どちらがウソ?米警鐘、日本の防衛機密漏洩を日本政府は否定 (2023.08.12) No.540



数日前のワシントンポストでの報道で、中国軍のハッカーが日本の防衛機密ネットワークにアクセスし、日本の軍事能力の欠点などを分析していると、NSAの顧問だったマシュー・ポッティンジャー氏が、2020年の当時の岸防衛大臣に伝えたと、ワシントンポストがこの2年ほど前の話を8月7日に突然報じたが、日本の現防衛省は何の問題もないと答えたことがニュースになっている。

日本のサイバーセキュリティのレベルの低さに、アメリカは驚いたのではないのか。日本側がデータが漏洩しているようなことは確認していないの一言で済ませた。どちらかが嘘をついていることになる。

アメリカは日本の防衛システムのネットワークのセキュリティが弱い、日本の防衛上の欠陥が分析されているとわざわざ教えたのに、日本政府が何の対応もしなかったので、ワシントンポストにリークして記事を流させた。それに対しても現防衛大臣が何の問題もない、情報が流れたと確認できていないと言う。

アメリカの味方をするわけではないが、日本側に問題がないとは言えない。以前に日本の研究機関のデータベースが中国に移管されていることを証拠を添えて知らせたことがある。その時の反応が、だからどうしろと言うのだという程度だった。
そもそも意識が低すぎる。国の情報収集衛星の部門に外国人を入れていたり、情報が流出していると教えてやっても、だからどうしたぐらいの対応が結構多かった。

仕方がないから、どれほど日本のネットワークセキュリティが緩いのかを警鐘を鳴らすために本にも書いた。

この国のサイバーセキュリティのレベルは期待できない。確認はできていないが、確実に漏洩していると思われる。問題がない。確認できていないと言い切るのは、対応としては意識が低すぎる。しかも2020年に発覚してもう3年放置されている。ネットセキュリティのインフラであるNTT 株を売り飛ばして、皆で金儲けをしよう、それで防衛費を賄おうと言う程度の人たちの集まりなのだ。

アメリカが心配になるのも分かる。当時の防衛大臣が岸議員だったこともあり、おそらく中国に流れても気にならないのだと思われる。問題にすらしていないのだ。

5Gシステムにしても、アメリカは次世代の6G通信を強化するために頑張っているが、日本はむしろ中国寄りの規格作りをしているのである。アメリカが推進している6Gの開発よりも中国寄りの基準の方に寄っている。

そのようなことを放置しているということは、やはりこの国に何かある。アメリカが親切に日本に対してセキュリティ上に脆弱性がある。漏洩していると教えてやっても、特に何の手も打っていない。

これは同盟国として危険である。サイバーセキュリティーをしっかり掛けなければいけないネットワークインフラの一部を、米軍は自衛隊と共有しているのだから、わざわざNSAの顧問が来日し、日本がどういう状態にあるのかと警鐘を鳴らしに来る。

それに対して3年間、ほとんど何もやってなかった。それどころか情報流出を確認できていないと言うだけで終わらせようとしている。真摯さに欠ける。

アメリカは日本のネットワーク経由で、アメリカの防衛機密にアクセスできるリスクに危機感を持っている。
東アジアで中国が拡大しないようにするために、日本とアメリカの間で防衛情報をネットワーク上で共有している。アメリカ側がセキュリティをしっかり守っているのに、日本のネットワークセキュリティの甘さから情報が漏れている怖れがある。

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山本 健次

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