1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「長いお箸ほどご飯がおいしい」驚きの実験結果 お箸以外の食器の場合は、どうなるのか??

東洋経済オンライン / 2023年8月11日 14時0分

高級なお皿で食事をしたり、高級なグラスでお酒を飲んだりすると、味の評価も変わってくるという研究はありますが、実は、お箸の長さでも私たちの感じる味の評価は変わってくるのですね。

食器を小さなものに変えると…

では、お箸以外の食器ならどうでしょうか。ところ変わって、アメリカで行われたダイエットにまつわる心理学的な実験をご紹介しましょう。

これまで、いろいろなダイエット法が世間に紹介されては消えていきました。リンゴだけを食べる、糖質制限、有酸素運動の推奨など、まさに百花繚乱です。

それだけダイエットを成功させることが難しいという証拠でもあるのですが、心理学を使ったダイエット法は、他のダイエットとちょっと違い、食べ物にこだわったり、運動にこだわったりはしません。

こだわるのは、食器のほう。ダイエットをするのなら、まずはいつも使っている茶碗やお皿を小さなものにしましょう。スプーンも、なんでも小さなものに変えるのです。やることは以上。あとは、自然に体重が減っていくのを待つだけです。

「そんなことで効果があるのかな……」と思われるかもしれませんが、もちろん効果は抜群。それは次の実験で確認されました。

アメリカ・ペンシルバニア大学のアンドリュー・ゲイアーは、粒チョコレートをたっぷり入れたボウルを用意し、かたわらにスプーンを置いて、「好きなだけお召し上がりください」と掲示しました。

ただし、スプーンは2種類のサイズがあり、小さなスプーンと、その4倍の大きさのスプーンがありました。すると、大きなスプーンで好きなだけ食べてもらったときには、粒チョコレートの減り具合が2倍になったのです。

大きなスプーンや、大きなどんぶりで食事をすると、どうしても食べる量が増えてしまいます。その点、小さな食器でなら、無意識のうちに食べる量を減らすことができるのです。

ダイエットを成功させるには…

ダイエット成功のコツは、できるだけ苦しまずに続けることですが、食器の大きさを変えるだけなら、そんなに苦しまずにすみます。もし現在、大きな食器を使っているのなら、いきなり小さな食器に変えるのではなく、数か月ごとに、ひとまわりずつ小さな食器に変えていくのもいいですね。

アメリカ人は、肥満に悩んでいます。統計では、なんと31.9%が「肥満」で、35.2%が「過体重」。「標準」は31.0%で、「やせ」はわずかに1.8%。なぜこんなに太っている人が多いのでしょうか。

その理由は、販売されている食品がものすごく大きいから。日本人がアメリカに行ってレストランで注文すると、その量やサイズの大きさに面食らうはずです。アメリカでは、すべてがビッグサイズなので、どうしても太ってしまうのです。あまり苦しまずにダイエットしたいなら、まずは食器の大きさから変えてみましょう。

内藤 誼人:心理学者、立正大学客員教授、アンギルド代表取締役社長

あなたにオススメ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング