校長室より
令和5年度
- 感動のかけらを一つおすそ分け 夏の甲子園プラカード持つ
- 明日から待ちに待ってた夏休み そう思う今一番幸せ
- 晴れた日のスイカの種の放物線
- 勝つことがお世話になった恩返し いどんだ決戦涙雨降る
- この傘でわずかな逢瀬がかなうなら 雲の切れ間の空の川かな
- よろこびも悔しささえも分け合った 春夏秋冬君との時間
- 妹はうちわパタパタ姉はファン 無装備なのは私だけかな
- ラブオール心臓の音トクトクと 緊張マックスでもやるっきゃない
- 水無月にそっと確かめたチムグクル ブーゲンビリアの紅がまぶしい
- 戻り梅雨おばあに手紙したためる 明日は沖縄慰霊の日かな
- 空腹時品出し途中に現るは幾多の弁当もはや拷問 生徒作品
- 梅雨晴れの結葉光ひるがえる 隣の君は鉛筆の音
- 二階建て地下の書庫から本探し 人生七週なきゃ読めない 生徒作品
- 大丈夫ちゃんと応援してるから フワリゆれてるあじさいの青
- ふくふくと部室のにおい風薫る 生徒作品
- 小糠雨わずかに髪を濡らしても のびた指先笑顔を添えて
- 母の日も休むことない三つ子母 生徒作品
- 金欠で父にねだったカーネーション 生徒作品
- とりあえずエア綱引きはいいとして エア大縄はちょっと無理ある
- お土産に買って帰ったちんすこう 雪塩味を選ぶ雨の日
- 笑いじわおじいおばあの沖縄弁 夕げのゴーヤー大きな輪っか
- 夕間暮れリゾートホテルの篝火にいつか彼女と訪れる夢
- 南風長くなった髪束ねたら 晴れのち晴れの旅始めよう
- 鉄板のような熱き心でトライやる 情熱込めた豚玉1枚
- もこもこと石碑くすぐりさつき咲く もちっと勉強しときゃよかった
- 目に青葉 山ほととぎす 初鰹 山口素堂
- 玉露のころりとまろび寒葵 私傘さすの下手なんです
- 五月雨を上目遣いに龍之介
- 風薫る伯耆の城やはるか海
- そりゃうちらそんなに強くないけれど 負けてばかりじゃ面白くない
- 夏浅しマスクの残りあと少々
- 制するは卓上の格闘技なり やってやったぜチャンピオン奪取
- え~またか 校長センセ例のヤツ しょうがないけど作ってやるか
- 下足箱忘れた傘を差し入れて こっそりのぞく教室の窓
- 気まぐれな野球の神は忙しい あっち行ったりこっちへ来たり
- 私にはなりたい自分がもう一人 いつも挑戦続ける自分
- あいつらにちょっといいとこ見せなくちゃ 少しにじんだ汗春の風
- 見下ろせば黄砂に煙る朝の街 離任の式やさよならの春
- 放送部時間外勤務ありますって ?だけれど待ち遠し部活
- 黒板にチョークで書かれたおめでとう 物語第1章1ページ
- 花散らしの雨は降れどもまた君と 物語の続き始めよう
令和4年度
- 桜咲くあの場所君と待ち合わせ またよろしくね言っとかなくちゃ
- 明治からおおよそ100と50年 ベースボールを野球が超えた
- 春霞 合格発表待ちながら かなりドキドキちょっとワクワク
- 買いだめたマスクの残りまだ少々 千鳥ヶ淵から桜の便り
- 咲きほこれ五月の丘から明日へと はるかに見える海が光ってる
- 卒アルにサイン求めて右往左往 書いてもらったあの子のサイン
- たわむれに引いたおみくじ凶凶吉 確率3分の1だったか
- 異次元のなんていうからどんなかと 梅にうぐいす愛でて3月
- 卒業というやつが今すぐそこに 弥生3月白梅香る
- サクラサク クジラガツレタ もう一度襟を正して鳥雲に入る
- 合格の知らせをのせて春一番 叶った夢と新しい夢
- 道半ばあせらなくてもいいじゃない そういつだって私は私
- いつもより黒い揚げパンほおばって テストの憂鬱しばし忘れむ
- トライやる発表しながら思い出す 大人ってやっぱすごいんだよね
- 受験票えんぴつ時計お弁当 おっといけないばあばのお守り
- ほほづゑに梅の香ただよふ春隣 生徒作品
- 目標は心を鬼に美化委員 泳げるような床にすること
- 目がかゆい花粉のせいかな春隣 生徒作品
- ほっといてそんな深夜と冬の海 生徒作品
- 冬将軍ふとんが我を離さない 生徒作品
- ちはやぶる神へと続く十八番札 君に取られてあおぐ天井
- 雪の庭ねこはいつもとかわらない コンビニおでん卵をチョイス
- なんてこと その質問は想定外 面接練習目が点になる
- 大寒や等圧線は密になり東京湾に迷子のクジラ
- 春隣百葉箱の白ペンキ
- 朝ぼらけ港見下ろす丘の上 命慈しむトランペット
- ぼたん雪合格通知届く朝
- ごめんねのメール受け取る冬の海
- また君と会えた1月の教室 話したいこといっぱいあるんだ
- 去年(こぞ)今年貫く棒の如きもの 高浜虚子
- どっこいしょ 背中の荷物おろしたら あとはサンタを待つばかりなり
- ゆず風呂にしれっとつかるカピバラを くすっと笑う冬至なりけり
- 校長室 本日その2
- そういえば「いただきます」ってどんな意味 考えながら手を合わす今日
- 静寂ののち荒々し風紋の はるかはるかに旅する心
- ちとうれし地産地消のネギだけど おとりよせした河豚待ち遠し
- 冬将軍満を持しての来襲に いとありがたし味噌キムチうどん
- 冬枯れの舞台にひとつ「戦」の文字 悲しき調べ耳に残して
- 雪がふる一つ一つに雪の神 猪名川小学校児童作
- 新しい景色を見たいその思い 突き動かせし120分
- 呪縛から解き放たれし30年 ドーハの悲劇 ドーハの奇跡
- コスタリカ、スペイン、ドイツ熱戦に 一喜一憂しちゃいますよね
- 「いそがしい」つい言ってしまうわけだけど 師走の珈琲さめないうちに
- 制服で授業受けてるお姉ちゃん なんだかとても大人なんだな
- 石礫(せきれき)も流れに逆らう矜持もち 生徒作品
- ブラボーを連呼している赤い髪 秘めた闘志で乾坤一擲
- まんまるな五中ツリーお目見えす 明日のテスト頑張るからね
- 十と七拾い集めた言葉から 五月(さつき)の丘にたわわな実り
- 木枯らしやしまいそこねたポロシャツをそこらに投げてあわただし朝
- 秋深き隣は何をする人ぞ 松尾芭蕉
- 店先のトライののぼり目にすれば ちょっとのぞいてみたい秋の日
- 霜月や昨日の思い出明日の夢 交差する高校3年生
- 森を出て11月のトライやる そこにはどんな海があるんだろ
- もう一度君と歌おう 天空の星の名冠したあのホールで
- 本番を歌い終わってノーサイド ともに過ごした時間は宝
- 100点!
- もしもピアノが弾けたなら
- センターで右手を上げて決めポーズ 私ちょっとカッコいいかも
- かたわらのアスファルトに咲くヒナゲシや 不安と希望の虹見上げたり
- そこはかと金木犀の香り立ち 襟を正してあいさつ訪問
- ワン・ツー セブン・エイト ダンス極めて めちゃかっこいい男になるのだ
- たらればは言っても仕方ないけれど そう思っちゃう今神無月
- この手紙読んだ未来の私なら きっと笑ってデコピンしてる
- 駆け寄って君が口にしたありがとう 優しい風吹く神無月かな
- この風はどこまで吹いていくのかな 明日経由で明後日の空へ
- 楽しんでいってくださいそう言って指差し確認出発進行
- 心臓がバクバクもまた心地よし 背番号4アリーナに立つ
- 炎天の「こっくりさん」の赤ランプ 生徒作品
- 甲子園アウトの一声夏終わる 生徒作品
- 日曜日ラジオ放送アナウンス 今は昔のサイクロン号
- 赤福はベタにすぎるというけれど 母さん好きと言ってたっけか
- ひとつずつ色も形も違うけど 破顔一笑仕上げたパズル
- おかえりを2回言われた始業式 帰る場所ある幸せ思う
- 朝顔の観察日記まとめ書き ちょっとズルした自由研究
- 夏帽子じっと見ておりフェルメール
- 蝉しぐれ選手交代ハ短調
- 校庭のタイムカプセル蝉時雨
- 大井川ひまわり揺れて陸蒸気
- 蝉時雨水栓ひねる朝当番
- 風鈴やチリンとゆれてソーダ水
- 夏帽子待合室の旅ノート
- 向日葵の黄色ますます濃くなりて 今始まった冒険の夏
- 戻り梅雨フラペチーノなるものを食べてながむる百日紅かな
- つゆ先に少しとどまりて夏の雨
- ひまわりの色した電車青い海 聖地訪れ夏の絵日記
- 図書館に静寂求め昼下がり 蝉時雨降り始めぬうちに
- どれだけ長くやったかではなく、何をやったかということ
- 七夕にたった2本でいいんです 貸してください千手観音
- 昼休み外にはいかず教室で 友達と話すあの時間好き(生徒作品)
- ピンチをば楽しめってそんなこと 先生無茶を言わないでよね
- 梅雨明けが早くなりけむ今年なら 約束かなう天の川かな
- 水しぶき忘れかけてたこの感じ プールのシャワー頭で浴びて
- 梅雨明けの美ら海青くどこまでも 何を思うやカンカラ三線
- あら私こんな顔して笑ってる こそばゆい中にも誇らしさ
- Dreams come true ユメハカナウ 私たち今輝いてます
- せーのーで プリキュアジャンプやってみよ 笑って跳んだ6月の空
- 紫陽花の幼き白は雨に濡れ 方程式は未だ迷宮
- 苦笑い 顔に残ったマスク焼け でも忘れない ずっとずっとずっと
- 晴れ舞台みんなが主役あのダンス 太陽というスポットライト
- 開始から4分5秒決めポーズ 見逃し厳禁どうぞよろしく
- 目が点に昭和は遠くなりにけり 美術の授業にスパイダーマン
- 船をこぐ窓辺の君に風薫る ~五中新緑の句会名人句~
- 風薫る初夏の句会でエトセトラ まさかあいつがこれ作ったの
- すみません今失敗したの私です 両手合わせる君に涼風
- 初日から20回飛んで自画自賛 筋肉痛はまだ大丈夫
- 集会でセンセが言ってたあの言葉 妙に気になる五月晴の日
- 集会の司会はオレにまかせとけ アドリブ入れて心配無用
- やって来た月に一度の解禁日 みんな給食早く食べてくれ
- 作る人もいいんだけどボク的にゃ やってみたいな夏井先生
- 夏立ちて勝ちはするりと逃げたけど 私って頑張ったんじゃない
- 窓越しのシュークリームな白い雲 連休谷間の月曜日です
- 五月晴 空が近くに見える日は 両手伸ばしてつま先立ちで
- 窓の外4月の雨は降るけれど 会えて幸せ きな粉揚げパン
- アリーナをポツリとたたく涙雨 顔で笑って心で泣いて
- 先輩と呼ばれることのこそばゆさ 酔ってるだけじゃあかんですけど
- 中学校なんてと思っていたけれど 毎日けっこう楽しんでます
- 春霞ゲームセットの声聞いて グラブとミットハイタッチする
- 迫りくるナゾの儀式も何のその 運命なんて変えていくもの
- 大切に忘れずピン止めしとこ 3度の飯より3年2組
- 出逢いの日ちょっとすごいな先輩って あこがれの目で見ちゃった私
- 私には宝箱が2つある 昨日までのと今日からの分
- 大きめの制服何度もそで通し鏡とにらめっこしてる朝
- もしかしておんなじクラスなんじゃない ニンマリ笑ってハイタッチする
- うす桃の花びら一つ黒髪に ちょっとドキドキちょっとワクワク
- 桜(はな)は咲き桜は散りまた桜は咲く 背中合わせの別れと出会い