米ワーナー幹部が来日し謝罪 バービーと原爆で「後悔」
映画「バービー」のSNS(交流サイト)の米公式アカウントが、原爆投下を連想させる画像に好意的な反応をした問題で、配給元を傘下に持つ米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の幹部が8日、都内で日本経済新聞の取材に応じた。広島や長崎での原爆被害を軽視した対応を取ったことに対し「後悔とおわびの気持ちを持っている」と述べ、謝罪した。
問題発生後、米ワーナー幹部が直接の取材に応じるのは初めてとみられる。アジアやオーストラリアなど西太平洋地域の事業責任者を務めるジェームズ・ギボンズ氏が「SNS上で起きた無神経な事件への関与を遺憾に思う」と述べた。ギボンズ氏は謝罪する一方、なぜ今回の問題が起きたと考えるかという質問には回答しなかった。
北米では7月21日、原爆を開発した米物理学者の故ロバート・オッペンハイマー氏の伝記映画「オッペンハイマー」と「バービー」が同時公開された。両作品のタイトルを組み合わせた「バーベンハイマー」という造語が生まれ、X(旧ツイッター)上ではハッシュタグをつけて両作品を見ることを勧める動きが広がった。
バービーと原爆を関連づける動きはファンによる二次創作で公式なものではない。映画バービーの公式アカウントは、バービーと原爆のきのこ雲の画像を絡めた投稿に「忘れられない夏になりそう」とハートの絵文字を添えて返信するなどした。原爆被害を軽視した対応に日本から批判が集まり、配給元の米ワーナー・ブラザースは謝罪声明を出し、関連する投稿を削除した。
WBDは8日、ケーブルテレビ最大手のJCOMとコンテンツ力の強化に向けた提携拡大を発表した。ギボンズ氏は発表に合わせて来日した。