名護市辺野古の新基地建設を巡る投資話などを持ちかけられ、計10億円以上詐取されたとして、埼玉県の運送会社が沖縄県内にあった海運会社「尚圓(しょうえん)海運」(現在は滋賀県に移転)や仲介役の50代男性などを詐欺容疑で刑事告訴したことが8日までに分かった。運送会社側は、海砂利を採取する船舶購入費や恩納村内のリゾート開発を巡る出資などの名目でだまし取られたと主張している。県警は告訴を受理し、捜査している。
告訴状によると、運送会社は2020〜21年に、辺野古埋め立て事業参入に向けた船舶購入費として尚圓海運に計5億円、21年にはリゾート開発を巡り恩納村の「琉洋リゾート開発」に計5億6千万円をそれぞれ送金した。いずれも仲介役が主導したとし、処罰を求めている。
運送会社側によると、仲介役は船舶購入を巡って「年間24億〜28億円の売り上げになる」とし、尚圓海運と折半することや、購入費以外の経費は尚圓海運側が負担することを持ちかけた。しかし、船は老朽化が激しく稼働できる状態ではなかったという。これ以外に砂の採取に必要な漁業権取得名目などで、計1億円を送金させられたという。
リゾート計画への出資では、県外大手ハウスメーカーが購入予定の土地があり、すぐに返済するなどと融資を求められ5億6千万円を入金したが、土地は売却されず返済もなかった。大手ハウスメーカー側が土地購入を申し込んだ事実もなかったという。
船舶購入を巡り、運送会社は昨年8月、売買契約の無効確認などを求め尚圓海運を提訴。尚圓海運側は口頭弁論期日に出廷せず、那覇地裁が今年4月に運送会社側の訴えを認めた判決が確定している。訴訟では、仲介役と関わりがある名護市の採掘業者との契約も含め、被害は総額15億円超に上ると主張していた。
法人登記簿では、尚圓海運や琉洋リゾート開発の代表は当時と異なる滋賀県の男性に変わり、仲介役とも連絡がつかない状態といい、資金回収のめどは立っていない。運送会社の代表は、他にも被害があるとし「関わった人たちは絶対に許せない」と話した。