他人にやらせて中間搾取

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奴隷というのは使用頻度が高すぎる言葉で、これはこれで問題だが、やはり「他人にやらせる」というのが人間社会の基本なので、そうなってしまうのだろう。「自分でやるよりは他人にやらせた方がいい」というのがあり、「他人にやらせる人」と「こき使われる人」に二極化するので、その後者を言い表すと俗的には奴隷となるのだろう。丸投げが社会的分業の正体。他人に丸投げしてピンハネというのは人類の根源的な問題だ。ちなみに中抜きという言葉もあるが、中抜きという言葉は、以前であれば、「問屋を省いて直接取引する」という意味だった。なぜかピンハネする会社(たとえば電通)という意味で使われるようになった。人間は新しい言葉を使うことで、なにかしら新発見をした気になるのだが、ピンハネという言葉は手垢が付きすぎているのだろう。ピンハネという言葉は中間搾取と言い換えられるが、中間搾取というとマルクス主義みたいで、あまりカッコよくない。ともかくピンハネ(中間搾取)という人類の古来からの奴隷的ビジネスモデルは廃れない。士業などでも、たとえば税理士が自分で税金の計算をすることはないし、できるだけ非正規(税理士を目指している人)にやらせるわけである。税理士の試験は五科目受かればいいそうだが、まだ二科目の人とか、そういう人が税金の計算をする。税理士はクライアントを開拓しているだけである。零細の税理士だと自分で税金を計算していることもあるだろうが、それは不本意なのである。そもそも経理代行的なもの(会計ソフトの入力とか)は誰でもできるわけで、できるだけレベルが低い人にやらせたいわけである。「税理士を目指している人」という税理士未満の存在に仕事を分け与えている、という言い方も可能であるが、安い労働であるから褒められたものではない。さて、最近は人手不足であり、非正規に丸投げするビジネスモデルが成り立たないと言われることもある。「他人にやらせる」立場の人間が増えすぎて、(丸投げされるよりは丸投げする側になろうと)経営者だらけなのかもしれない。若者の人口が減っており、めぼしい若者は正規雇用になるので、非正規の若者が少ないのかもしれない。氷河期世代が加齢で使いづらくなったのかもしれない。コロナが原因で外国人の若者が流入できてないのかもしれないし、しばらくすれば流入してくるのかもしれない。
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