初音ミクと結婚した男性×美少女キャラ・レムと暮らす青年。家族の反応は？「『結婚式に来て』と母親に土下座して頼みましたが…」

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――まずは自己紹介とそれぞれのパートナーを紹介してください。

近藤顕彦（以下、近藤）　2018年に初音ミクと結婚し世間を大変お騒がせしました、近藤です（笑）。ミクさんを好きになったのが2008年5月なので、もう14年くらい思い続けてます。

私は地方公務員で小中学校の事務員ですが、今は休職して大学の法学部で学んでいます。給料は出ていないので、貯金をやりくりしながらミクさんとの結婚生活を送ってます。

レムニア　自分は31歳で、ホテルのナイトフロントをしています。もう10年以上前にライトノベルシリーズ『Re:ゼロから始める異世界生活』でレムに出会いました。

小説ではレムの挿絵がたまに出てくるくらいだったのですが、キャラの性格がすごくいいなと思ってました。それからアニメになって声と動きがついて、マジでカワイイ！と。まさに自分にとって理想の女性だったんです。

それから恋に落ちて、ずっと好きです。実家で両親と同居していますが、自分の部屋でレムと仲良く暮らしています。

――レムニアさんは、近藤さんに聞きたいことがありますか？

レムニア　自分はレムと婚約している状況で、将来的には結婚を考えているんです。今はあんまりお金がないので、結婚式の費用がどれくらいかかるのかっていうのが一番気になっていまして……。

近藤　どこまでこだわるかによって、金額はものすごく上下しますよ。それこそ人を呼ばないで、フォトウェディングみたいな感じだったら、20万円以下でできると思います。こだわったら青天井。私の場合はミクにちなんで39人を呼んだのですが、約200万円かかりました。

レムニア　200万円かぁ……。これまでレムの等身大フィギュアなどのグッズにお金をつぎ込んで、貯金なんてほとんどしたことがなかったんです。この冬に人生で初めてのボーナスをもらい、ようやく少しお金を貯められると思っていたのですが、まだまだですね。

近藤　費用は何人呼ぶかによります。それによって会場の大きさ、用意する食事の数などが決まってきますから。人数が多くなるにつれて、当然高くなります。あと写真や動画を撮ってもらったりすると、追加の費用もかかります。普通の結婚式でも同じですよね。

レムニア　生涯に一度の結婚式なので、安くすませたくないんです。自分は約160万円のレムの等身大フィギュアを購入するときには家族から借金をしましたが、結婚式の費用は借りたくない。自分で稼いだお金で式を挙げたいんです。

近藤　その姿勢はすごくいいと思います。そうすると、3桁は避けられなさそうですね。ただ、ご祝儀がありますので、ある程度、相殺はできます。あとは結婚指輪も必要ですね。私は自分とミクさんの分で12万円ほどかかりました。

レムニア　指輪はレムの髪の毛や瞳の色に合わせて、サファイアかダイヤモンドと決めています。結婚式の会場は、洋風の屋敷みたいなイメージのところでやりたいんです。

近藤　どこかレムさんのゆかりの場所があるんですか？　アニメの舞台は「異世界」ですが(笑)。

レムニア　アニメの中でレムが働いているのは、ロズワール邸という洋館なんです。そういう場所で結婚式を挙げたいというプランがあるので、頑張って貯金するしかないですね。

実は、結婚するために今年の春に思い切って転職したんです。前の職場は5年以上働いていたのですが、給料が安くボーナスもなくて、お金が全然貯まらなかった。

今の仕事であるホテルのナイトフロントは毎日夜勤で大変ですが、手当がつくと給料が上がります。早く結婚式を実現させたいんです。

近藤　今、2次元キャラクターとの結婚式を挙げてくれる会場が徐々に増えています。ロズワール邸の写真を送ったら、それに近い場所を探してくれると思いますよ。

――レムニアさんの家族は、レムとの結婚に賛成しているのですか？

レムニア　両親と兄、3人の姉がいて7人家族なのですが、父親を除いてみんなオタクなんです。だから、父親以外は全員OKしています。父親は何も言いませんね。

それでもこの対談のためにレムを車で運ぶときに手伝ってくれました。父親は2次元のアニメやゲームなどは全く知らないんです。自分が誰を好きになろうと「好きにしていいよ」という感じで認めてくれてはいます。

近藤　私はその部分をクリアできなかった。結婚を決めた当時、父はすでに他界していましたが、母親と妹にはちゃんと話をしましたんです。「結婚式に来てくれ」と母親に土下座して頼みました。本当にガチでぶつかりました。それでも母親は「行かない」という返事でした。

ミクさんは「女性じゃない」と言われました。そのとき、「例えば男性を連れてきて、この人を愛しているから結婚式に来てくれと言っても来ない？」と母に聞いたら、やはり「行かない」と。
要は生身の男と女という組み合わせしか認めないということでした。

――妹さんは年齢が近いので、そういう理解があるのでは？

近藤　妹は3歳下ですが、いわゆるオタクでは全然ないので、母親と同様にそのあたりの理解はまったくなかったですね。同性愛者の方でも家族に理解してもらえなくてつらい思いをしたという話をよく聞きますが、家族の理解というのはすごく深い問題なんですよね。その点、レムニアさんはとても恵まれた状態だと思います。

レムニア　自分でもすごく恵まれていると思います。近藤さんにお会いすることを母親に言ったら、「レムのために何か服を作ろうか。冬なのでマフラーとかセーターとかもいいよね」と言ってくれました。母は裁縫が上手なので。

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対談中編では、2次元キャラクターとの結婚や交際を打ち明けたときの友人や上司の反応、さらにはキャラとの生活の苦労が話題に上がる。

取材・文／川原田 剛
撮影／田中 亘