[平本淳也のジャニーズ社会学]

世界を変える日本人に選ばれた”ジャニーズJr.”のレジェンド|平本淳也のジャニーズ社会学

”伝説のジャニーズJr.”こと武口明と筆者(平本淳也)
”伝説のジャニーズJr.”こと武口明と筆者(平本淳也)

 最近、杉田かおるさんと会いました。僕が運営する横浜のお店『エンターテイメントカフェRHYTHM(リズム)』にお越し頂きまして、懐かしい話から芸能界の裏表まで(笑い)物凄く盛り上がりました。かおるさんと言えば子役時代から活躍していて僕らが憧れたドラマ『3年B組金八先生』の名演にも代表されるように永遠と語り継がれる大女優だ。

 かおるさんはとても元気でした。綺麗で明るくとても良い方です。おそらく皆が思っている”杉田かおる像”と実物は印象が違うと思う。かおるさんとは30年ぶりかな、生田や東宝の撮影所で会って以来と思うが、そんな話もしつつ僕は「大先輩のトシちゃんやマッチに対抗できるのはかおるさんだけです!」とか「3Bのとき、たのきんとかワケわかんない3人組がはゃいでいてムカつきませんでしたか?」などアホな質問しつつも笑顔で対応してくれました。

 あと『3年B組金八先生』と言えば、藤島ジュリー景子さん、つまりジャニーズ事務所の副社長でジャニーさんの姪のジュリーさんを忘れてはならない。SMAPの一件で母親のメリーさんと共に日本一の嫌われ者親子にされてしまった無実のジュリーさんは、実は『3年B組金八先生』に女優として出演している。生徒役でトシちゃん、マッチ、ヨっちゃん(たのきんトリオ)と共演しているのは知る人ぞ知る事実。

 もちろん、かおるさんにも直撃した。「ジュリーさん、どうでしたか? メリーさん、いつも来てましたか?」などと、ただのミーハーというか、80年代オタクのような質問にも笑顔で対応してくれた良い人だ(笑い)。そもそも『3年B組金八先生』は、杉田かおるさんと鶴見慎吾さんの二人を主役に設定したドラマだったが、思わぬところで「たのきん」が大爆発して結果的にメガヒットとなった。

 思春期の生徒たちが描く光景と受験戦争だった当時の背景もリアルタイムに後押しして日本を代表するレベルのドラマ作品になった。このドラマがキッカケとなって天下取りに動いたのが「ジャニーズ事務所」である。このドラマがなかったら今のジャニーズはありえない。低迷していた時期に突如として現れた新星3人によって一気に躍進してその名を轟かせることになる。

『3年B組金八先生』の開始以来、音楽系賞レースの総ナメは当たり前、出るドラマやバラエティは皆が注目して話題となり、80年代を完璧にモノにしたジャニーズ事務所。そうした流れは後にシブがき隊、少年隊、光GENJIへと続き、SMAPを生んだ90年代で天下不動となった。ジャニーズにとって『3年B組金八先生』はかけがえのない存在なのだ。

 そのドラマで主役を担った杉田かおるさんが僕らにとってどれだけ特別か少しは理解できると思うが、そんな彼女も素敵なオトナになっており、すっかり落ち着いていらっしゃる。芸能界の構成から見て、泉ピン子や和田アキ子さんの後を継ぐご意見番になってもらいたかったところだが(笑い)。

■伝説のジャニーズJr.、武口明とは?

 そんなかおるさんが来られたとき、タケちゃんこと、ジャニーズ時代の同僚で盟友の武口明も一緒で「なんか、同窓会みたいだねぇ」と面白おかしくお喋りしたが、タケちゃんも「3B枠」、つまり「金曜八時」(略して金八って知ってた?)のドラマ『オサラバ坂に陽が昇る』の1タイトルで主役を張った元ジャニーズジュニアだ。

 タケちゃんは他にもシブがき隊主演のドラマにレギュラー出演していたりと結構な売れっ子で、当時のジュニアを代表する存在だったが、ジャニーズを辞めた後も凄かった。なんとテレビ東京系のテレビ特番『世界を変える100人の日本人』のひとりにも選ばれた人物なのだ。それもなんと「これまで放送されている歴代のテレビCM」で知名度も人気も1位を保持している某CMでブレイクを果たした。

 そのCMは、「きっと君は来ない~ ひとりきりのクリスマス・イブ~」の歌詞とメロディでお馴染みの山下達郎さんの名曲『クリスマス・イブ』が流れるJR東海(クリスマス・エクスプレス'88)の新幹線の広告だ。駅のホームで彼を待つ当時15歳の深津絵里ちゃんがブレイクしたキッカケともなった話題のCMで、今でも多くの人に記憶されている。

 たけちゃんはこのCMでムーンウォークやブレイクダンスを披露し、当時「日本にムーンウォークを広めたダンサー」としても大活躍していた。このCMが物凄い高い評価を得たその後、前出の「世界を変える100人の日本人」にも選ばれるというところにも派生した。実に面白い快挙である。

 そんなタケちゃんももうすぐ53歳、一緒にいた杉田かおるさんも同じ学年で同窓会みたいと表現されていたが、僕は彼らより2歳も年下で生意気なのに仲良くさせてもらっているわけで、当時の金曜八時のTBSは熱かったともっと語りたいところだが、そんな最中に、ジャニーズ事務所からタッキー&翼が活動休止することが発表された。僕のところにもこれについてのコメント依頼が多く舞い込んでいるので、強引だが、そちらに話題を変えましょう。

 滝沢秀明と今井翼のユニット「タッキー&翼」は今年でデビュー15周年で同じジャニーズの2人組KinKi Kidsより9年後輩のポジション。しかし、キンキと比べるとタッキー&翼の存在感は活動とともに年々薄くなっている。どちらもジャニー喜多川が育てた”最高傑作”として、ジャニーズの王道の看板を背負う二人(堂本光一と滝沢)を有している至宝グループで、ジャニーズ事務所としても特別に扱われている存在だ。

 だからこそ、解散ではなく休止にしたとも言えるが、そもそもの話で滝沢はソロでの活動が基本にあり、また今井も演技や制作に大きな興味を抱いていることから、これまでもそれぞれが自分の道を歩んでいた。そうした個人活動は今に始まったことではなく、また不仲が活動休止の原因ということでもない。

 ジャニーズを去る元SMAPの三人の動向がニュースとして騒がれる中で、大人の思惑でタッキー&翼の休止を格好のタイミングで被せてきた。ジャニーズ事務所としては、今後のジャニーズの印象を大きく左右するであろう看板ふたりをより際立てたいという気持ちが強い。

 例えば「タッキー&翼」の滝沢ではなく、”滝沢秀明”という歌手で役者という個の確立である。今井にしても同様で、それぞれの役どころや方向性を広げていくということと、滝沢に特別な思い入れがあるジャニー喜多川さんの意識が強く働いている。

 またそれと同様に、翼の環境や立場といったものは大きく変わっていく。より今井翼らしい個性を磨いていくことになる。何度も繰り返すが、ジャニーズ事務所の至宝は堂本光一と滝沢秀明で、このふたりの環境をジャニーさんが壊わすようなことは絶対にしないし、それと同時にこの2人に寄り添ってくれる堂本剛と今井翼も大好きなのだ。

 そして最後に、武井咲とTAKAHIROの結婚発表についても触れたい。この一件についてはオスカープロの受けたダメージは計り知れません(笑い)。武井は広告需要王国のオスカープロで10本のCMを担い、1年の間で2クールもドラマ主演をこなせる、若手女優では群を抜いた稼ぎ頭。それがデキ婚で上戸彩に続いて、LDHに持っていかれるという悲しさと悔しさ。

 せめてあと2〜3年は待ってほしかったというのが本音だろうが、個人が求める幸せの邪魔はできないからね、それに相手がTAKAHIROじゃあ相手にとって不足なしで認めるしかないというのはオスカーならずとも納得できるところ。しかし芸能界も随分と変わったと思う報道でした。芸能系のニュースにはよく絡んでいる僕ですが、このネタは珍しく掴んでいませんでした。

著者プロフィール


ジャニーズ出身の作家

平本淳也(ひらもと・じゅんや)

ジャニーズ出身の作家で実業家。著書34冊のベストセラーを誇る売れっ子の物書きとして、テレビや雑誌など多くのメディアに記事やコメント提供。実業家としてはコンサルティング会社や芸能プロダクション、レコード会社などを運営し、タレントから起業家まで幅広い活動の支援を行っている。http://vjsv.com/

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