本コラムでは、予備試験合格後に待ち受ける司法試験の仕組みについて解説していきたいと思います。

予備試験合格を目指しているけど、その後に控える司法試験の仕組みについては意外と調べきれていない人が多いかもしれません

ぜひ参考にしてください。


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予備試験合格後の流れ

予備試験に合格すると翌年から5年間で5回、司法試験の受験資格を得ることができます。

予備試験合格後から、1回目の司法試験を受験するまでの期間は約半年(約6ヶ月)です。

試験日までの期間が短いように思いますが、令和4年度予備試験合格者の司法試験合格率は97.5%(395名)と、合格率は圧倒的に高いことが分かります。

予備試験合格後に受験する司法試験の概要について解説します。

1 司法試験の試験概要

(1)実施方法および時期

司法試験は4日間で実施される試験です。
初日は選択科目と公法系の論文、2日目は民事系の論文、3日目は刑事系の論文、4日目が短答となっております。

(2)試験科目

短答式は民法、刑法、憲法の3科目で実施されます。

論文は選択科目、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法で実施されます。

(3)合否判定

司法試験は短答式の基準点に達した受験生の論文が採点されその中から合格者が決まります。

予備試験とは異なり、短答式と論文の総合評価で最終的な合否判定が行われます。

関連コラム:【令和4・5年】司法試験とは~日程・配点・試験時間等~

2 予備試験に合格したらいつの司法試験を受験できる?

予備試験に合格すると次の司法試験を受けることができます。

例えば令和4年度の予備試験に合格した場合、令和5年度の司法試験から受験することが可能となります。

司法試験の受験回数・回数の有効期限はある?

ここからは司法試験の受験期間制限についてみていくことにしましょう。

予備試験には受験期間の制限がありませんが、司法試験には一定の制限がかされます。

法科大学院ルートの場合

法科大学院ルートの場合は、法科大学院修了の日後の最初の4月1日から5年を経過するまでの期間とされています。

たとえば、2022年3月に法科大学院を修了した場合、2026年の司法試験まで計5回受験することが可能となります。

予備試験ルートの場合

予備試験ルートの場合、予備試験合格の発表の日後の最初の4月1日から五年を経過するまでの期間とされています。

たとえば、2021年の予備試験に合格した場合、2026年の司法試験まで計5回受験することが可能となります。

予備試験合格者から見る司法試験の難易度

ここでは、司法試験の難易度について説明していきます。

予備試験ルートからの司法試験合格率

予備試験ルートからの司法試験合格率は非常に高いものとなっています。

たとえば令和4年度の予備試験合格の司法試験の合格率93.5%という結果でした。

合格率だけでみると、予備試験ルートは司法試験に合格しやすいと考えられます。

この点は予備試験ルートを選ぶメリットの1つといえるでしょう。

予備試験ルートをのメリットデメリットは以下のコラムで詳しい説明がありますので気になる方は是非ご覧いただければと思います。

予備試験合格者の司法試験受験回数

司法試験は難しい試験というイメージがありますが、多くの合格者は何回目の試験で合格しているのでしょうか?

令和4年度の司法試験受験回数別の合格率は、1回目で合格した人は74.6%という結果でした。

法務省が発表している司法試験の令和元年から4年までの結果によると、以下の表にあるとおり1回目での合格者がかなりの数を占めていることが分かります。

年度区分1回目2回目3回目4回目5回目
令和元年合格者数88428213910889
合格率58.9%18.8%9.3%7.2%5.9%
令和2年合格者数9602221268557
合格率66.2%15.3%8.7%5.9%3.9%
令和3年合格者数10241731017647
合格率72.1%12.2%7.1%5.3%3.3%
令和4年合格者数1,046180884742
合格率74.6%12.8%6.3%3.3%3.0%

このデータから現在の司法試験は正しい努力をすれば報われる試験になっているといえるでしょう。

司法試験に合格するための勉強方法

1 徹底した過去問分析

予備試験から司法試験に向かう場合、新たに何か知識を入れる必要はありません。予備試験合格レベルの知識量で十分司法試験も戦うことができます。

ただ、予備試験と司法試験では試験の形式が全く違いますので、出題形式に対応する練習をすることが必要です。

分かりやすい点でいうと、試験時間と配られる解答用紙の枚数が異なります。

まず試験時間ですが予備試験は1科目約70分ですが、司法試験は120分です。
解答用紙は予備試験が1科目4枚であるのに対し司法試験は1科目8枚配られます。

この違いから時間配分や、答案に何をどこまで書くべきかが変わってきますのでその点に対応するため司法試験の過去問分析が大切になります。

2 短答の勉強も念のため

司法試験にも短答式試験はありますのでこちらの対策も念のためしておきましょう。

予備試験の短答式試験は一般教養含め8科目ですが、司法試験の短答式は民法、刑法、憲法の3科目だけですので、新しい勉強をする必要はありません。

司法試験までに過去問を3周程度回して記憶喚起をしておきましょう

司法試験合格後の流れとは?

司法試験合格後は、約1年間の司法修習に進むことになります

司法修習は法曹三者の実務を少しずつ経験させてもらう研修というイメージです。

修習は大きく分けて民事裁判、刑事裁判、弁護、検察の4つのブロックに分かれておりそれぞれ配属された土地で研修を行います

司法修習についてより詳しく知りたいという方は以下のコラムをご覧ください。

司法修習修了後はそれぞれいわゆる法曹三者(弁護士、検察官、裁判官)の職につくことが多いです。

ただ、少ないですが、法曹三者以外の職につく場合もあります。

たとえば弁護士登録をせず予備校の講師をするなどのパターンがあります。

ほかにも、企業の法務部、公務員、資格を取得して弁理士や税理士になるパターンもあります。

司法試験に合格した人が就く職業についてより詳しく知りたい方は以下のコラムをご覧ください。

まとめ

ここまで予備試験および司法試験合格後の流れについて概観してきました

上で見たとおり、予備試験合格者の司法試験合格率は非常に高いですが、油断せず司法試験の対策をしてほしいと思います

それでは司法試験に向けて頑張ってください。


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この記事の著者 富川 純樹 講師

富川 純樹 講師


関西学院大学法科大学院(未修)を卒業後,平成27年に司法試験に合格(69期)。


アガルートアカデミーでは,ラウンジ(個別指導)や受験生の受講相談も担当している。


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Twitter:@dsx79079

 

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