定されており、11:12分(予定)など分単位での指定がされていることもあります。

試験自体の時間は約10分間となっています。

科目(出題範囲)

出題範囲ですが、筆記試験の事例をもとにして、どのようなアドバイスや診断を行うかということが出題されます。

今後中小企業診断士として業務を遂行する能力があるかを見ているといえます。

中小企業診断士の口述試験の合格率

中小企業診断士の口述試験の合格率は極めて高いです。

過去5年間の口述試験の結果を表にすると以下のようになります。

年度

口述試験を受験する資格を得た者

合格者 口述試験合格率
2022(令和四)年度 1,632 1,625 99.57%
2021(令和三)年度 1,605 1,600 99.69%
2020(令和二)年度 1,175 1,174 99.91%
2019(令和元)年度 1,091 1,088 99.73%
2018(平成30)年度 906 905 99.89%

参照元:https://www.j-smeca.jp/attach/test/suii_moushikomisha.pdf

このように、合格率は毎年99%以上で100%の全員合格の年度もあります。

遅刻などせず、きちんと受け答えができれば合格できる試験なので、試験官の質問を落ち着いて回答すれば合格できる試験といえるでしょう。

口述試験の面接ではどんなことを聞かれる?

口述試験では、面接官2人~3人に対し受験者1人の個人面談で行われます。

例年、筆記試験で出題された事例4問のうち、2つの事例について各2問、合計4つの質問に回答します。

具体的な過去の事例を見ていくと、

「古い旅館用の建物なので修繕をする場合、どのような修繕をアドバイスするか?」

といった質問や、

「部品メーカーの技術の向上のためにどのような方法が考えられるか?」

といった質問がありました。

このように口述試験では、中小企業診断士の模擬経営コンサルティングをすることになります。

会場には参考資料の持ち込みが一切禁止されているため、筆記試験の事例を前もっておさらいしておく必要があります。

口述試験の対策

口述試験の対策には、以下のようなことが考えられます。

落ち着いて回答ができるようにシミュレーションをしておく

面接官2~3人を相手に自分の考えを展開するので、極度に緊張することがあるかもしれません。

そのため、頭の中で会場の状況をイメージし、雰囲気に慣れておくことで落ち着いて回答できるようになるでしょう。

筆記試験の事例をおさらいしておく

口述試験は、筆記試験の事例をもとに出題されます。

また、筆記試験の問題など参考資料の持ち込みが禁止されています。

そのため事前に筆記試験の事例を覚えていなければ回答ができません。

筆記試験の事例は前もっておさらいをしておき、当日は質問に正確に応答できるようにしましょう。

また、筆記試験で出題された問題に限らず、他の観点からの出題もなされます。

そのため、各事例についてマーケティングや運営管理など色々な角度から事例を分析することも対策として有効でしょう。

声に出して練習する

普段から声が小さい人など、声を出すことが苦手な人もいるでしょう。

しかし、口述では面接官に自分の意見をはっきりと伝えることが重要です。

そのため、声に出して面接の練習をすると良いでしょう。

まとめ

以上、中小企業診断士の口述試験についての解説でした。

このコラムをまとめると、以下の点が重要です。

・口述試験は12月中旬に行われ、筆記試験の受験地で口述試験を受験する

・試験の時間帯は昼前から昼過ぎにかけて、約10分間の面接試験

・口述試験の合格率は毎年99%以上と極めて高いので、落ち着いて回答すれば合格できる試験

・筆記試験で出題された事例をもとに出題され、模擬経営コンサルティングを行う

・シミュレーションや事例分析、声に出して練習などが対策として考えられる

口述試験までいけば、中小企業診断士はもう目の前です。

落ち着いて受験できるようにしましょう。

関連コラム:中小企業診断士の独学合格に必要な勉強時間は?勉強法のポイントと学習順を解説

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