無免許運転の中山真珠静岡県議 国民民主党県連は離党届受理 所属会派が除名処分
2023.8.8
静岡市清水区選出の中山真珠県議(28)が、運転免許が失効していたにもかかわらず運転した問題で、所属する国民民主党県連と県議会第2会派ふじのくに県民クラブは7日、それぞれ記者会見を開いた。県連は中山氏が提出した離党届を同日受理して党本部に上申し、同会派は中山氏を同日付で除名処分にした。中山氏は両者の聞き取りに対し、県議を続ける意向を示していて、8日に記者会見を開く予定。
会派や関係者によると、4日午後に静岡市葵区で軽乗用車を運転中、横断歩道を渡っていた歩行者の通行を妨げたとして、静岡中央署員に声をかけられて無免許が発覚した。免許は5月16日までで失効していて、その場で反則切符を切られた。
中山氏は8月1日、別件で身分証明が必要になった際に免許の期限切れを指摘され自覚したという。2日に免許センターに行ったが、受付時間外だったため手続きできなかった。免許センターには車で向かい、帰りは代行運転を利用したという。4日は仕事関係で車を運転していた。
同党県連の田中健会長(衆院比例東海)は静岡市内で記者会見し「けじめをつけ、再起を図って頑張ってもらいたい」と離党届を受理した経緯を説明した。一方、「まだ希望のある議員。活躍を見守りたい」として、議員辞職は勧めなかったとした。中山県議が離党した場合、党所属県議はゼロになる。
県議会ふじのくに会派の田口章会長は県庁で開いた会見で、除名の判断に至った理由を「過失ではなく、免許失効を承知しながらハンドルを持ってしまったことを重く捉えた」と説明した。6日から7日午前にかけて断続的に議員総会を開き、所属議員の意見集約を図ったという。中山氏は当初、会派退会の意向を示したが、7日朝になり一転、退会届を提出しない意思を伝えてきたため、記者会見直前の議員総会で賛成多数で除名処分を決定した。
田口会長は「県民に対し県政への不信感を抱かせた」と陳謝した。4月の県議選で戦後最年少の27歳で初当選した中山氏への期待があったことを踏まえ「若くて優秀な議員。残念至極」と声を絞り出した。
(政治部・尾原崇也、大沼雄大)