「筋トレでめざせ!“若返り”」① ~“さっそう”と歩きたい~

健康ライフ

放送日:2023/05/08

#医療・健康#カラダのハナシ

【出演者】
谷本:谷本道哉さん(順天堂大学 大学院 先任准教授)
聞き手:田中孝宜 キャスター

若返ることができる組織……筋肉

――お話は、NHKの『みんなで筋肉体操』の講師で「筋肉は裏切らない」でおなじみの、順天堂大学大学院、先任准教授の谷本道哉さんです。
今回、シリーズのテーマは「筋トレでめざせ!“若返り”」なんですけれども、筋トレで若返ることができるんでしょうか。

谷本: そうですね、筋肉は年とともにどんどん衰えてはいくんですけれど、適切に鍛えれば何歳からでも強く、大きくなるんですよ。だから、若返ることができる組織だというふうに思ってください。

――そうですか。筋トレというと、筋骨隆々を目指す人向けの体操という印象があるんですけど。

谷本: もう、そういう印象ではなくなってきていると思いますね。もう、筋トレはみんなのためのものですから。

――そうですか。“マシン”とか“ダンベル”などは使わないのですか。

谷本: マシンやダンベルを使うことももちろんいいやり方ですけれども、自宅で、自分の体を使ってでも効果はあげられます。

――若返りって、実際にはどれくらい若返りますか。

谷本: そうですね。いろいろ実験(の結果が)ありますけれど、例えば、衰えやすい下半身の筋肉などについてスクワットのような運動をしっかり行うと、3~4か月ぐらいで10%ぐらい大きくなったと。これは、加齢変化から見ると10歳ぐらいの若返りになります。ですからね、鍛えれば必ず効果が出ますので、これをやらないなんてそんなもったいない話はないでしょう、というふうに思っていただければ。

――そうなんですねえ。特に、年を取ると、ちょっと歩くの遅くなったかな、と思っている人もいるかと思うんですけれども、そういう人はここを鍛えれば……。

谷本: 変わりますね。それで、強くなったらふだんから大きく手を振って、大股で歩くというのを実践していただければと思います。

――そうですか。筋トレを行うときの注意点ってありますか。

谷本: そうですね、1つは息を止めないように。

――はあ、息を止めない。

谷本: それから、痛みがある場合は無理をしないように、ということですね。痛くない範囲で動かしましょう、というのはどの運動でも当てはまることです。

足上げ腹筋

――はい。では谷本さん、さっそうと歩きたいときの筋トレを教えてください。

谷本: 「足上げ腹筋」をやっていきます。

――足上げ腹筋、はい。

谷本: これは“腹筋”と名付けてますけれど、腹筋だけじゃなくて、足を前に振り出す、おなかの奥にある「腸腰筋(ちょうようきん)」、それから“もも”の前の「大腿直筋(だいたいちょっきん)」を使いますが、ここを鍛える筋トレと、強く蹴りだすための「ふくらはぎ」の筋トレと、きょうは2種目、皆さんと一緒に行っていきたいと思います。

――はい。ぜひ教えてください。

谷本: じゃあすぐ行きますよ。1種目めからです。

◆ いすに座っていただいたら、前の方に行きます。

――背もたれのある、安定したいすがいいですね?

谷本: そうですね、転んでしまったら大変ですから、いすの前のほうに座ってください。
ここから、手で持つ位置が大事です。

◆ 手で、いすの後ろのほうを持ちます。

――ラジオをお聴きの皆さんもぜひ一緒にやってみてくださいね。

谷本: いすの一番後ろを持って。

――背もたれのほう、ってことですね。

谷本: そうですね。ここを持つと安定します。

◆ 両足をできるだけ高く上げて、下ろします。

きつければひざを深~く曲げて、膝を高く上げて下ろせば、楽です。
強い人は膝を伸ばして、足をできるだけ高く上げて、下ろします。
負荷が足りないという人は、毎回足を下ろし切らずに続けても結構ですよ。

じゃあ、とりあえずきょうは10回、一緒に行ってみましょう。ご自分のできるフォームで行ってください。
いきますよ、はい。
高く上げて、下ろします。
できるだけ高く上げて、下ろします。
きつければひざを曲げて上げて、下ろします。
強ければ足を伸ばして上げて、下ろしてください。
……はい、これで5回目ですかね。下ろしまーす。
はい、6! 下ろして。
はい、高く。下ろします。

――呼吸は……どんな感じですか?

谷本: 上げるときに吐きましょう。

――上げるときに吐く。

谷本: はい。
あと2回しかできませーん。

――え~……。

谷本: はい、これでラストでーす。
楽しくなったんでもう1回上げて、下ろしましょう。

――楽しく……。

谷本: はい、ありがとうございまーす。

ふくらはぎを鍛える運動

――……では、次は「ふくらはぎを鍛える運動」ですね。教えてください。

谷本: かかとを高く上げて、背伸びをするような動きでふくらはぎを鍛えていきます。

――背伸びをするような、動き、はい。

谷本: ◆ 立って行いますが、普通に立って行うとグラグラして危ないので、壁際に行って、壁の近くにある方の手を壁に添えてください。こうすると安定します。

――横向きで壁に片手を添えることで安定しますか?

谷本: そうですね、片手を添えてください。

◆ これでかかとを高く上げて、できるだけ高く背伸びをして、戻します。

――戻す。

谷本: かかとを高く上げて、背伸びをして、戻します。

――戻す。

谷本: 自信がある人は、上げきったら、かかとをつかずに動作を繰り返すと、かなりきつくなります。
じゃあ、早速10回いってみましょうか。

――はい。

谷本: いきますよー。
はい、かかとを高く上げて、高く背伸びをして、かかとを下ろします。
もっとかかとを高く上げて、下ろします。
さらに高く上げて、下ろします。
強い人は、かかとを下ろしきらずにいきましょう。はい、降ろします。
はい、6……かかとを下ろして。
7……下ろして。
8……高く上げて……下ろします。
9……、はい、ラスト! 楽しく上げきる!
おまけにもう1回! はい、上げきって。
はい、ありがとうございまーす。

――結構きますねえ。

谷本: そうですね。
いける人はね、できなくなるまでちょっと試してみてください。

――それぞれの目安、回数の目安ってあるんですか。

谷本: 基本的にはね、できなくなるところまで。

――できなくなるところまで!?

谷本: 大体10回から20回、多くて30回の範囲になるぐらいで、フォームを調整していただければいいかなあと思います。

――1日1回でいいですか。

谷本: 毎日やると疲労の回復の時間が足りませんから、2日か3日に1回ぐらい。

――休めたほうがいいんですね。

谷本: そのかわり、毎回しっかりと行っていきましょう。

――分かりました。では谷本さん、最後にきょうのポイントをお願いします。

谷本: さっそうと歩くには、足を前に振り出す腸腰筋と大腿直筋、それから強く蹴り出すふくらはぎ、ここを筋トレでしっかり鍛えていただければと思います。

【放送】
2023/05/08 マイあさ! 「健康ライフ」 谷本道哉さん(順天堂大学 大学院 先任准教授)

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