南米エクアドル、大統領選の候補者が撃たれ死亡
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フェルナンド・ヴィジャヴィセンシオ議員
南米エクアドルで9日、大統領選挙の候補者が銃で撃たれて殺害された。
フェルナンド・ヴィジャヴィセンシオ議員(59)はこの日、首都キトでの集会を離れる際に襲撃された。
ヴィジャヴィセンシオ氏の選挙事務所関係者は地元メディアに対し、同氏が車に乗ったところ、男が近づいてきて頭を撃ったと語った。
目撃者によると、ヴィジャヴィセンシオ議員は3回撃たれた。
エクアドルの司法省は、実行犯は警備との銃撃戦で負傷し、後に死亡したとソーシャルメディアで明らかにした。銃撃事件で、議員候補1人や警官2人を含む9人が負傷したという。
エクアドルの大統領選の第1回投票は、8月20日に予定されている。
現職のギジェルモ・ラッソ大統領は、事件に「怒り、ショックを覚えている」として、「この犯罪は必ず裁かれる」とソーシャルメディアに書いた。
「組織犯罪はこれまでのさばっていたが、今後は徹底的に法に裁かれることになる」とも、ラッソ氏は述べた。
ラッソ氏は今回の大統領選に出馬していない。
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事件現場となった選挙集会会場の外に集まった警官(9日、キト)
麻薬密売組織から脅迫
今回の大統領選では、麻薬カルテルの拡大に伴い増加する暴力犯罪が争点となっている。
ラッソ大統領は先月、組織犯罪と関連した殺人事件が相次いだ3州に、緊急事態と夜間外出禁止を発令している。
ヴィジャヴィセンシオ氏の陣営は治安強化に加え、ジャーナリスト時代に取り組んだ汚職撲滅や、環境破壊の低減を掲げていた。
先週には、麻薬密売に関わるギャングのリーダーから、自分と選対関係者が脅されていると語っていた。
ヴィジャヴィセンシオ氏は、8人の立候補者の1人だが、最有力候補ではなかった。
候補の1人、オットー・ソネンオルスネル副大統領は、追悼の意を述べるとともに、「この国はとんでもないことになっている」と語った。
エクアドルでは2月にプエルト・ロペス市長選に立候補していたオマル・メネンデス氏が、7月にはマンタ市長のアグスティン・インテリアゴ氏が、それぞれ殺害されている。