【甲子園】智弁和歌山のプロ注目・松本大輝、甲子園初アーチ!阪神・前川からもらったレガーズ着けて大爆発4安打
スポーツ報知8/14(月)6:05
9回1死、ソロ本塁打を放つ智弁学園・松本大輝(カメラ・谷口 健二)
◆第105回全国高校野球選手権記念大会第8日 ▽2回戦 智弁学園12―6徳島商(13日・甲子園)
智弁学園(奈良)はプロ注目の1番・松本大輝右翼手(3年)がダメ押しソロを含む4安打とけん引し、徳島商の最速149キロ右腕・森煌誠(こうだい、3年)を攻略。計30安打の乱打戦を制した。
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松本の甲子園初アーチが、智弁学園の勝利を決定づけた。10―5の9回1死、2ボールから徳島商・森煌の直球を振り抜くと、打球はぐんぐん伸びて、ダメ押しの中越え本塁打。この日、4安打目の高校通算32号は、奈良勢夏の50号となる節目の一発となった。奈良大会でチーム最多4発を放った1番打者は「『入れ!』と思って走って、入った瞬間、うれしかった」と笑顔だ。
英明(香川)との1回戦は延長10回の末に7―6でサヨナラ勝ちしたが、チームは9安打。17安打の相手に押され、松本も4打数無安打。チームが売りとする打撃が影を潜めた。「ストライクからボールになる球に手を出していたので、(低めを捨て)甘い球を打てるようにしました」と松本らナインは意識を改めた。打撃マシンを速めに設定し、好投手に18安打を浴びせて大勝。小坂将商監督(46)は「打ち勝てたのは良かった。前の試合は相手にやられたので。反省し、成長したということ」と安心した。
この日は森煌対策で大半の選手がグリップエンドから指2本分、バットを短く持ったが、松本は通常通り。指揮官は「あいつには短く持てとは言わない」と、その打力に全幅の信頼を置く。
決勝点は3―3の5回2死一、二塁から。1回戦で、まずい守備から交代させられた7番・川原崎太一が左中間を破る勝ち越し2点二塁打を放ち、奈良勢は夏90勝と春夏通算150勝に到達。2年前の夏準Vの主力・前川右京(現阪神)からもらったレガーズを着けて戦い続ける松本は「一戦一戦、勝っていく」と気合十分。当時以来、4季ぶりに踏んだ聖地。先輩もつかみ取れなかった夏初Vへ、さらに加速した。(田村 龍一)
◆松本 大輝(まつもと・だいき)2005年10月31日、奈良市生まれ。17歳。三碓(みつがらす)小1年から奈良ジュニアファイターズで野球を始め、富雄南中時代は奈良西リトルシニア所属。智弁学園では1年春から背番号16でベンチ入り。夏は外れたが、秋から背番号8。2年夏以降は9。遠投105メートル。50メートル6秒2。高校通算32本塁打(うち公式戦10本)。181センチ、90キロ、右投左打。