全国で問題となっている中古車販売大手ビッグモーターの「街路樹の不正撤去」。静岡県内でも複数箇所で調査が進んでいますが、かつて店舗があった場所でも新たな疑惑が浮上しています。

「街路樹の不正撤去」

 保険金の不正請求問題から始まった一連の“ビッグモーター騒動”。なかでも今、注目されているのが…。

画像1: 「街路樹の不正撤去」

富士土木事務所 望月博文課長:「低木が一部ない状態が確認されている。その原因を調べるということで土壌調査を行った」

 富士市内にあるビッグモーター富士店。店の前の植え込みにあった低木の一部が現在なくなっていることが明らかになりました。県によると、申請もなく除草剤などで撤去された可能性があるということです。

画像2: 「街路樹の不正撤去」

静岡・富士市 小長井義正市長:「そういった(不適切な)行為は本来許されるべきものではないので、場合によっては被害届等、県が出すことになるのか。また一部、市のほうも関係があれば、市もしっかりと対応しなければならない」

画像3: 「街路樹の不正撤去」

 富士市側は8月末までに出される県の調査結果を見たうえで、最終的な対応を検討するとしています。

かつて店舗があった場所でも

画像1: かつて店舗があった場所でも

 県内でも問題となっている「街路樹の不正撤去」。そうしたなかビッグモーターを巡って“新たな疑惑が”浮上しました。それが…。

嶋田光希アナウンサー:「ビッグモーター浜北店があった場所に来ています。過去の写真では、ここに街路樹があったようなんですが、いまはアスファルトに覆われています」

画像2: かつて店舗があった場所でも

 こちらは2015年2月に撮影された画像です。画面手前の街路樹や低木を覚えておいてください。これが、2017年8月になると…、手前にあった街路樹が伐採され、低木もなくなっていることが分かります。

画像3: かつて店舗があった場所でも

 現在は空き店舗となっていて、植え込みもアスファルトで閉ざされています。

別の場所でも…

 また、別の場所でも…。

画像1: 別の場所でも…

 浜松市東区にあったビッグモーター「浜松柳通り店」。2017年8月の画像を見てみると、別の店の前にある低木は葉が青々としていますが、ビッグモーター前では葉が枯れていることが分かります。

 2018年10月も同じように、ビッグモーターの前だけ枯れています。

画像2: 別の場所でも…

 2019年7月、ビッグモーターが閉店した後は低木が刈り取られ、無造作に雑草が生い茂っていることが確認できます。

浜松市は…

 こうした実態に、道路を管理する市は番組の取材に対し…。

浜松市「どのような経緯で街路樹がなくなったのか、枯れていて市が工事を発注したのか、誰かが故意に伐採したのか、まずは市の手続きや発注履歴などを確認している段階です。
市としては調べられる範囲で確認をします」

ビッグモーターの広報は…

 また、ビッグモーターの広報は、番組の取材に対し…。

「個別の店舗について詳しい回答は控えていますが、自治体や国交省による街路樹周辺の現地調査に全面的に協力していきます」

 浜松市内をめぐっては、現在営業している浜松東店でも、店の前に9本ある街路樹のうち7本が枯れていて、倒木の恐れがあることから、以前、市が伐採をしています。

画像: ビッグモーターの広報は…

浜松市 中野祐介市長:「我々としても、まずは市内の店舗の街路樹がどうなっているのかっていうのは、すでに調べた。(浜松東店の)お店が開いた時には、何本か高い木があったのが、その後の老朽化などもあって伐採をしているというのは、事実としては我々として把握している」

 浜松市によると、閉店した店舗をめぐっては市民からの情報提供も多いことから、木が無くなった経緯も含めて早急に調べるとしていて、場合によってはビッグモーター側に聞き取りを行う事も視野に調査を進めるとしています。

 静岡県東部の宿泊施設で、顔見知りの20代の女性にわいせつな行為をしたとして8日、74歳の男が逮捕されました。
画像: 静岡県警

静岡県警

 準強制性交等の疑いで逮捕されたのは、神奈川県厚木市に住む74歳の内装業の男です。警察の調べによりますと、男は6月上旬、県東部の宿泊施設で顔見知りの20代の女性にわいせつな行為をした疑いが持たれています。

 警察によりますと、2人は神奈川から一緒に県東部にきていて、男は言葉巧みに女性を誤信させて抵抗できない状態にして犯行に及んだ、ということです。被害直後、女性が被害届を出していました。男は容疑を否認しているということです。

 静岡県富士市の交差点で、酒に酔って中型トラックを運転し、乗用車に衝突して50代の夫婦と小学生、幼稚園児の4人にけがをさせたとして、58歳の男が逮捕されました。
画像: 酒を飲んでトラックを運転し乗用車と衝突か…夫婦と5歳と9歳の男児の4人がけが 58歳の男を逮捕 静岡・富士市

 過失運転致傷と酒気帯び運転で逮捕されたのは、富士市の58歳の自称・建設業の男です。男は8日午後3時半ごろ、酒に酔った状態で中型トラックを運転して、富士市の県道の信号機のある交差点で左折する際に、信号待ちをしていた乗用車に衝突し、50代の夫婦と小学生と幼稚園児の2人の子どもにけがをさせた疑いが持たれています。夫婦と小学生の男の子は首に痛みを訴えており、幼稚園児の男の子は軽いけがをしました。

 男は夫婦からの通報で駆けつけた警察官に現行犯逮捕されました。警察は男が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

井川翔馬さんの父親:「ビッグモーターがつぶれてしまえと、親としてはそういうふうに思うし、結局ルールとか仕組みとか変えてもダメ。結局、人。総替えくらいの大改革をしないと、僕は変わらないと思う。今だってきっと臭いものにふたをしているというのがあると思わざるを得ない」
画像: ビッグモーター提訴の翌月に亡くなった店長 LINEに残された上司の厳しい言葉…父「あれが暴言じゃないなら何が暴言か」 静岡

店長となり喜んだのも束の間…

画像1: 店長となり喜んだのも束の間…

 憤りを口にするのは、掛川市に住んでいた井川翔馬さん(29)の父親です。翔馬さんは2017年にビッグモーターに入社し、2019年から岐阜県の各務原店の店長に昇格しました。

 こちらがその時、翔馬さんが父親に送ったメッセージです。

画像2: 店長となり喜んだのも束の間…

(LINEで父親とのやり取り 井川翔馬さん)
「岐阜県各務原店の店長に昇格しました!」

 店長となって喜んだのも束の間、翔馬さんはうつ病を発症。父親によると、その原因とされているのが、ビッグモーターによる“パワハラ”です。

LINEで「暴言」

 これはビッグモーターの他の店の店長や上司などが入るLINEのグループです。そこには翔馬さんに向けられた数々の厳しい言葉が。

画像1: LINEで「暴言」

上司 「何年店長やってんだよ」「いい加減にしろよ」
上司 「日本語まともに喋れないなら店長職 務まりませんが」
上司 「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」

画像2: LINEで「暴言」

井川翔馬さんの父
「もう最初に思ったのは常識では考えられない。普通の会社じゃないっていう、あんな言葉遣いは普通だったらしないし、あれが暴言じゃないんだったら、何が暴言なんですか? と言いたい」

亡くなる前月に会社を提訴

画像1: 亡くなる前月に会社を提訴

 去年8月、翔馬さんはビッグモーターに対し、パワハラを受けたことに対する慰謝料や未払いの残業代として、およそ2100万円を求める裁判を岐阜地裁に起こしました。しかしその翌月、翔馬さんは掛川市のため池に車で転落し、亡くなりました。

画像2: 亡くなる前月に会社を提訴

井川翔馬さんの父
「僕らはパワハラと言っているが、精神を病んで仕事ができなくなった。非常に深刻な状況だったというのは、家に連れて帰って来た時にそう思ったのが事実。それまで正直気づくことができなかった、気づいてあげることができなかった。私自身もそういった病気を抱えている方の接し方、メンタル疾患を受けた方の接し方というのを知ってはいたので、あまりこちらからあーだこーだ聞くよりも、なんか相談がないか? と聞くよりも、彼が話したくなった時にしっかり話を聞いてあげようという、そういうスタンスでいたので正直、その期間、多くのことを彼から聞いたかというと。そうではなかった、今からして思えば。やっぱりもう少し何かこう踏み込んで、いろんなこと聞いてあげれば良かったかなというふうな若干の悔いは残っている」

 後悔を口にする翔馬さんの父親。翔馬さんが“亡くなった日”は特別な日だったと話します。

井川翔馬さんの父
「彼が死んだ9月24日は夫婦の結婚記念日の日だった。病院から僕の携帯に電話がかかってきました。電話の向こうで、とにかく来てくださいとしか言わないんですね。病院に行ったらもう冷たくなっていて、もうなんて言っていいか、もうその時は分かりません。涙も出ませんでしたね、もう。無言でもうあいつの遺体を触っておくことしか、もう僕にはその時はできませんでした。今回のこの一連の報道が、なんでもっと早く出なかったんだろうって思うんですよね。もう少し社会の目に早く触れて、ことが大きくなっていれば、9月24日のあのタイミングで溺死するっていうような、そういう死に方はしなかったんじゃないかって思うと、そこは無念ですね。はい。悔しいです」

Q.(亡くなった)翔馬さんを見た時、怒りも湧いた?

A.「いや、怒りもなかった正直。本当にあのもう(という思い)。空っぽみたいな感じ。もうちょっと、あいつからいろんなことを言ってきて、親に迷惑をかけてくれればよかったのになと思うと、ちょっと涙がぼろぼろと流れてくる事は、今でもある」

両親が裁判引き継ぎ

 現在、翔馬さんが起こした裁判は両親が引き継いでいます。

井川翔馬さんの父
「生前に言っていたのは、ビッグモーターという会社自体を嫌いなわけでもないし、中古車販売業、営業という仕事が好きだって言った。そのパワハラが許せないんだと。実際自分の仲間が、多くの人が同じ目にあっている。だからそういう体質なり人なりを変えてもらえさえすれば、僕自身はビッグモーターという会社に潰れてほしいとか、嫌いだという感情はないと彼は言っていた。
翔馬の代わりにという中での思いは、やっぱりビッグモーターには体質、人を変えてもらって、全部変えてもらって、きれいな体になってお客と従業員をちゃんと見てくれると、そういう会社になって立ち直ってもらいたいと思うようにはしている。思うようにはしているが、、やっぱり父親の気持ちとしては憤りというか、潰れてしまえという気持ちはある」

 ビッグモーターの社内では、パワハラともとれるLINEでのやり取りはあったのでしょうか。7月の会見時に兼重宏行前社長は次のように回答しています。

ビッグモーター 兼重宏行前社長(7月26日)
Q.企業風土に会社の中で、店長以上、社員以下のグループラインがあると聞いたが事実か?

A.「LINEで情報交換はやっている」

Q.ラインの中で業績・ノルマに関することを投稿して、その中で社会的常識からは到底考えられない言葉で罵倒されるような、
そういうことがあったと伺ったが、社長自身こういった事実があるかどうか?

A.「そういう内容は、私が入っているLINEではやり取りはありません」

 「自身が入るLINEのグループでは、そうしたやり取りはなかった」とした兼重前社長。しかし、その兼重前社長自身が発信したとされるLINEのメッセージではこんなことも…。

画像1: 両親が裁判引き継ぎ

(兼重前社長が発信したとされるメッセージ)
「営業の適性が無い人は、お客様にご迷惑をお掛けするので絶対に放置してはいけない! バカ(営業担当者)が言うことに対して客様は絶対に納得されないので、これは結果で即判断してください!バカは年を取っても賢くならない!」

 翔馬さんの父親は、この世を去った息子や、現在もパワハラなどで苦しんでいる人たちにメッセージを送りました。

画像2: 両親が裁判引き継ぎ

井川翔馬さんの父
「やり遂げるということは約束したいと思う。最後まで。例えば向こうが和解を申し込んできたとしても、そこはお断りして、しっかり最後まで戦いましょう。戦い抜きましょうというのが僕の気持ちであり、もし、彼が聞けているとするならば、お父さんそこまでやるぞと伝えたい。多くの方がもし翔馬みたいな目にあっていて、声を出せない人がいるのであれば、報道を通じて勇気をもって声を上げてほしいと思う。ビッグモーターについては、その言葉を1個1個拾って真摯に受け止めて、それを会社を変える材料にして変わってほしい。変えるように努力してほしい。それが出来ないのであれば、昔のままのビッグモーターです」

 番組では井川翔馬さんが申し立てたパワハラ訴訟についてビッグモーター側に問い合わせてみました。その回答は…。

ビッグモーター
「係争中の案件につきコメントは差し控えたい」

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