台風7号による計画運休から、一夜が明けた8月16日。
東海道新幹線は、始発から通常通りの運転を再開。駅には朝早くから多くの人が訪れました。
ところが、始発からわずか2時間半後、大雨の影響でまたもや全面ストップに。東海道・山陽新幹線の東京―博多間の全線で、一時運転を見合わせたのです。
16日正午過ぎ、東京駅の切符売り場には長蛇の列ができ、座り込んでいる人たちの姿もありました。駅の外には、階段で座り込む人たちの姿が。
中にはこんな人も。
ーーどこに行こうとしているんですか?
甲子園に行く予定の人:
甲子園を見に行くので、大阪までは一応行こうかなと思っています。
約3時間も東京駅で待っているという、こちらのグループ。
甲子園に行く予定の人:
土浦日大の選手の中に、小学生のころに一緒に野球をやっていた人がいて、その人を応援するために今日は行こうと思いました。
甲子園で勝ち残り、この日、試合がある茨城県代表・土浦日大高校の野球応援のために、茨城から出てきたといいます。試合は第4試合。
ーー今、午後1時前ですが、試合開始は午後5時とか6時ですよね?
甲子園に行く予定の人:
少し飛行機というのも考えたんですけど、新幹線で席を取ってここまで来てしまったので、今のところは新幹線で行くしかないという感じです。
本来ならば東京駅を午前10時48分に出発。試合開始に間に合う予定だったいいますが…。
ーー試合開始に間に合うのは厳しそう?
甲子園に行く予定の人:
多分、無理ですね。新幹線がすぐに動いてくれれば間に合うと思うんですけど、めどが立っていないので、最悪途中からでも見にいきたいなと。
彼らは無事、甲子園にいくことができたのでしょうか?取材スタッフが、試合後に電話をしてみると。
甲子園に応援に行けなかった人:
(午後)2時半ぐらいに試合、途中からでも間に合わないとなって、一緒に来ていた友達と、(家のテレビで)さっきまで試合を見ていた感じですね。
試合は応援している土浦日大が、勝利しました。
甲子園に応援に行けなかった人:
次の試合が土曜日になって、もしかしたら行けそうな感じがあるので、次はちゃんと現地で応援するかもしれないです。
楽しみにしていた野球観戦 小学5年生の男の子が“涙”
16日午後2時10分、東海道新幹線と山陽新幹線は全線で運行を再開。しかし、その後も混乱は続いていました。
「めざまし8」の取材班が新大阪駅で出会ったのは、帰省していた大阪から東京に帰るという5人家族。
母親:
明日から仕事があるのと、もともと主人の予定が今日までお休みだったので、子供の習い事とかも一応明日から再開と全部予定を立てていたので。本当はきのう帰ってきて一日ゆっくり休んでからって思ってたんですけど。今日もだめだったので。こんな状況ですね。
台風7号の影響を考えて一日帰る予定をずらし、16日の朝8時台に駅に来て、新幹線のチケットを抑えたといいます。
ところが、新幹線は動かないまま、5時間が経過。
ーー5時間待ってるの?
小学5年生の息子:
うん、ずっとここにゲームして待ってる。
小学5年生の息子は、どうしても東京に帰りたい理由がありました。
小学5年生の息子:
きょう、実は野球見に行く予定だったけど。
母親:
神宮球場にお友達とお約束してて。午後6時からの野球を。
小学5年生の息子:
すごく楽しみにしてた。プロ野球は初めてだから。
神宮球場に、初めてプロ野球の試合を見に行く予定だというのです。
そうこうしているうちに、動き出した新幹線。ところが、チケットをとっていた10時台の臨時列車が、表示から消えてしまいました。
父親:
えっと…これってもう確定なんですかね。特にアナウンスとかもなく。
駅員:
今、まだ僕が見た段階で、お客様の列車がないってことは、たぶん発車しないんじゃないかなっていう予想が出ています。
駅員に確認すると、チケットをとった新幹線は発車しないことが判明しました。
駅員:
このチケットのまんまで、新幹線の自由席に乗ることができます。ですが、ちょっと正直なところほかのお客さまもいらっしゃるので、なかなか乗れる状況ではないかと。
八方ふさがりの状態に。
母親:
今日頑張って夜まで待っても、乗られへんかもしれない。
父親:
乗っても、野球には…野球には無理やと思う。
小学5年生の息子:
最悪…、5時間待ってそれはないでしょ…。何でこんなに待ったのに。
楽しみにしていた初めてのプロ野球観戦ができなくなってしまい、悔しさで涙があふれます。
結局、新幹線は払い戻して、もう一泊、大阪の実家に泊まることに。
小学5年生の息子:
楽しかったし、疲れたし、辛かったし…。すごいまあ経験にはなったかなって思った。
ーープロ野球に行けなかったのは?
それは悔しい。
新幹線をあきらめて“空の便”を選択する人も
動かない新幹線から切り替えて、空の便での移動をと考えた人もいました。
羽田空港の出発ロビーの片隅で、トランプやボードゲームで時間を潰していたのは、茨城・水戸市からやってきた中学生たち。
茨城・水戸市からやってきた中学生:
新幹線とか動かない状況だったので、飛行機で行こうかなと思って羽田に来ました。中学校の全国大会で。剣道です。
彼らが目指しているのは、剣道の全国大会が行われる、愛媛・松山市。
茨城・水戸市からやってきた中学生:
5時間近く…東京駅にいました。
新幹線の運転再開の目途がなかなか立たないため、急きょ、飛行機で移動することにしたといいます。
その後、一行は無事、松山空港に到着することができたということです。
(めざまし8 8月17日放送)