大人も絶叫!博物館スタッフが本気で作るウワサのお化け屋敷 パワーアップした怖さのヒミツは
夏の風物詩の一つと言えば「お化け屋敷」
この夏、愛媛県西予市宇和町では、5年ぶりに名物お化け屋敷が復活しました。“子どもたちに夏の思い出を”。全力で挑む大人の夏の一幕に密着です!
大人もびっくりすると噂のお化け屋敷があるのは、西予市宇和町の県歴史文化博物館です。
県歴史文化博物館 原崎洋祐さん:
「こちらがいよいよ会場になります。やってない時もあったんですけど、今年やらないんですかっていう問い合わせをいただいて」
2010年にスタートし、多い時には期間中およそ1万人を恐怖のどん底へ突き落としてきた、名物・お化け屋敷。その“恐怖の館”が、今年5年ぶりに復活したのです。運営のリーダーを務めるのは、お化け屋敷歴3年目の原﨑洋祐さん。
原崎さん:
「今年は回る順序を逆回りにしたりして、その方が怖いらしくて。今右回り、以前は左回りだったんですけど、今年はさらに怖い」
博物館に数々の恐怖グッズ…オバケマニュアルも「大人が本気出すから面白い」
5年前よりパワーアップした怖さ。その秘密をさらに探るため、チャン4カメラがバックヤードに潜入すると…
突然空気を噴射する機械をはじめ、博物館なのに、恐怖グッズがゴロゴロ…
「(今年は)精鋭部隊ですね。ベストメンバー。オバケのスタメンですね」
会場には、ここにある以上の恐怖グッズが設置されているとのこと。
その一方で…
Q.ベテランの風格が漂っていますが…
お化け屋敷初の田村さん:
「初めてです。空気噴射全く触ったことないです」
5年ぶりの開催のため、原崎さん以外のスタッフはお化け屋敷未経験。もちろん、生身のオバケ役も初めてです。
田村さん:
「ちょっと怖くなってきたな…」
原崎さん:
「大丈夫、ちゃんとオバケマニュアルも作るけん」
Q.この夏何人ぐらいの子どもを泣かせたい?
原崎さん:
「打率で言ったら…イチローは超えたいですよね。目指せ4割。こういうのはね、大人が本気出すから面白いんですよね」
果たして、“恐怖の館”完全復活となるのでしょうか!?
いよいよ開幕!“恐怖の館“ 舞台裏ではオバケもスタッフもてんやわんや
7月22日。
運営スタッフ:
「じゃあ…二人とも衣装一緒だから」
Q.オバケ役をやったことは?
高校生:
「ない…」
今回、助っ人の高校生たちも応援に駆け付け、いよいよ5年ぶりの恐怖の館が開幕です!
コースは1周およそ5分。順調に1組目のお客さんが帰ったか…と思いきや。
運営スタッフ:
「間に合いました?追いかけるタイミングとか。見えました?前のお客さん」
オバケ役の高校生:
「いや、見えなかった」
原崎さん:
「刺激が結構少ない箇所も結構あるから、長さ的にね。そこらへんはアドリブで補って」
真っ暗なコース、さらに経験者が圧倒的に少ないことも相まって、驚かせ方が控えめに…。
原崎さん:
「ここ出してください、エアー(空気)は。ライト見えます?」「オバケさーん!オバケさーん!ここもここで覗いてていいよ」
リーダーの原崎さんがタイミングや力加減を念入りにチェックして、再スタートです。
お化け屋敷初挑戦!笑顔で中に入っていく子どもたちは…
チラシを見て松山市からやってきた親子。子どもたちはお化け屋敷初体験とのこと。
子ども:
「ゆっくりいこう、ゆっくりいこう」
母親:
「ゆっくりね」
怖がってはいるものの、序盤は大丈夫な様子…
しかし!
「ママ、ママ…。怖い、怖いー(大絶叫)なんか出た、なんか出たーママ―おうちかえる、おうちかえる、ママ、おうちー!あああああ!」
恐怖のあまり、「おうちかえる」を16回連呼!
母親:「また行く?」
子ども:
「行かない!」
母親:「思ったより怖くて、子どもたちにちょうどいい感じで、でも大人も楽しめるところもあって来て良かったです」
子ども:
「おうちかえるー!」
「やっぱり怖いけんやめた」入る前から脱落!?連鎖する恐怖
続いては親子3人組のチャレンジャー。子どもたちは全員参加のはずが…。
母親:
「いきまーす」
子ども:
「お母さん帰ってきて!帰ってきて、お母さん!」
一人が入口を前に脱落!さらに…
子ども:
「やっぱり怖いけんやめた」
母親:
「いやいやいや。はい、おいで!お金払ったんやけん勿体ないけん」
子ども:
「やーだー」
母親:
「はいはい、大丈夫大丈夫」
強制連行でなんとかクリア。恐るべし恐怖の連鎖です。
Q.何が一番怖かった?
子ども:
「(外で待ってた)あおいちゃんの声が怖い(笑)」
母親:
「仕掛けの声かと思った」
お母さんも大絶叫だったこちらの親子。
子ども:
「何か子どもの声聞こえた。なんか児童クラブの話に出てくる子みたいな」
ちなみに、子どもの声の仕掛けはない…
アドリブ全開!控え目だったオバケたちも…ノリに乗ってさながらプロに!
開始当初は、控えめに驚かせていた高校生も…
子ども:
「ついてこないで、ついてこないでー」
どうやらオバケ役が、板について来た。
子ども:
「ガイコツがついてきたー」
父親:
「前のは高校生が作った模擬店みたいなやつだったんで、すぐ終わったんですけど、それでも、わあー!ってなって。ちょっと本格的だったね」
さらに、午後の部では…
オバケ役の田村さん:
「うわお!」
母親:
「うわあああああ!!」
子ども:
「うわーーー!ちょっと待って」
母親(いつまでも追いかけてくるお化けに):
「最低」
お化け役初挑戦の職員、田村さん!驚かせた後には、すかさず次の空気噴射に移動。
子ども:
「大丈夫や」
(プシュー!!!)
子ども:
「うわーーーー!!」
オバケ役の田村さん:
「はははははは」
お化けの笑い声までつけて、アドリブ全開!その身のこなし、まるで「プロのオバケ」だ!
田村さん:
「これ、靴今はいてないんですよ。オバケってやっぱり足音出ないですからね。(コツは)靴をはかない」
5年前は入れなかったお化け屋敷…母が見守るなかリベンジを果たしに!
「怖い、ほんとにやだ」「え、どこ?」「ぎゃーーーー!!」
大絶叫する女子3人組。会場の外では、楽しそうに帰りを待つ女性の姿が。
原崎さん:
「4年か、5年前ですかね?」
母親:
「結構怖かったんですよ、私が入っても。その時は娘は入れなかった。入っただけ凄いなと。成長したなって」
数年前、このお化け屋敷に入れなかった我が子を、温かく見守っていたお母さん。
母親:
「ちょっと泣くかなと思ったんですけど、泣かずにいけました」
怖いけど懐かしい夏の思い出になったようです。
この日、およそ90人が体験したお化け屋敷。5年ぶりの恐怖体験を思い思いに味わっていました。
原崎さん:
「大満足です。博物館自体が堅苦しいイメージがあるかもしれないですけど、楽しい場所だよというのが分かっていただければ、そのきっかけになればいいかなと思います」
子どもも大人も楽しめる、県歴史文化博物館の「お化け屋敷」は、8月31日まで行われています。