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会話

【独り言】 とある小学校の6年生の皆さんへ 小学生だからといって、一国の総理大臣にお手紙を送っても返事はきません。 もし、総理が皆さんに直接返事をすると、全国からお手紙が来て、それにも返信しないといけなくなります。 返事をもらえない誰かがクレームを述べるからです。 そうすると、総理大臣は、本来やるべきお仕事ができなくなります。 だからこそ、皆さんが大人になって、選挙にいって選ばれた議員が、国会で皆さんの意見を代わりに伝えたり、質問する議会制民主主義という制度があります。 総理大臣からのお返事が来ない!と非難すること自体がおかしいことは小学6年生ならわかると思います。 ちなみに、皆さんが大人になって、会社に就職した場合、わからないことがあったり、不満があっても、いきなり社長に手紙を送ったりするのは決しておすすめしません。 社長は、(普通は)回答してくれませんし、少なくとも会社の中で変わった人間だと思われます。 いきなり社長に手紙など送らず、ちゃんと順序を踏んで、先輩や直接の上司に相談しましょう。 あと、皆さんの議論では、辺野古移設について、賛成1人、反対29人でした。 色々なことを考えて、自分なりの意見を持つことは素晴らしいことです。 でも、辺野古移設は、皆さんより生活に直接に関係のある沖縄の方でも、「反対」が54%で「賛成」が33%です。 ものすごく難しい問題で全員が納得する正解はもちろんありません。 ただ、なぜ、皆さんのほとんどが反対なのに、沖縄に住みながら賛成している人が33%もいるのだろう?と、色々な角度から議論することも重要です。 また、お手紙の内容についても、記事中の黒板の記載を見ても、皆さんの中でも色々と違う意見があったのではないかなと想像します。 それでも。 皆さんのお手紙は、 『和光小学校6年2組一同』 と全員が全員同じことを考えているかのような文面になっています。 これは『全体主義』というものに繋がる本当に危険なものです。 もし、「私は意見が違うのに、一同とかおかしいな」、「自分は、よくわからないのに、勝手に内容が決まっちゃったな」、「私は私なのに、なぜ主語が全部「ぼく」なのかな?」と思ったら、その感覚は極めて正しいです。 その感覚は、ぜひ大切にしてください。 そもそも、本当にこのお手紙は、皆さんが皆さんの意思で書きましたか? 自衛隊のことを、「軍(自衛隊)」などと呼称するのは、この日本で、ごくごく一握りの人しかいません。 「今までは守るための軍だったのが、攻めることもできる軍にした」などと、考えている人もごくごく一握りです。 「コスタリカのように軍をなくせませんか?」とありますが、コスタリカには非常時の徴兵制(命令で兵士になる義務)があり、集団的自衛権というものにも加盟しています。 1万人規模の国境警備、海上監視、警備隊もあり、米軍主催の合同軍事演習にも参加する特別強襲隊もあります。 そのことを知って、コスタリカのようになりたいと本当に思っていますか? お手紙を書くときに、先生は教えてくれませんでしたか?インターネットや図書館で調べましたか? 人に何かを質問するという行為には責任が伴うことを学びましたか? 皆さんの手紙は、総理だけでなく、報道各社にも送られています。 そして、その送り先は、(宛先を見る限り)在日米軍や防衛強化に反対している報道社です。 誰がどう選んだのかはわかりませんが、仮に先生が選んだのであれば、先生が何が正しいと考えている人なのか、なぜ報道各社に送ったかは想像できるはずです。 先生がいっているから、みんなが言っているから、正しいわけではありません。 新聞も、本も、インターネットの情報も本当かどうかわかりません。 だからこそ、できるだけ多くの情報に触れ、友達とも話して、反対意見も知り、考える力を身につけてほしいです。 皆さんは、まだ真綿のような小学生で、これから学ぶことも多いので、いま、自分の結論を出す必要などは全くありません。 これからの日本を背負う皆さんだからこそ、たった1人の先生の影響で考えを決めてしまうことなく、常に、幅広く新しい情報に触れて欲しいです。 特定の価値観に偏ることの危険性についても、ぜひ考えて欲しいです。
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