家に不審者、そのとき「居留守」は危険…カギはインターホンでの対応徹底
読売新聞 / 2023年8月11日 16時0分
民家や店舗などを狙った強盗事件が全国で相次いでいる。福島県内でも今年2月、いわき市で高齢女性が殺害される強盗殺人事件が発生。南相馬市では同月、高齢の夫婦が襲われて金品を奪われ、闇バイトで集まったとされる20歳代の男9人が逮捕された。被害に遭わないためにできることは何か。防犯対策について考える。
5月下旬の午後、福島市の男性(36)は、玄関に設置された防犯カメラの映像を見て息をのんだ。
「もしかして強盗か」
平日だったが仕事が休みで、たまたま自宅滞在時にインターホンが鳴った。画面には帽子で顔を隠し、手袋をはめた2人組の男が映っていた。男らは近くの電柱の陰に隠れ、中から人が出てくるのか確認しているようだった。
男性はインターホンに応答せず、すぐに警察に連絡。やきもきしながらカメラの映像を見返していた時、ふと後ろを振り返ると、庭先にさっきの男の一人が立っていた。手にはバールが握られていた。
とっさの判断で、男性は玄関から外に出て相手に向かい、逃げ出した男が転んだところに覆いかぶさった。男性は「なんとしても捕まえなければと思ったが、もし刃物でも持っていたらと考えると怖かった」と振り返る。
捕まえた男は知らない顔だった。男は住居侵入容疑で現行犯逮捕され、後で24歳だと分かった。福島地裁で始まった裁判で検察側は、男が携帯電話の通信アプリを通じて勧誘を受け、指示を受けながら、各地の資産家をターゲットに複数人で窃盗を繰り返していたと指摘した。県警幹部は「強盗事件に発展しかねない危険な事案だった」と危機感を募らせる。
不審者が自宅に来た時、どう対処すればいいのか。防犯対策に詳しい元県警警察官で、危機管理コンサルタントの関根篤志さん(47)は「カメラ付きのインターホン越しの対応を徹底することが重要だ」と説明する。
居留守を使うと、不在だと思って侵入してきた犯人と鉢合わせし、危険な事態に陥る恐れもある。今回のケースも、インターホンに出ていれば、庭まで入られることはなかったかもしれないという。「犯人側には、できるだけ時間をかけたくないという心理が働く。インターホン越しのやりとりが長くなれば、引き下がる場合もある」と話す。
県警は、県民の防犯意識を高めようと啓発活動を強化している。郡山市では5月、防犯対策のデモンストレーションを行い、宅配業者や警察官を装った不審者への対応を実演した。
宅配業者を装い、「着払いの荷物の支払いをしてほしい」「荷物が重たいのでドアを開けて」とかたる不審者に対しては「着払いならまずは伝票を確認させてほしい」などとインターホン越しで対応するよう求めた。県警の担当者は「帽子を目深にかぶっていて顔が見えないなど、違和感があれば絶対にドアは開けないで」と呼びかけている。
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