◇子役が子供でなくなる時


こんにちは。
本日2本めのブログです。

書きたいことがいろいろあるのですが、平日は時間が取れないので、週末にまとめて書くことにしました。


ここ最近、平日はTwitterもろくに開けていないのですが、お昼休憩している時とか、たまにちょこちょことは見てるんですよ。

そんな感じでいくつかの気になるニュースが目に入りました。


先ずは、これ。山本一郎さんがゆたぼん君について書いたpresidentの記事です。

こちらから→「不登校YouTuberゆたぼん」はあと4年で大人になる...9歳の少年を嗤ってきたネット民が向き合う現実



ゆたぼん君て、もう中学3年生なのですね。
びっくり。子供の成長って早いですね〜。もう子供扱いしてもらえない年齢になっていたとは。

そのせいなのか何なのか、ここ最近は急速にTwitterのフォロワーや、動画の再生回数が減っているのですね。
まだ14歳と言う年齢で、「オワコン」などと言われるのは辛いだろうな。。。


彼は、残酷なインターネット界における子役、みたいなものでした。
ジャニーズ事務所の性加害が問題となっていますが、芸能界とはまた違う残酷な仕打ちを受けている。

良くも悪くも目立ったことによって、少年革命家のユーチューバーは、人気作家の書いた小説にもその存在が使われています。


正欲 (新潮文庫 あ 78-3)
朝井 リョウ
新潮社
2023-05-29



ゆたぼん君は、大衆と時代に消費されましたよね。そして、今やもう食べ残しのお皿の上に捨てられている、旬を過ぎた食材になってしまった。

彼自身のことも心配だけれど、彼に感化された子供たち(がもし居るとするなら)はどうなるのでしょうか?


ゆたぼん君と似たようなネットの食材として、キメラゴンってキャラクターも居ましたよね。
キメラゴン君は、中学生の若さでイケハヤに取り入り、情報商材屋(詐欺師)になった男の子です。覚えてますか?

彼もまた、当初は「中学生」だったからこそ世間の注目を浴びましたが、年齢を重ねるにつれて、存在が飽きられていきました。


現在では「キメラゴン」を引退し、「ビジネス」(詐欺)からも卒業したそうですが、ソウルアーティストというよくわからない肩書きを自称しています。「悩みを解決する」のが仕事(?)だそうです。
独特の魅力とカリスマ性がありますから、将来的にはプチ宗教の教祖とかになりそうですね。


教団X (集英社文芸単行本)
中村文則
集英社
2015-08-14



彼も中学生だった頃は注目されて、ティーンエイジャーにはふさわしくない大金を手にしていました。
けれど、大方のネット民の予想通り、周りには良からぬ連中が群がって、放蕩と散財で身を持ち崩していくというありふれた展開に。


そりゃ、そうです。人生のことも社会のことも、人間のことさえ分かっていない子供が札束見せびらかしてたら、海千山千の大人たちの餌食になりますよ。
彼も情弱カモたちの羽をむしってムシャムシャ貪り食っていたけれど、彼自身もまた、1枚も2枚も上手の連中から丸呑みされて、バリバリ噛み砕かれてしまったのでしょう。


現在の彼のブログには敢えてリンクを貼りませんが、それを読むと、キメラゴン時代には入ってくる収入も大きかったけれど、それ以上に使い込むようになってしまって、借金を背負ったそうです。


首が回らなくなった彼は虚しくなり、ビジネス(しつこいようですが詐欺です)を他人にゆずり、神社仏閣巡りをして(人生に疲れてスピリチュアルに傾倒する女子みたいですね)、ちょっと哲学っぽいことを言うようになります。

そして、出会った人たちの悩みを解決する代わりに、お金をもらったり食事を奢ってもらう日々を「ソウルアーティスト」として送るようになったそうです。


こういうヤドカリみたいな人、昔から居ますよね。
私も出会ったことがあります。坂爪圭吾さんって言うんですけどね。
写真ではイケメンだったのですが、実物の彼は鉛色の肌をしており、心身ともに病的でした。

でも、ある種の女性たちにはおモテになるみたい。こういうタイプは誰かしらが養ってくれるので、食うには困らないのでしょう。


元キメラゴン君も、10代の若さで年上の女性とご結婚されたようです。
つい先日、可愛い女の子も産まれたそうですよ。

なんだか、昔懐かしい昭和のヤンキー臭がするエピソードですね。


私が小学生の頃は、中学を卒業したら高校には進まず、17歳とか18歳で結婚し、子供を抱いている金髪のヤンキーが近所の商店街によく居ました。

最近はヤンキーの初婚年齢も高齢化しているようで、10代で子供を抱いている人は田舎でも見なくなりましたが、そんな時代の中にあって、キメラゴン君の生き様には昭和ノスタルジーを感じます。


もし今後、嫁と子供を捨てて、「自分を探したい」とインドへ行ってしまったり、世界一周旅行へ出かけるとしたら、昭和ノスタルジーに加えて平成レトロの香りもしてきます。
私の世代にはドストライクだな。

あの時代には自分探しの旅へ出て、帰ってこなかった人たくさん居ましたよね。
帰れなくなっちゃったあの人やこの人、今頃なにをしているのかな。。。


自分が見つからなくても帰ってきた人たちは、いまさら就職できるはずもなく、スパイスカレーの店を開いたり、風変わりなカフェを経営したり、ゲストハウスを始めたりするのもパターン化しています。


ゆたぼんくんは、もう子供扱いしてもらえない年齢になりつつあるとはいえ、まだ14歳。
男の子の本格的な反抗期と自立はまだまだこれから。

ちょっと遠回りをしてしまったけれど、もしかしたらこれから、1から勉強をしなおして、同世代の友人たちを作り直す未来があるのかもしれない。


元キメラゴン君は...、あの手の男の子は...、結婚して娘が産まれたからといって変わらないでしょうね...。
これからも、彼なりの自由を求めて彷徨いそう。

もしも女性信者の多い宗教の教祖にならないとしたら、20年後はスパイスカレー屋さんかしら。
そんな人生も、案外悪くないのかもしれません。