世界史の教科書のしょっぱなに出ている
「先史時代」「猿人・原人・旧人・新人」について解説します。
先史時代は、ざっくりいうと、原始人が暮らしていた時代です。

人類は大昔、ゴリラやチンパンジーなどの類人猿からわかれて
猿人→原人→旧人→新人(いまの人類)の順に進化しました。
人類の代表的な特徴は
- 道具を作り、使うこと
- 二本足であるく直立二足歩行
です。
猿人
さいしょにあらわれた猿人は
礫石器という、石をたたいて欠けさせた道具を使っていました。とはいえ、自然の石にほぼ近い見た目で、あまり加工されていません。
有名な猿人はアウストラロピテクスです。
各時代の
- 具体的な人類の名前(アウストラロピテクスなど)
- 使っていた道具
- 生活の特徴
を、覚えておきましょう!
原人
原人は、約200万年前にあらわれました。
ハンド=アックス(握斧)という道具を使っていました。石の大きさを調整して、握りやすくなっています。
有名な原人は
- アフリカのホモ=ハビリス
- ジャワ原人
- 火を使い始めた北京原人
などです。
ジャワ原人と北京原人は、ホモ=エレクトゥスという種類の原人です。
ホモ=エレクトゥスは昔はピテカントロプス・エレクトスといわれていました。ピテカントロプスという言葉なら知っている、という方もいるのではないでしょうか。
旧人
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次の旧人は、剝片石器という道具を、狩りなどに使っていました。
いままで石器をつくるときに捨てていた、薄くてとがった石のカケラを有効利用して、より切れやすい石の刃物を作れるようになりました。
最初に発見した人はすごいですね!
猿人の礫石器 → 原人のハンド=アックス → 旧人の剝片石器までを打製石器といいます。
有名な旧人は、南ドイツで発見されたネアンデルタール人です。
ネアンデルタール人は
- 毛皮で服をつくって、着るようになった
- 洞穴に住んでいた
- 埋葬の習慣が始まった
のが特徴です。

新人
新人は、約20万年前に生まれました。
新人は
- 剥片石器を改良した石刃(せきじん)
- 骨から作った骨角器
という道具を使っていました。
代表的な新人は
- フランスで発見されたクロマニヨン人
- 中国で発見された周口店上洞人
です。
クロマニヨン人は、洞くつの中に洞穴絵画をえがいたことで有名です。
- 北スペインのアルタミラ
- 南フランスのラスコー
が、主な洞穴絵画のある場所です。
旧石器時代・新石器時代
古代の時代の分け方には「旧石器時代・新石器時代」という分け方もあります。

原人・旧人や、初期の新人たちは、食べ物をとるために狩りや採集をしていました。
この時代を旧石器時代といいます。
そして、新人がくらしている途中から新石器時代にはいり、農業もするようになりました。
旧石器時代の特徴は
- 約250万年前~1万年前の時代をさします。
- 狩猟・採集といった獲得経済と呼ばれる生活をしていました。
- 旧石器時代の後期には、お祈りにつかう女性裸像がつくられました。
- 石と石とをぶつけて作った、簡単な打製石器を使っていました。
新石器時代の特徴は
- 約9000年前以降の時代です。
- 石を磨いてつくる磨製石器を使いはじめました。代表例は石臼や石斧です。
- 石器のほかに、土器(彩文土器)も作られました。
- 農耕・牧畜で食べ物をつくりはじめました。この生活スタイルを生産経済といいます。
更新世と完新世
時代の分け方には、地質学上の時代区分というのもあります。
原人が暮らしていたころに、地球はすごく寒い氷河期(氷期)と、割とましな間氷期を短い期間でくりかえす更新世の時代に入りました。
更新世は約1万1700年前に終わり、それから現代までを完新世といいます。
歴史時代のはじまり
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時代がすすむと、池や水路をつくり、畑に水をひいて農業に使う灌漑農業がはじまりました。
水を引く工事は一人ではムリなので、みんなで協力してするようになりました。その流れで、人びとは「集落」という村を作って集団生活するようになり、集落の中からリーダーが現れました。
集落どうしで、モノの売り買いや物々交換をする交易がおこなわれるようになります。
集落はだんだん発展して大きくなり、国家になり、文字もつくられました。
文字ができた後の時代を歴史時代(有史時代)といいます。
★今回の内容についての(ほぼ)3択クイズを用意しました。習熟度チェックにどうぞ。
まとめ
先史時代は文字が生まれるまでの時代です。
人類は猿人→原人→旧人→新人の順に進化し、
狩猟・採集の生活から農耕・牧畜の生活に変わり、集団で生活するようになりました。
集団は大きくなって「国家」となり、
文字がつくられて、文明がはじまっていきます。
今回はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。
