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生成AIで新聞協会など声明「著作権保護策の検討を」…法改正の必要性見極め求める

読売新聞 / 2023年8月17日 22時51分

 日本新聞協会などは17日、生成AI(人工知能)について、著作権者の権利が侵害されるリスクが強く懸念されるとして、権利の保護策を検討するべきだとの共同声明を発表した。日本の著作権法は諸外国に比べてAI学習に極めて有利である一方、著作権者の救済策は不十分だとして、同法改正の必要性を見極め、権利者団体と関係当局との著作権保護に関する意見交換の場を設けるよう求めた。

 共同声明を発表したのは、同協会と日本雑誌協会、日本写真著作権協会、日本書籍出版協会の計4団体。

 生成AIは、多くの場合、ネット上の大量のデータを著作権者の同意や対価の支払いなしに学習した上で、文章や画像を自動的に作り出すとされる。著作権法30条の4は、AIによる機械学習など情報解析が目的であれば著作物を利用できるとしている。

 声明は、同法が「著作権者の利益を不当に害する」場合は学習利用できないとしているものの、その解釈が不明確で、海賊版の学習利用も禁止されていない点を問題視。著作権を侵害するコンテンツが大量に出回る恐れがあるのに、実効的な救済策が示されていないと指摘した。

 さらに、生成AIにより、▽創作機会が失われ、著作活動が困難になる▽違法コンテンツを利用した非倫理的なAIの開発・生成が行われる▽AI利用者が意図せず権利侵害を行う可能性がある――などとして、文化の発展を阻害する恐れがあると訴えた。

 その上で、AIが学習できない場合の著作権法の解釈を明確にし、同法改正の必要性を見極める必要があると提言。技術の進化に合わせた著作権の保護策が検討されるべきだとした。

 クリエイターらの間では権利侵害に対する懸念が強まっている。文化庁は6月から、AIの学習に関する同法の規定を含め、著作権を巡る論点整理に向けた議論を始めている。

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