「周囲から『持ち帰っても大丈夫だよ』と言われ、性行為ができるかもしれないと都合よく考えた」
被告の一人は、弁護側の質問に対しこう振り返った。
8月10日に京都地裁で、同志社大学アメリカンフットボール部に所属していた4人の元男子部員が女子大生に性的暴行を加えた事件の被告人質問が行われた。当日出廷したのは片井裕貴、山田悠護、牧野稜(いずれも22歳)の3被告(残る濱田健被告は分離して審理)。元部員たちは準強制性交の罪に問われている。
「被告らは、京都市内の路上で20代の女子大生Aさんに声をかけ一緒にバーへ行ったそうです。長時間にわたり酒を飲まされたAさんが酩酊状態になると、被告の1人の自宅に連れていき次々と性交。
Aさんの意識が回復すると、犯行発覚を恐れ嘘の大学名を伝えたとか。被告らは『(Aさんが)同意しているかを考えずに行った』『軽率な判断による行為で申し訳ない』と、反省の言葉を口にしています」(全国紙司法担当記者)
『FRIDAYデジタル』は’22年9月10日配信の記事で、元アメフト部員たちが起こした暴行事件について詳しく報じている。再録して、許されざる犯行の一部始終を振り返りたい(内容は一部修正しています)。
暴行の様子をスマホで撮影
「もっと飲みなよ」
屈強な男たちが、執拗に女性へ酒を勧める。アルコール度数の高いカクテルを何杯も飲まされた彼女は、意識朦朧でまともに歩くこともできない。男たちは泥酔した女性をタクシーに乗せ、主犯格の自宅アパートに連れ込んだ――。
’22年9月8日、京都府警捜査1課は準強制性交の疑いで4人の男を逮捕した。片井、山田、牧野、濱田の4被告だ。いずれも当時、同志社大学アメリカンフットボール部の部員だった。
「事件が起きたのは同年5月21日の未明です。京都市中京区内で酒を飲んでいた4人は、路上で初対面の女性たちに声をかけます。被告らは彼女たちと近くのバーへ行き、そのうちの1人女子大生Aさんにしつこく酒を勧めました。
3時間以上酒を飲み酔ったAさんは、前後不覚になります。4人はAさんを片井被告の自宅に連れ込み、抵抗できないのをいいことに午前4時半過ぎから1時間にわたり代わる代わる性的暴行を加えたんです。しかも、暴行の様子をスマートフォンで撮影していたとか。おそらく、最初からわいせつ目的でAさんに酒を飲ませていたのでしょう」(全国紙社会部記者)
Aさんは同日午後、京都府警に被害届を提出する。警察が片井被告の自宅近くの防犯カメラを調べると、Aさんを部屋に連れ込む4人の姿が。映像から被告たちを特定し逮捕にいたった。当時、警察は被告たちの認否を明らかにしていなかった。
同志社大アメフト部は1940年の創部で、チーム名は「ワイルドローバー」。関西学院大や立命館大などが名を連ねる関西学生1部リーグに所属し、過去2回の優勝を誇る名門だ。事件直後、同大の植木朝子学長は次のような声明を発表していた。
〈極めて深刻な事態と受け止め、被害を受けられた方に対して心からお見舞い申し上げるとともに、社会をお騒がせしていることに深くお詫びします〉
事件を受け、同志社大アメフト部は3ヵ月間の活動停止に。リーグ戦を辞退したことで2部に降格する。’22年12月に活動を再開し、地域の清掃などの社会貢献をしながら春の公式戦に出場した。