司法試験合格者の平均年齢は?最年少・最年長・年齢制限も紹介
- 2020.12.16
2000年に入ってから法曹界に幅広い人材を受け入れようと司法制度改革が行われました。
そのため現在の司法試験はいろいろな世代の人に受験の機会が認められているといわれています。
しかし実際のところはどうなのでしょうか。
ここでは司法試験の年齢制限の有無や、実際に合格した人の年齢を紹介していきたいと思います。
目次
司法試験に年齢制限はある?
まず、司法試験に年齢制限はありません。
したがって高校生であっても定年退職後の方でも受験することは可能です。
現に2022年度(令和4年)の司法試験の最年少合格者は18歳、最高齢合格者は68歳になっています。
もっとも、司法試験はだれでも司法試験を受験できるわけではないことには注意が必要です。
具体的には、司法試験受験資格を取得するためには、法科大学院を修了するか司法試験予備試験に合格する必要があります。
なお司法試験予備試験に関しては年齢制限も受験資格による制限もありませんので、誰でも受験可能な試験になっています。
以上まとめると、司法試験を受験するにあたって年齢は関係ありませんが、法科大学院を修了するか予備試験に合格して受験資格を取得する必要があるということになります。
司法試験合格者の平均年齢
近年の司法試験合格者の平均年齢は以下のようになっています
2013年(平成25年) | 28.4歳 |
2014年(平成26年) | 28.2歳 |
2015年(平成27年) | 29.1歳 |
2016年(平成28年) | 28.3歳 |
2017年(平成29年) | 28.8歳 |
2018年(平成30年) | 28.8歳 |
2019年(令和元年) | 28.9歳 |
2020年(令和2年) | 28.4歳 |
2021年(令和3年) | 28.3歳 |
2022年(令和4年) | 28.3歳 |
※参考:司法試験の結果について
上の表を見ていただければわかる通り、司法試験合格者の平均年齢は28~29歳を推移しています。
他の試験と比較すると平均年齢が若いように感じるかもしれませんが、これは受験生の大半が法科大学院を卒業して受験資格を取得した25~6歳の大学院卒業生であることが理由であると考えられます。
したがってこの平均年齢より若いから、もしくは高齢だから司法試験合格との関係で不利に評価されるということはありませんので安心してください。
司法試験合格者最年少の年齢は?
現行の司法試験制度に移行してからの最年少合格者は18歳とされています。
なおこのように十代で司法試験に合格する人は稀で、例年の司法試験の最年少合格者は20~21歳を推移しています。
このように10~20代はじめのころに司法試験に合格するためには、高校生ないし大学1~2年次に司法試験予備試験に合格する必要があります。
したがって最年少レベルでの司法試験合格を目指すのであれば、大学入学前から司法試験予備校等に通い司法試験予備試験を受験する準備をすると良いでしょう。
司法試験合格者最年長の年齢は?
法務省によると現行の司法試験制度に移行してからの最高齢合格者は71歳とされています。
例年の最高齢合格者は60代後半が多い印象です。
このように高齢で合格する方は退職後もしくは働きながら勉強を継続して、法科大学院に入学しもしくは司法試験予備試験に合格して司法試験を受験する方が多いです。
このように第二の人生として法曹を選択される方も多く、法曹への道は幅広く開かれているといえます。
※関連コラム:司法試験とは
幅広い年代の方が合格している!いつから始めても遅くない!
今まで見てきた通り司法試験には10代から70代まで幅広い年齢の方が合格しています。「司法試験合格には年齢が関係するのか」という問いに対しては声を大にして「否」と答えられます。
(1)年齢とともに「頭」が劣化するという間違い
司法試験受験に年齢制限がないとはいえ、年を取ったら記憶の定着が衰えるだろうし不利なんだろうと考える人も多いと思います。
しかし最新の研究では人は20歳を超えてから100歳程度まで、脳の働きは基本的には衰えないということが分かっています。
記憶の定着が衰えたように感じるのは学生のときと比較して物を記憶するという作業から離れていたことがもっぱらの原因とされています。
したがって年を取ったところで真摯に勉強に向き合えば20代の受験生にも負けないような記憶力を発揮できるはずです。
したがって年とともに「頭」は衰えていってしまうんだという常識は捨ててください。
(2)高齢で司法試験に合格しても働き口がないという間違い
通常、高齢になると働き口を発見するのは困難でしょう。
しかしその常識は弁護士資格を持つ人には妥当しません。
「弁護士資格を持っている」このことだけで自分の市場価値はグッと高まります。
そのため、法律事務所をはじめ、企業の法務部などいくらでも自分を求めてくれるところはあるでしょう。
以上の通り司法試験の受験の機会は幅広い世代に開かれています。
司法試験を受験するのは今からでも遅くはありません。