10年で売上2倍!「漢方薬」がいま受け入れられる訳 医薬品不足や健康志向が追い風、一方で誤解も
東洋経済オンライン / 2023年8月13日 10時30分
ようやく社会はコロナ以前の日常を取り戻しつつある。しかし、新型コロナウイルス感染症は国内で目下第9波を迎えており、昨年、今春に引き続き、解熱薬や鎮咳薬(咳止め)の需要が逼迫している。
【グラフ】あなたは、漢方薬にどのようなイメージがありますか?
需要が大幅に伸びた漢方薬
代わって着目されたのが漢方薬だが、こちらも需要が大幅に増え、昨年夏には漢方薬メーカーは出荷制限に踏み切る事態となり、現在も一部の製品が入手しづらい状況になっている。読者の皆さんの中にも、新型コロナウイルス感染症に罹患して、病院で漢方薬を処方された方もいらっしゃるだろう。
漢方薬は適切に用いることで、病気の治療だけでなく、健康の増進にもつながる。そこで本稿では、漢方薬とはどういうものかについて概説したい。
漢方薬については、コロナ禍に加えて、2017年より「セルフメディケーション税制」がスタートしたことや、近年の健康志向も相まって、処方薬のみならず、処方箋を必要としない一般用医薬品の漢方薬の売り上げもこの10年で倍増している(日本漢方生薬製剤協会『漢方製剤等の生産動態』より)。
このように漢方薬への需要は高まっているものの、西洋医学的な治療とどのように使い分けられているのか、どのような場面で使うと効果的かといった点は、医療者の間であっても実は十分に知られていない。
また、一般の方では「味が苦い」「効きにくい」などのイメージも先行しがちである。
そもそも漢方って?
漢方という名前は、16世紀に入ってきた蘭方に対する命名で、古代中国由来の医学を指す。漢方は、数千年の歴史を持つ中国の伝統医学で、日本には遣隋使や遣唐使により伝えられ、日本独自の発展を遂げた。
そのため、現在の日本の漢方(和漢ともいわれる)は、現代中国における伝統医学である中医学とは考え方や、処方・用語の使い方が異なる。
漢方薬はさまざまな効能をもつ生薬(しょうやく)の組み合わせから成る。生薬とは、植物の葉、茎、根などや鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工したものだ。
現在、日本では健康保険で使える医療用の漢方薬は148種類ある。
ドラッグストアや薬局で市販されている一般用の漢方薬の多くは、医療用漢方薬と構成する生薬の種類は同じだが、安全性を考慮して成分量が3分の2程度に減量されている(最近は減量されていない、満量処方も出てきている)。
漢方薬をとりあえず試したい場合は市販の漢方薬でも構わないが、自分に合った漢方薬を選ぶためには、漢方専門医がいる漢方外来への受診を勧める。なお、漢方専門医は日本東洋医学会や日本臨床漢方医会のホームページで検索できる。
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