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「X(Twitter)のロゴはフリーメイソンのシンボルに似ている」 荒唐無稽な陰謀論に人々が熱狂する理由

ねとらぼ / 2023年8月10日 20時30分

(※1)サタン教会:1966年4月30日のワルプルギスの夜、作家・オカルティストのアントン・ラヴェイによって設立された宗教団体。悪魔崇拝をしているとしてよく攻撃されるが、サタン教会の悪魔は誇り、自由、個人主義などの概念を表すシンボルであり、悪魔を実在するものとして崇拝しているわけではない。またその教義は無神論的であり、基本理念はかなり常識的なものである

 P&Gに関するデマは1980年代から1990年代にかけて沈静と流行を繰り返したが、P&Gは拡散させた人物などへの訴訟を複数起こしている。その中でも最も有名なのは1995年、アムウェイがボイスメールを使って数千人にデマを広めたというもので、P&Gはアムウェイとの20年にわたる民事訴訟を経て、2007年に1925万ドル(約25億5000万円)の賠償金を勝ち取った。

 このようなデマが大きな騒ぎになった背景には、当時の米国を覆っていた「サタニック・パニック」という社会現象がある。1980年に出版された『Michelle Remembers(ミシェル・リメンバーズ)』という本(※2)のヒットを大きな契機として、米国では「悪魔崇拝集団が各地で児童虐待をしている」というパニックが広がった。

 悪魔崇拝の入り口になっているとして、ロールプレイングゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ」やヘヴィメタルまでが攻撃され、悪魔崇拝による虐待をしたとして逮捕者まで出る騒ぎになったが、結局そのような事態は起きていなかった。

(※2)『Michelle Remembers(ミシェル・リメンバーズ)』:カナダの精神科医ローレンス・パズダーと、患者であるミシェル・スミス(後にパズダーと結婚)による共著。内容はミシェルが悪魔崇拝儀式による虐待を受けていたというものだが、実際の記録や証拠と食い違う証言が多く見られ、現在ではその信憑性にかなりの疑いが持たれている

 「悪魔崇拝集団が児童虐待をしている」という陰謀論は、近年のピザゲートやQアノンでも見られ、そこにはサタニック・パニックの影響が見受けられる。陰謀論はより多くの人に信じられる=感染できるものが流行する。人々がハマりやすい物語設定はそう多くないため、同じような話が使い回されたり、繰り返されたりするのだろう。

●陰謀論に一部の人々が熱狂する理由

 話をロゴと陰謀論の関係に戻そう。

 ロゴをはじめとしたデザインに証拠を見いだす行為に陰謀論者たちが熱中するのは、それが退屈な日常を刺激的な陰謀論に直結させるスイッチになっているからだ。この構造は以前解説した、アメリカのバイデン大統領など、多くの著名人を「ゴム人間」だと思い込む「ゴム人間陰謀論」でも同様である。

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