ススキノ首なし事件で父娘がダンマリ続ける理由…若狭勝弁護士も「想像絶する事件」と困惑
ホテルから出た瑠奈容疑者は待機していた修容疑者の車に乗り込み、いったん帰宅。男性の生首を自宅に置くと、数時間後、再び父親が運転する車でススキノに戻り、朝までクラブで踊っていたというから、普通の神経の持ち主ができることではない。
瑠奈容疑者は5月下旬、この男性とススキノのクラブで会っていた。当日、同じフロアには愛娘の姿をじっと見守る修容疑者の姿があった。瑠奈容疑者は修容疑者の目の前で父親より3歳年上の女装姿の中年男の首に手を回し、何度も抱擁を交わしていた。その時、修容疑者は何を思っていたのか。その夜、2人の間にトラブルが発生し、1カ月半後の首狩り事件へとつながった。
一般常識とはかけ離れた父娘の計画的かつ奇怪な行動は、今後の公判にどんな影響を与えるのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「裁判に備え、念のために精神鑑定する場合と、明らかに必要なケースがありますが、今回はどちらかよく分かりません」とこう続ける。
■精神科医が鑑定にかけられれば前代未聞
「想像を絶する事件です。正常ではない状態なのに計画的に犯行に及んでいます。どういうところに原因があるのか。精神的に解明しないと、刑事裁判を適正に進めることができません。問題は父親です。精神科医を鑑定するとなれば前代未聞です。父親の鑑定の必要性をどう判断するのかが、事件のポイントになる。娘が精神的に問題があるとしても、なぜ父親まで事件に加担したのか。父親も精神的に問題があったのか。それによって父親の役割分担が大きく変わります」