海洋環境モニタリング調査
海洋環境モニタリング調査
東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査(平成23年度~)
東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査 令和4年度調査結果について
令和5年5月5日
環境省は、東日本大震災を受け、平成23年度から毎年度、被災地における海洋環境モニタリング調査を実施しています。本調査は、震災に伴い流出した化学物質及び廃棄物並びに福島第一原子力発電所から漏出した放射性物質に起因して海洋環境中で汚染が生じる可能性のある項目について、その現状及び経年変化を把握することを目的としています。
今般、東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査検討会での検討結果を踏まえ、令和4年度の調査結果について、以下のとおり取りまとめました。 |
1. 表層堆積物を用いたモニタリング調査
堆積物中の化学物質及び放射性物質の経年変化の把握を主たる目的として、宮城県及び福島県の4測線において「モニタリング調査」を実施しました(調査期間:令和4年11月4日~9日)。
環境基準又は暫定除去基準が設定されている項目(ポリ塩化ビフェニル(PCB)及びダイオキシン類)は、いずれも基準値等より1桁以上低い値でした。
多環芳香族炭化水素(PAH)の濃度は、いずれの測点においても過年度の調査結果の範囲内でした。
臭素系難燃剤(PBDE及びHBCD)の濃度は、いずれの測点においても過年度の調査結果の範囲内でした。
有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)は、一部測点において、これまでに同測点で検 出された濃度より高い濃度で検出されましたが、全体としては過年度調査結果の範囲 内でした。平成 23 年度の調査開始以降、測点ごとに濃度変動の傾向は異なりますが、全体として、横ばい傾向です。
放射性物質の検出範囲は、セシウム134で検出限界値未満~2.4 Bq/kg(dry)、セシウム137で0.64~100 Bq/kg(dry)でした。平成23年度の調査開始以降、セシウム134及びセシウム137は、多くの測点において経年的に濃度が減少する傾向が見られました。
環境基準又は暫定除去基準が設定されている項目(ポリ塩化ビフェニル(PCB)及びダイオキシン類)は、いずれも基準値等より1桁以上低い値でした。
多環芳香族炭化水素(PAH)の濃度は、いずれの測点においても過年度の調査結果の範囲内でした。
臭素系難燃剤(PBDE及びHBCD)の濃度は、いずれの測点においても過年度の調査結果の範囲内でした。
有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)は、一部測点において、これまでに同測点で検 出された濃度より高い濃度で検出されましたが、全体としては過年度調査結果の範囲 内でした。平成 23 年度の調査開始以降、測点ごとに濃度変動の傾向は異なりますが、全体として、横ばい傾向です。
放射性物質の検出範囲は、セシウム134で検出限界値未満~2.4 Bq/kg(dry)、セシウム137で0.64~100 Bq/kg(dry)でした。平成23年度の調査開始以降、セシウム134及びセシウム137は、多くの測点において経年的に濃度が減少する傾向が見られました。
2. 履歴確認調査
震災以降の化学物質による汚染の履歴を確認することを目的として、宮城県の1測点において「履歴確認調査」を実施しました(調査実施日:令和4 年 11 月9日)。
令和4年度に採取した堆積物については、以下の特徴が見られました。
令和4年度に採取した堆積物については、以下の特徴が見られました。
- 中央粒径、水分含有率、全有機態炭素は、多少のばらつきはありますが、 いずれの 層も概ね同程度の値でした。
- ダイオキシン類、PBDE 及びセシウム134は、層によってばらつきがみられましたが、いずれの層も概ね同程度の値でした。HBCD は、6-8cm 層において、PFOS は 14-18 cm 層において、PFOA は0-2cm 層において、セシウム 137 は8-10 cm 層において、他の層と比較して濃度が高くなっていました。PFOA については、表層から下層にかけて濃度が減少する傾向が見られました。
- 今回の調査結果から、前回の石巻-2 における柱状堆積物を用いた履歴確認調査(平成 29 年度)以降に堆積物のかく乱が生じた可能性が示唆されました。また、物質 ごとにその起源が異なることが推定され、起源の違いにより鉛直分布の傾向の違いにつながったと考えられます。
3. 重点調査項目の調査
平成23年度第3次調査以降、高濃度のPAHが検出されている海域のうち、岩手県及び宮城県の5測点において、堆積物中のPAHの分布の経年変化の把握を目的とした「重点調査項目の調査」を実施しました(調査期間:令和4年11月15日~16 日)。
放射性物質の検出範囲は、セシウム134で検出限界値未満~0.52 Bq/kg(dry)、セシウム 137 で 0.26~16 Bq/kg(dry)でした。
堆積物中のPAHについては、いずれの測点においても、過年度調査結果の範囲内でした。震災直後には、高い濃度のPAH が検出されましたが、現在は低減しており、近年は全体として、横ばい傾向です。
放射性物質の検出範囲は、セシウム134で検出限界値未満~0.52 Bq/kg(dry)、セシウム 137 で 0.26~16 Bq/kg(dry)でした。
堆積物中のPAHについては、いずれの測点においても、過年度調査結果の範囲内でした。震災直後には、高い濃度のPAH が検出されましたが、現在は低減しており、近年は全体として、横ばい傾向です。
4.まとめ
令和4年度調査結果では、環境基準又は暫定除去基準が設定されている項目(PCB及びダイオキシン類)は、いずれも基準値より1桁以上低い値でした。
その他の化学物質等のうち、臭素系難燃剤及びPAHについては、震災直後には、 一部測点で相対的に高い濃度で検出されましたが、現在は低減しており、近年は全 体として、横ばい傾向です。有機フッ素化合物については、平成23年度の調査開始 以降、測点ごとに濃度変動の傾向は異なりますが、全体として、横ばい傾向です。 堆積物中の放射性物質については、平成23年度の調査開始以降、多くの測点におい て経年的に濃度が減少する傾向が見られました。
環境省ではこれらの結果も踏まえ、今後も継続してモニタリングを実施する予定です。
別紙1:東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査令和4年度調査結果 について
別紙2:東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査令和4年度調査結果(詳細版)
その他の化学物質等のうち、臭素系難燃剤及びPAHについては、震災直後には、 一部測点で相対的に高い濃度で検出されましたが、現在は低減しており、近年は全 体として、横ばい傾向です。有機フッ素化合物については、平成23年度の調査開始 以降、測点ごとに濃度変動の傾向は異なりますが、全体として、横ばい傾向です。 堆積物中の放射性物質については、平成23年度の調査開始以降、多くの測点におい て経年的に濃度が減少する傾向が見られました。
環境省ではこれらの結果も踏まえ、今後も継続してモニタリングを実施する予定です。
別紙1:東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査令和4年度調査結果 について
別紙2:東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査令和4年度調査結果(詳細版)
環境省水・大気環境局水環境課 海洋環境室 代表 03-3581-3351 直通 03-5521-9023 室長 杉本 留三 室長補佐 堀野上 貴章(内線25523) |