片腕ドラゴン
悪い道場主にひどい目に遭う話
| 制作年 | 1971年 |
| 制作国 | 香港 |
| 監督 | ジミー・ウォング |
| 脚本 | ジミー・ウォング |
| 上映時間 | 93分 |
| 出演 |
| ジミー・ウォング |
| タン・シン |
| マー・チ |
だいたいのあらすじ
とある食堂に手に鎌を持った黒服の集団を引き連れたマー(レイ・シュン)が現れて乱暴狼藉を働き、裕福そうなおじさんから貴重な鳥を奪い取ったりしていました。
それを他のテーブルで見ていたチェンロン(ジミー・ウォング)達は「おいやめろ!」と止めに入り、たちまちマー達と乱闘になりました。
いきなりカンフーです。この映画音楽がめちゃカッコいいです。
チェンロン達は滅法強くてあっという間にマー達を叩きのめし、「覚えてやがれ」的なパターンになりました。
そして果し合いを申し込まれたので、チェンロン達はマー達と原っぱでの路上乱闘となり、マー達は破れて逃げ出しました。
チェンロン達は正徳武館という道場に所属しており、師匠カン(マー・チ)は「料理店で奴らを止めたのはよかったが、決闘したのはダメだ」とチェンロンに武術を正しく使うように諭します。
実はマー達はチョウ(ティエン・イー)が率いる悪徳道場・鉄鉤門の門下生であり、彼等は売春宿や阿片密売等で設けており、正徳武館の工場にも魔の手を伸ばそうとしていたのです。
チェンロンは罰としてお尻を角棒で三回叩かれた後に1週間道場の掃除と正座を申し付けられました。
マーはチョウに「俺の席を取られそうになったから喧嘩した」と嘘松報告をし、更にチェンロンがチョウのことを無法者だと罵っていたと付け加えたのでチョウは激怒しました。
怒りのチョウはゾロゾロと門下生を引き連れて正徳道場に怒鳴り込み、チェンロンの身柄を渡せ!と要求します。
カンは「もう弟子は罰しましたからお許しを。同じ町に住んでるんですから仲良くやりませんか」と穏便に済ませようとします。
しかしチョウは腕ずくでも連れて行くと譲らず、カンフー対決になりました。
カンに敗れそうになったチョウは門下生をけしかけたので、たちまちの内に乱闘になりました。
しかし鉄鉤に仕込み刀という卑怯な攻撃を以てしてもチョウはカンに勝てず、門下生もカンの方がレベルが上でした。
カンはチョウの卑劣な戦いぶりから「お前は人間の屑だ。話し合おうとしたのが間違いだった」と憤り、チョウは「このままで済むと思うなよ。今度は殺す!」と宣言して引き揚げました。
チョウはお金を出して外国から強い武芸者を集め、カンを抹殺させることにしました。
ということで沖縄空手の長谷川と坂田、柔道の高橋名人、韓国のテコンドーの達人で口でビンを割るキム、ムエタイのナイとミー、インドヨガマスターで剣を刺しても大丈夫なモナシンという顔ぶれが集まりました。
モナシンは顔黒く塗ってるみたいです。
その後、長谷川と坂田の師匠である二谷(ロン・フェイ)が合流しました。
後に現れたラマ僧のロンとフーと二谷の間にいざこざがあったものの、チョウが宥め、カンを倒した後も阿片輸送の護衛をしてくださいと依頼しました。
ということで翌日の朝、高橋とナイとミーがカンの経営するレンガ工場に殴り込み、門下生をしばいてしまいました。
投げられてる人ガチで痛そうです。
今度は長谷川と坂田がカンの経営する染色工場に殴り込み、問答無用で殴りつけた挙句にバッタバッタと門下生をしばき、門下生の一部は煮えたぎる釜の中にぶち込まれたりと地獄絵図になります。
チェンロンが駆け付けた時には染色工場の門下生は全員しばかれていました。
急いで後を追いかけたチェンロンは水車小屋で長谷川達の不意打ちを受けますが、大苦戦の末にこれを倒し、ついでに鉄鉤門の門下生もやっつけました。
長谷川達も卑怯ですが、チェンロンも目つぶししたり意外と手段を選ばないです。
ということで沢山の門下生を失い、お葬式が行われている正徳道場は文字通りお通夜のようなドンヨリとした空気に包まれます。
カンはもう黙ってはいられない!と葬儀が済んだらチョウ一味を叩き潰すと宣言しました。
そこにチョウが「なんだとー!」と殴り込み、まずはキムと弟子の対決になりましたが、弟子はボコボコにやられます。
ここであのカッコいいBGMです。
次は高橋名人と弟子対決になり、巴投げで弟子がしばかれました。
高橋は柔道着に足にゲートルを巻くという謎の服装をしています。もっと言うと柔道じゃないです。
今度はフーの密教武術という謎のジャンルの武術に弟子がしばかれ、チェンロンの弟弟子も重症を負いました。
そして謎のBGMが流れ、ムエタイのナイとミーが試合前の踊りを始め、対戦した弟子はあっという間にしばかれました。
そこでチェンロンの出番となりキムをあっという間に倒し、坂田もしばかれたので二谷が割り込みました。
二谷は道場の壁を軽々とぶち抜くほどの恐ろしい蹴りを繰り出し、チェンロンの右腕を掴むや否や手刀でチェンロンの右腕を切断してしまいました。
チェンロンはヤバい状態になったので病院に運ばれ、一番弟子がモナシンと対決します。
モナシンは謎の逆立ち歩きで弟子を翻弄し、目つぶしでこれを倒しました。
続く弟子が三節棍で挑むとロンが割り込み、謎のボディビルポーズを取りました。
カンはそれを見て「これが巨体術か…」と謎の解説をしていました。
どう見ても服の間に何かもこもこした物入れてます。ダウン着てる感じで二人羽織に見えてウケます。
どうやらこの巨体術を使用すると無敵の肉体が得られるようで、棒で叩いたら棒が折れました。
弟子がしばかれたのでカンが飛び込んでロンを倒そうとしたのですが、ここで二谷が割り込みます。
二谷は忍者のように天井に張り付いてから攻撃したり、道場の柱をへし折ったりと人間離れした攻撃を見せ、カンは善戦したものの抹殺されます。
そして乱戦になって門下生達は次々にチョウ一味の刺客に抹殺されました。
葬儀の台の前に死体が沢山転がっているという絵がシュールです。
その頃、病院に行ったはずのチェンロンはなぜか路上を這いずっており、通りがかったシャオユー(タン・シン)とその父に助けられていました。
そして漢方医である親娘の看病でチェンロンは見る見る内に元気を取り戻しました。
どう見ても腕を服の中に隠してます。
カンの死を振り返って落ち込むチェンロンにシャオユーは片腕でも鍛えれば鋼のようになると教えられました。
そこでチェンロンは早速シャオユーの父にその術を依頼しました。
感想
これは普通です。
乱暴狼藉道場に絡まれた若き武芸者が復讐を果たすという内容です。
カンフー映画の対決→敗北→修行→逆襲という典型的な流れを踏襲しているので安心です。
展開も「大体こうなる」と先が読めるのも安定しています。
この短時間で世界の武道を学べるのもメリットですよね。
でも殆ど動きがカンフーなので大差ないという。
流石に高橋は投げ技が多いみたいで、モナシンは謎の逆立ち攻撃してました。
二谷は八重歯がチャームポイントで吸血鬼みたいで、「沖縄流」とか書かれた黒い羽織着てます。
主人公が地味な感じです。
対決シーンの場所とか趣向を凝らしてあるのでカンフー映画好きな人にはいいのではないでしょうか。
ラストまでのあらすじ
治療には謎の薬草を使うのですが、まずは腕の神経を全て殺す必要があるそうですが、復讐の鬼となったチェンロンはやってもらうことにします。
そしてチェンロンは燃えている炭の中にひたすら手を突っ込み、あまりのきつさに卒倒してしまいますが、神経は殺せたそうです。
そしてシャオユー父はチェンロンの手を謎の薬草の中に突っ込み、治療は成功だそうです。
これ、手だけの気がしますが…
その後、チェンロンは石で手を潰すという動作を繰り返し、一撃で岩を破壊できるようになりました。
ある日、チェンロンはシャオユーと共に町に散歩に出かけます。
シャオユーを料理屋で待たせ、町の様子を偵察することにしたのですが、正徳道場は高橋道場になっていました。
料理屋にはマーとキムが弟子を引き連れて現れてシャオユーに絡んだのでチェンロンが戻ってきて一味を倒しました。
腕とは無関係の倒れてもビヨーンと起き上がる謎の技を身に着けたようです。
高橋以外の武芸者はチョウと旅に出ていると聞いたチェンロンはシャオユーを先に帰して高橋を倒すことにしました。
なぜか首や足も頑丈になっているチェンロンは高橋道場の門弟を次々に抹殺し、高橋の巴投げを食らってもビヨーンと起き上がって受け流します。
そして高橋の腹に必殺拳を叩き込んで抹殺しました。
左腕で道着を掴まれただけでダメージ凄いみたいです。
チェンロンは逃げ出そうとした門下生に「三日後にチョウに石切り場に来るように言え」と決闘を申し込みました。
三日で戻らなかったらどうするんでしょう?カンフー映画なので大丈夫です。戻ります。
その後、チェンロンはシャオユー父からラマ僧対策として連中は急所をコントロール可能だが、一か所だけ急所がある!と右肩付近の謎のツボを伝授されていました。
翌日、いよいよ決闘となり殺風景なゴツゴツした岩山に到着したチェンロンは崖の上にいるチョウ達から「今日こそお前を殺す」と武芸者をけしかけられます。
ムエタイナイ&ミーをなんとか倒したチェンロンはモナシンと対決します。
ムエタイに関しては踊ってる間に倒せばいいのでは
モナシンの謎の逆立ち歩きには一本指の逆立ち歩きで対抗し、惑わされずに崖下に落として抹殺しました。
そしてフーをあっさり倒し、ロンの二人羽織巨体術には急所攻撃で対抗して抹殺しました。
チョウは卑怯にも崖の上から爆弾を投げてきたので、チェンロンはそれをキャッチして投げ返し、チョウと手下を爆死させました。
チェンロンは逃げる振りをして二谷達を挑発し、一本橋の上で長谷川、岩山で坂田をあっさりと倒します。
そして凄い高さのある崖の上からなぜか「アイヤー」と叫びながら飛び降りてきた二谷と対峙します。
二谷との壮絶な死闘で右目を負傷し、満身創痍のチェンロンでしたが、地味にダメージを与えた末に二谷の右手を必殺拳で落とし、胸に一撃を叩き込んで抹殺しました。
去って行くチェンロンと倒れた二谷の俯瞰映像に「終劇」のマークで映画は終わります。
最強だったのは漢方医療だったようです。