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「X(Twitter)のロゴはフリーメイソンのシンボルに似ている」 荒唐無稽な陰謀論に人々が熱狂する理由

ねとらぼ / 2023年8月10日 20時30分

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陰謀論の対象になったXのロゴ

 「Twitter」が「X」に名称変更された後、「Xのロゴが友愛結社『フリーメイソン』のシンボルに似ている」という陰謀論が国内外のSNS上で浮上した。思わず一笑に付してしまいそうなトンデモな言説に思えるが、ロゴにまつわる陰謀論はこれが初めてではない。陰謀論に詳しいライターの雨宮純さんにその歴史と、一部の人々が陰謀論に熱狂する理由について解説してもらった。

(文: 雨宮純 編集:上代瑠偉)

●「Xのロゴはフリーメイソンのシンボルに似ている」という陰謀論

 Twitterの名称がXに変更されてから2日後の7月26日、筆者のタイムラインに次のような投稿が流れてきた。Xのロゴを隣に2つ並べると、フリーメイソンのシンボルに似ている、すなわちXがフリーメイソンと関係しているのではないか、という内容だ。

 「Twitter X Freemason」とXで検索すると、同様の投稿が多く見られ、日本でも同様の陰謀論が密かに広がっていることが分かる。

 ロゴが陰謀論の餌食になったSNSは、Xだけではない。対抗サービスとして登場したMeta(旧Facebook)の「Threads」も、そのロゴに獣(けもの)の数字「666」が含まれているのではないか、とうわさされている。

 さまざまな企業やサービスのロゴに陰謀の「証拠」を見いだす思考パターンは、陰謀論の世界では典型的なものだ。

 2022年3月に英語圏では、ディズニーとコラボしたオムツに小児性愛者が使うシンボルや666が隠されている、という陰謀論がXで拡散(拡散源になった投稿は3万2000件のいいねを獲得)したため、メーカーのハギーズ(Huggies)が該当投稿に反論のリプライを飛ばす事態にまでいたった。

 一般的な感覚で言えば荒唐無稽の一言で片付けたくなるが、企業がさらなる対抗措置を取らざるを得なかった例もある。1980年代、大手一般消費財メーカーであるProcter & Gamble(P&G)のロゴに関する陰謀論が広まった。

 当時のP&Gのロゴは、三日月を思わせる男性の横顔と13個の星が描かれている図案だった。正確な発生源は不明だが、このロゴに666や角が隠されており、13個の星をつなげると666が現れるのは悪魔崇拝の証拠だ、といううわさが流行したのである。

 このデマの拡散は相当なもので、1982年の6月と7月だけで約1万5000件の電話や手紙がP&Gに届き、1985年にはP&Gによる悪魔崇拝の支援を告発するかのようなビラがニューヨーク市内で出回った。ついにはP&Gはサタン教会(※1)に献金している、という話までが飛び交うようになった。

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