LIFESTYLE / CULTURE & LIFE

『ファイナルファンタジーXIV』のキャラクター・コンセプト・アーティストの生江亜由美とティファニー・ゴドイが対談。伊勢丹新宿店でのコラボアパレルの販売も決定!

新生10周年を迎える大人気RPG『ファイナルファンタジーXIV』と『VOGUE JAPAN』がタッグを組んだスペシャルプロジェクトが始動! 伊勢丹新宿店で開催されるイベント「ファイナルファンタジーXIV × 伊勢丹 - A DECADE’S JOURNEY -」ではコラボグッズの販売も予定している。
『ファイナルファンタジーXIV』のキャラクター・コンセプト・アーティストの生江亜由美とティファニー・ゴドイが対談。伊勢丹新宿店でのコラボアパレルの販売も決定!

『ファイナルファンタジーXIV』は世界中で高い人気を誇るオンラインゲーム。今年で新生10周年を迎え、新たな冒険のステージへと歩みを進める今、「FINAL FANTASY XIV FUTURE VOGUE」をテーマにした『VOGUE JAPAN』との夢のコラボレーションが実現!

9月1日(金)発売の『VOGUE JAPAN』10月号では、モデルの福士リナや、スタイリストの仙波レナ、スタイリスト兼エディターのガブリエラ・カレファ = ジョンソンなども参加した特集企画を掲載。また、ファッションとゲームの世界をそれぞれ牽引する『ファイナルファンタジーXIV』のキャラクター・コンセプト・アーティストの生江亜由美と『VOGUE JAPAN』のティファニー・ゴドイが「未来を創る」という共通項に軸にしたゲームとファッションが広げる世界や真価について語り合った。

『ファイナルファンタジーXIV』のキャラクター・コンセプト・アーティストの生江亜由美とティファニー・ゴドイが対談。伊勢丹新宿店でのコラボアパレルの販売も決定!

ティファニー・ゴドイ(以下、ゴドイ) 今日はお話の機会をいただけてとてもうれしいです。はじめに、生江さんの「キャラクターコンセプトアーティスト」はどのような役割なのか教えてください。

生江亜由美(以下、生江) 衣装だけを見れば、舞台衣装や映画衣装のデザインに近いお仕事です。ただ、ゲームの場合はそこに俳優をデザインすることが加わります。例えば『パイレーツ・オブ・カリビアン』におけるジャック・スパロウのキャラクターは、ジョニー・デップの顔の造形に、メイクや髪型、衣装、ふるまいが合わさって出来上がっていますよね。そうしたキャラクターの性格も含めたトータルのビジュアルをつくるのが、キャラクターコンセプトアーティストの仕事です。

左は生江が実際に描いたキャラクターと衣装。それを3DのCGに落とし込むと右になる。メーティオン。©SQUARE ENIX

左は生江が実際に描いたキャラクターと衣装。それを3DのCGに落とし込むと右になる。メーティオン。©SQUARE ENIX

ゴドイ 生江さんとファイナルファンタジー(以下、FF)との出合いはいつでしたか?

生江 出合ったのは幼少期です。幻想的な小説やファンタジーが好きだったので、第一作から『FFVI』までプレイしていました。当時FFのデザインやイメージイラストを手がけていた天野喜孝さんが描く、幻想的で美しい世界観に惹かれました。

ゴドイ 生江さんは大学では西洋服装史を専攻していますよね。どういう経緯でFFに関わることになったのでしょうか?

生江 最初は服が作りたくて、服飾系の大学に進学しました。でも、デザイン画を描いているうちに、服を描くことのほうが楽しくなってしまって。水彩・パステル・アクリルなどいろいろなアナログ画材を試して描いていたのですが、大学生のころにちょうどiMacが普及したこともあり、デジタルペイントにも挑戦しました。その後、卒業のタイミングで当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)がデザイナー職を募集していることを知り、学生時代から描きためていた作品を応募しました。当時はいまほど3Dやデジタル作品を気軽に作れる環境ではなかったので、応募条件が「絵が描ける人」というざっくりしたものでした。そこで2Dデザイナーとして採用され、『FFXII』からシリーズに携わっています。

ゴドイ 初めから服やファッションへの情熱をゲームにぶつけようと思って応募したのでしょうか?

生江 ファッションと仕事が繋がったのは、入社してからです。そもそも制作過程を知らずに入社したので、自分が描いたデザインを3Dの専門チームがそのまま形にしてくれることに衝撃を受けました。ファッションに置き換えれば、靴の作り方を勉強しなくても靴が作れたり、モデルすらも自分でデザインして造形できるとということなので、そこに大きな可能性を感じました。

ゴドイ ゲームが生江さんのデザインの可能性を広げてくれたんですね。いまはさらにテクノロジーが発達し、できることも増えているのではないでしょうか?

生江 まさにそうですね。『FFVI』までは2Dのアニメーションがベースだったのが、『FFVII』からは3Dになり、『FFXII』からはリアルと水彩を掛け合わせたようなより生き生きとした世界観が表現されるようになりました。『FFXIV』は10年にわたり運営されていますが、3Dチームの表現の工夫で10年前よりもリアルな世界が表現できています。2024年夏のアップデートでは、本格的な仕様変更を行い、グラフィック全体(キャラクターや装備・建物の自然物)の表現力が上がる予定です。リアルの服は、例えばTシャツ一枚とってもシルエットの違いや素材感などの表情の違いがありますよね。今後はそうした細やかな点も追求していけたらと思っています。

ゴドイ とても楽しみですね!  生江さんはデザインを考えるとき、何を起点に発想していますか?  リアルの服であれば、ファッションデザイナーはブランドや時代性、文化、素材などの要素をもとにデザインを考えますが、ゲームの場合はどうなのでしょうか?

生江 私の仕事は『FFXIV』という、アップデートごとにどんどん広がっていく「世界」をつくることです。なので、その世界を構成するパズルの1ピースとしてふさわしいかを考えながら衣装をデザインしています。例えば、西洋の高原に住むキャラクターの衣装を作るなら、それを表現するデザインは何かを考えるなど、世界設定が表現できているかが重要です。キャラクターが目の前に立ったら、その生活も文化も伝わるようなビジュアルをつくるようにしています。

ゴドイ イメージボードをつくるうえで参考にしているデザイナーはいますか?

生江 学生時代からスターデザイナーだったジョン・ガリアーノアレキサンダー・マックイーンのコレクションはずっと見てきました。さまざまな文化圏やSFの世界観を表現したコレクションもあったりして、各デザイナーがそれぞれの世界観をどう再構築し、どう現代的なデザインに落とし込んでいったのかを研究しています。『FFXIV』も異なる文化圏や地域の要素を取り入れていますが、それをそのままデザインしたいわけではなく、オリジナリティやゲームとしてのデータに落とし込めるかが重要になります。

ゴドイ ちなみに『FFXIV』のなかにも流行などはあるのですか?

生江 季節の移ろいは見えますね。例えば、夏には水着のコーディネートや涼しげなカラーリングが増えます。また、プレイヤーさんたちが自主的にイベントを開催してくださることがあるのですが、夏祭りには浴衣や法被など、12月のクリスマスパーティーには赤や白のカラーコーディネートで、ゲーム内で「装い集うこと」を楽しんでくれています。

ゴドイ ファッションウィーク中に毎日何を着るか皆が考えるように、『FFXIV』でも季節やイベントに合わせてファッションを変えたり感想を言い合ったりしているんですね。生江さんにとって、『FFXIV』のようなゲームを含めたデジタルファッションならではの魅力はなんでしょう?

生江 やはり現実世界の制約を超えられることです。重さや着心地を度外視してフォルムを優先することもできます。ただ、あまりにも現実離れしすぎて突拍子もないものは説得力に欠けるので、バランスは難しいところです。髪型も瞬時にショートヘアからロングヘアにすることもできます。また、『FFXIV』では性別や体格、肌の色も自由に選べます。あるいは、猫やウサギのような見た目や『ロード・オブ・ザ・リング』のホビットのような見た目など、「種族」を変えることもできます。身体から自由になってファッションを楽しめる点は、デジタルならではだと思います。

未来がいまよりも自由で寛容な優しい世界になれば

ティファニー・ゴドイ着用 ニットトップ ¥397,100  パンツ ¥512,600/ともにALAÏA(リシュモン ジャパン)

ゴドイ FFは2016年にルイ・ヴィトンとコラボレーションし、『FFXIII』の主人公がキャンペーンモデルを務めています。ゲームとファッション、フランスと日本のクロスオーバーという点でとても斬新な試みでした。今回『FFXIV』とコラボレーションできて、とてもうれしいです。

生江 非常に光栄なお話でした。CGやデジタルならではの表現についてお話ししてきましたが、その可能性をファッション業界の人にもっと伝えたいという気持ちは入社したときからずっともっていました。業界は違いますが、「服を作る」という点では、自分のやりたい仕事に就き、入社して約20年経ちます。このタイミングでお話をいただいて、夢が叶ったような気持ちです。

ゴドイ うれしいです。ファッションとゲームは「未来を創る」ものであるという共通点から、コラボレーションのテーマは「FINAL FANTASY XIV FUTURE VOGUE」ですが、「FUTURE」というテーマについてどう感じましたか?

生江 私は、未来がいまより自由で寛容な、優しい世界であってほしいと願っています。そのためには、「知ること」「関わること」が大切だと思っています。『FFXIV』のように大勢がオンラインで遊ぶゲームは、年齢や性別、職業、国も超えて多くの人々が繋がれる場です。そうした場で異なる立場の人に出会ったり、今まで知らなかったことに関わることで、他人に寛容になったり、互いを認め合うきっかけになればと思っています。あまりに悲しいニュースがあふれるなかで、どうしたら未来はもっと優しい世界に向かえるのかを仕事をしながらずっと考えていて……。直接的に貢献できる仕事ではないかも知れませんが、今回の『VOGUE』とのコラボレーションも通じて『FFXIV』をもっと多くの人に知ってもらい、それが誰かの世界を広げることに繋がればうれしいなと思っています。

ゴドイ 生江さんたちがつくってきた『FFXIV』の世界は、多くの人の日常に明るさを生んでいると思います。『VOGUE』も一緒にそんな未来をつくっていきたいです。

伊勢丹新宿店で『ファイナルファンタジーXIV』と『VOGUE JAPAN』のコラボアパレルを発売!

新生10周年を迎える『ファイナルファンタジーXIV』と、新宿三丁目に出店して90周年を迎える伊勢丹新宿店のダブルアニバーサリーイヤーを記念したイベント「ファイナルファンタジーXIV × 伊勢丹 - A DECADE’S JOURNEY -」の開催が決定! 多分野のブランドが参加し、『VOGUE JAPAN』とのコラボTやパーカなども展開する。コラボアイテムのラインナップや販売方法などの続報は、『VOGUE JAPAN』のウェブサイトで後日解禁予定。

期間:9月28日(木)〜10月2日(月)午前10時〜午後8時
   ※最終日午後6時終了 詳細は伊勢丹新宿店のホームページを参照。
場所:伊勢丹新宿店 本館6階 催物場

Photos: Akihito Igarashi at Signo Text: Asuka Kawanabe Hair & Makeup: Rie Shiraishi for Tiffany and Namae Hair: Kotaro for Namae

問い合わせ先/
リシュモン ジャパン株式会社 アライア 03-4461-8340