◇つくづくライターでよかった


こんばんは。
突然ですが、今日はとてもいい日でした。
以前から「お会いしたいなぁ」と思っていた人に会えて、お話ができたので、おかげで元気になりました。


いや、実はちょっと凹んでいたのですよ。
凹んでいたというより、モヤモヤがおさまらなくて。。。


今月から常勤として勤め始めた職場が大変な有様だったのはすでに書きましたが、事務所の状態よりも、昭和から変わらない業務のあり方よりも、もっともっと大きな財政上の問題があることが分かって、この1週間のストレスはハンパなかったです。


ものすごくいい加減に処理されていたことがいくつも見つかり、「なんでこんなことになっているの?!」と、毎日のようにひっくり返りそうな驚きの連続。

けれど上司に愚痴を漏らそうものなら、逆に心無い言葉をぶつけられ、私は愚痴を言うことさえできないのかと...。


今の仕事は、「簡単な仕事ですし、自由度も高いので、やるべきことさえやってくれていたら、ライターの仕事してていいですよ」と言われて引き受けました。

けれど、いざ引き継いでみたら、簡単な仕事なのではなくて、


「人の良い前任者が長年、一っ言も文句を言わなかったので、簡単だと思われていた仕事」


だったのです。
真面目にやっていたらいつまでも終わらないし、労力もめちゃくちゃかかる。とてもじゃないけど、ダブルワークなんてしていられない。騙されました。


労力と時間がめちゃくちゃかかるので、省力化して時短しようとせっせとデジタル化の努力をしていたら、上の人たちに

「何が大変なんですか?今まで通りのやり方でいいじゃないですか」

と言われて、

「え?私の労力のコストは無視なん?今まで通りのやり方してたら、給料が全然見合ってませんけど?」

とびっくりし、


「コピー機(複合機)が壊れたんですけど、お金がないので新しいのが買えません。これを機に、諸々の書類をデジタル化していいですか?」

と方々に頼めば、

「え?別に今まで通り紙ベースでいいじゃないですか。コピー機やプリンターなんて、そんなに高いものじゃないんだし、新しいの買えばいいでしょ」

と言われて、唖然。
いやいや、そういう細やかな経費すら出せないような財政状況だって、説明したのになんで分からないの?


昨年度の会計報告みました?ねえ?

「見ましたよ。繰越剰余金がまだいっぱいあるじゃないですか。何が問題なんですか?」


は?


内訳ちゃんと見たんかい?
資産に計上されているのは、多額の不良債権と、実際の資産価値は0円のものと、換金不可能なもんばっかりやで?

長いこと塩漬けにしてる不良債権を損失に計上したら、赤字額はえらいことになるんやで?

使える運転資金は、スズメの涙ほどしかないやんけ?これっぽっちでどないせぇっちゅうの?

会計素人の私が見てもツッコミどころが満載やのに、あんたらどこ見てはんの?


と、絶望してしまいました。


もうこれ以上先送りにはできない問題が山積みなのに、それを報告してもスルーされる。ことの深刻さを理解してもらえない。

あっ、なるほど。


だから前任者さん。すっかり投げやりになって、仕事がテキトーになっていったんだ。。。
やっと分かりましたよ。。。


「そうなのよ。私もずっと説明してるんだけど、みんなに全然分かってもらえなくて、それでもう『知らん!』ってなって、いちいち報告しないで、いい加減にやってた」


なるほど。ガッテンです。そうなりますよね。

今まで前任者さんには「なんでそんなにテキトーなんですか?」と驚かされっぱなしでしたが、テキトーになっていった気持ちが理解できちゃった。


そっか。だからか。だからいつも引き継ぎしながら申し訳なさそうで、色々と気を遣ってくれたり、ランチ奢ってくれたりしてたんですね。
全ての問題を私に押し付けて、財政破綻の間際に自分は逃げるから、後ろめたかったのですね。
了解です。


前任者さんが長年どれほど大変な思いをしてきたかも、心が折れてしまった経緯も理解できちゃったので、「今まで大変やったんですね」という労りと、「この人を逃がしてあげよう」という気持ちがにわかに湧いてきました。


それでね、話し合ったんですよ。
「協力しましょう」と。

前任者さんは、引き継ぎを終えたら気持ちよく退職できるように。そして私は、いつ失業してもいいように。二人で協力し合って、ちゃんとした業務の引き継ぎマニュアルを作ることにしました。

だって、どう考えても私たち事務員の給料を払っている場合じゃないんだもの。このままだと破産待った無しですよ。

だけど人件費をカットすれば、まだしばらくは大丈夫なんですよね。
だからこそ後ろ髪を引かれずに辞められるように、現状を包み隠さず報告する書類と、全業務を網羅したマニュアルを作るのです。


何の準備も無しに私たちが辞めてしまうことになったら、後に残された人たちがとんでもなく大変なことになりますから。
さっきも言いましたが、前任者さんがしていたのは

「人が良すぎて一言も文句を言わなかったばかりに、てっきり簡単だと思われていた仕事」

だったのです。実際にはものすごく面倒なことを、薄給なのに一手に引き受けていらした。
どうやらここ数年の仕事ぶりはかなりテキトーだったようですが、事情と心情が分かってくると、責められないな。。。


では、私たちの上にいる人たちが悪いのかと言えば、それも違うのです。
むしろ、名前ばかりで実際には何のメリットもない面倒な役職を引き受けてくれている人たちは、基本的にみんな善人。滅私奉公の精神に溢れてる。

誰も悪くない。責めるんじゃなくて褒めてあげたい。


じゃあ、何が悪いんでしょうね?

恐らく、組織の体制と時代の相性が悪いのでしょう。
もう、平成で役目を終えた組織なのに、令和になっても無理やり延命してるから、無理が生じて破綻しかかっているのです。


私は今、つくづくライターをしていて良かったなと思っています。
だって、どんなに大変な状況下でも、心の隅にそれを俯瞰して楽しんでいる自分がいるから。

なかなか無い経験をしているということは、面白いネタが増えるということ。
いつの日か書いて回収するんだと思えば、しばらく耐えられそう。