LSDドース(摂取量)と効果。

メディアや薬物教育が、「LSDはごくわずかな量で強烈な幻覚を〜」と言うのはもう聞き飽きました。LSDがごくわずかな量で効くことは事実ですが、基本的にLSDを使用する人はその「ごくわずか」より少ない量を使用するので、薬物の重量がいくらかというのは重要ではないのです。
 植物に含まれる様々な有効成分は、ごく微量のものが多いです。
 出回っているLSDは弱いものが多く、幻覚らしい幻覚を見ない人も多い。
LSDは確かに強力なドラッグではあります。ですが効果はドースに比例します。どんなドラッグも多量に飲むほど強力になり、少量ほど穏やかな効果になります。
 事実、ヘロインや覚せい剤も、ごく少量なら安全です(元々どちらも医薬品だった)。摂取量が、効果の強さ、依存性や害の大きさなどとかなり関わっているにも関わらず(たばこの、タール/ニコチン量は吸い方によって異なりますという表記のことを思い出して!)、メディア等はまるでドースの問題を無視し、あたかも全員が同じ量で摂取しているかのように言います。マイクロドース(ごく少量の摂取)している人ですら、逮捕されたら「依存症」呼ばわりされる。


 LSDは摂取量により、「全く別レベルの体験」をもたらします。
 LSDに幻覚はないなどと言う人はよく居ますが、単に含有量が少なかっただけです。ごく少量のLSDしか飲んでおらず、それでLSD体験を知ったと思っている人は少なくありません。

 このドース表は、英語検索でよくヒットする定番のドース情報をベースに、独自に編集改良したものです。


※人によって感じる効果は違うので、絶対的な説明とは思わないで下さい。
例えば200μgで起こると言われている効果を、100μgで感じる人もいるかもしれませんし、逆に250μgでも感じない人もいるかもしれないです。体重が大きい人は、小さい人より多いドースが必要になります。また、このドース表は耐性がない状態でものです。
まれに、サイケデリックスが効きにくい人や効かない人がいます。
※売人の語るLSDの容量は、間違っている可能性があるので、注意しましょう。250μgとされながら実際は100μgもないようなものも目撃されています。また悲しいことに、LSDの強さの単位すら知らない売人もいます。

LSDの平均量は、年々下がっていると言われています。LSDの容量は売人が謳う量よりはるかに少ないことは全然珍しくないです。



無耐性時のドース表


5μgーおそらくほぼ効果を感じない、マイクロドース。クリエイティビティの向上などに。意識に作用する効果がなくても、無意識の脳に何らかの影響を与えていると考えられる。

10μg ー 強めのマイクロドース。幻視などは無い。音楽を聴くと、音の深みが少し増している事が確認出来るだろう。

25μg- わずかな多幸など。大麻に似た効果。音楽はかなり広がって聞こえる。幻視はまだない。


60μgー低クオリティの紙の1ヒット。(だが本当に弱い紙はこれすらも下回る。)
水中感。光が明るく見え、色がより濃く見え、残像が見え始めるかもしれない。まだトリップと言うには弱いが、初心者には十分な効果と言えるだろう。1グラムのキノコに近い。
 まだ日常行為などが普通に出来る。目立った幻視はないが、自己について問い直す、軽い精神的なトリップが十分に出来る。
 本格的なトリップとは言えないが、音楽を聞いたり、悩みについて考えたり、レクリエーション(遊び)や、精神成長、自己反省に十分使えるドース。


100μgー理想的なクオリティの紙の1ヒット。
地面や床が動き出す。思考の混乱と複雑化。もっと考えるようになる。
短期記憶能力の衰え。脳がスピードアップし、周り全てへの意識、注意力があがる。
模様が各表面に浮かび始め、閉眼幻覚などもうっすらと現れる。
トリップしていると言えるドース。
初めてであれば新しい世界に圧倒され、楽しい時間を過ごせるだろう。大半の人はこれくらいドースで使用する。




150μgーここまでが初心者がビビらずに出来るドースと言われている。
人によっては混乱で簡単な動作が難しくなり始める。
感情の変化は非常にダイナミックに。
 まだ現実と幻覚は区別出来るので、良いセット&セッティングであれば、大きな危険性はない。
 見慣れた場所でもたくさんの新しい発見ができる。外を歩くと挙動不審で不安を感じ始めるが、景色の曲がり具合を体感できる。

200μgーここからが強くなり得る所。1枚で200含む紙はかなりのハイクオリティだと言える。カジュアルなユーザーはこれ以上をやることはないだろう。
 思考は高速で競争する。美しい色がそこら中に現れ始める。閉眼幻覚はもっとはっきりし、目を閉じると様々な色や形が現れる。人生の変わるスピリチュアルな体験が可能になってくる。多くの人はパニックせずにうまく乗り越えられるが、初めてではやらない方が良い。
 距離感や大小感は非常に変化し、視界の解像度は格段に上がる。そのため自分が巨大に感じる不思議の国のアリス症候群的なのを体験できる。
 目の前の世界が非常に奇妙な場所になり始める。
カムアップ(効き始め)の時に恐怖を感じる人も多い。(テレンスマッケナに言わせると、恐怖は物質が効いているという証拠!)
レイヴに行くと言う場合、これを超える量はやらないほうが良い。踊れると思ったら大間違い。



250μgー これはアルバートホフマン(LSDの発見者)が初めて試した量である。
 ピークは強烈で怖くもなり得るが、ピークが過ぎれば、快適になる。カムダウンには、彼はロックスターになった。閉眼幻覚は大変美しい。
シンメトリー(対称性)やフラクタルなどがかなり見える。
思考と現実の境が少しだけ混ざり始める。
 何かを考えて実行するというのが困難になってくるので、どういうトリップをしたいか立てた予定通りに行くと思ってはならない。
 異世界、別次元にいるような感覚が強まってくる。
カジュアルなユーザーにとっては十分に強烈なトリップであり、これで十分だと言う人がほとんどだと思う。これが「完全なサイケデリック状態」だなどと言う人もいる(まだまだ上があるので明らかに間違いだが・・)

300μg- ここより上はまずレクリエーショナルではない。「楽しさ」が増すと思ってこの量を摂取した人は自分の行いを悔いるだろう。この強烈さに耐えるには十分な経験がいる。
現実が遠くへ離れていくようなトリップ。日常のコンセプトが遠く離れていく。精神的に多くの事が起きるので、軽い気持ちで挑むものではない。
 想像力が外の現実と融合し始め、軽いトリップとは違う領域に入る。
 何か超越的な、神秘的な存在の気配を感じる。
 ここを過ぎたあたりからは、ピーク時の記憶や時間感覚がかなりなくなると言われる。



400μgーこれはハイドースと呼んでいいだろう。これを経験する人は少ない。この領域では本格的な悟り的体験を報告する人も珍しくない。
感覚が混乱し(音を色として見る等)、時間が歪み、「永遠の一瞬」などを体感。体を動かす事が難しくなる。感情が非常に強化。人はこのドースを人生が変わるものと言う。人によっては、混乱が激しいために悟る事が難しく、どうでもいい細かい事に反応してしまう場合が多い。
 危険性を考慮すると、トリップシッターをつけるのが望ましい。かなり現実が分からなくなるので(ピーク中に自分が幻覚剤で幻覚を見ているという自覚ができるタイミングは多くはない)、一人でやるのは賢い判断ではない。
 日常があまりに遠ざかるため、人間とは何か、人生とは何か、社会とはなにか、異次元の別視点から見てしまい、非常に深い問いをぶつけられる。トリップが終わったら、トリップ前と同じ人として出てくるなんていうのはほぼありえないだろう。恐怖の経験もほぼ確実と考えて良い。このドースが楽しいと言う人がいるとしたら、実際にはこれよりはるかに小さいドースをやっているか、ものすごく馬鹿かのどちらかだろう。


500μgー「強い」幻覚の領域。ものが他のものに変わって見える「モーフィング」などが見えるという。
エゴ(自我)の破壊や分裂。ものが話しかけきたり、矛盾したものを同時に感じたりする。現実感の喪失。時間という概念は完成に無意味になる。合理的な思考を形成することは非常に難しい。重度な精神病的体験とも言えるだろう。
 経験の多い人でもここで線を引く。視界は完全にフラクタルの模様で埋まり、何かを眺めると無限の奥底まで見える。幻視の深みは何マイルも続く。マンデルブロット、スパイラル、波の干渉パターンなどが見える。
 閉眼幻覚は強力で、トリップの強烈さから抜け出したくなるだろう。(目を瞑って幻覚のヤバさから逃げようとしても無駄、目を瞑ったら開けているときよりもサイケデリックになる。開けても閉めても逃げ場はない)
何が起きたか、説明が出来ず、起きた順番や長さも分からない。
 様々なエンティティー(存在)や、神などと対話したり、または自分が神になるという体験を報告する人が少なくない。


600μgー 300μgのピークで体験出来る幻視が、最初の1時間の段階で現れる。自我もかなり早い段階で消失。動く事は無理に近く、黙って座っている必要がある。思考のスピードは凄まじく、自分でもついていけない。

700μg- テレンスマッケナによると、DMTブレイクスルーの最初の数分のピークが終わった直後はこれくらいの強さ。
 身体離脱体験。五感超越体験。五感の融合。説明不可能な体験。
 合理的な思考はできず、喋ったり歩いたりする能力が正常に機能することはない。
 

〇〇これ以上ドースを増やしても、それほど強さは変わらず、トリップ時間だけが伸びて行くだけだと言われている。


1000μg- ほとんどの人はここまで到達しない。シャーマンや高みを求める人のみであろう。
 もはや幻視以外のものは見えない。
想像を絶する事が起き得る。
 多くの人はこの体験には準備ができておらず、強く恐怖する事になる。
 自分が死んだと思う者も多い。一人でいて、電話の数字が見えれば(※見えない)救急車を呼ぶだろう。(※そもそも救急車を呼ぶという高度なコンセプトを理解し、実行する事が無理)
 
 DMTブレイクスルーに近い体験。 これを体験した人は少ない。この量は一部の人にとって、かなり危険である。目の前の自分の手も見えない。
 エゴ(自我)は完全に失われる。賢者や神のような存在に出会い、宇宙の真理を教えてもらうというモチーフのヴィジョンがよく報告される。
 感覚は普通の様には機能しない。宇宙やもの、全てとの融合。現実(感)のなさは強烈すぎて、説明は不可能。少量摂取で起きる現象はまだ比較的説明しやすいが、ここまで来ると言語では説明不可能である。それまで持っていた最も基本的な認識論すらも疑わなければいけなくなる。






おまけ情報〜サンドス社のLSDドース〜

・合法時代のサンドス社のLSD、「Delysid 」の説明書に書かれている推奨ドースは、0.5〜2μg/kgです。これは体重60キロの場合、30〜120μgということになります。
神経症の治療を目的とした初回ドースの平均は25μg、使用ごとに20ほど増量し、セッションは7〜15回程度行う。
 サイケデリックスを使用した精神療法は抗うつ薬のように飲むだけで脳に効くというわけではなく、あくまで「体験」を誘発するものです。体験が個人的な意味を持ち、その人の精神構造や人格を変える力を持ちます。なので誰にも当てはまる普遍的な処方箋など存在しません。人によって向き不向きがあり、必要なドースも異なるでしょう。
 Delysidの推奨ドースはけっこう小さいようですね。特に初回は。医療シーンでは200μgで十分にハイドースと言われるでしょう。それ以上はリスクと副作用が増えすぎる。恐ろしすぎるのもあるが、混乱や自我の崩壊、分裂が強すぎるので有用な経験を取り出すのも難しくなる。準備が出来ていないぶんだけアイデンティティの危機に陥る危険性も大きい。
 このアイデンティティの危機は自我肥大と呼ばれているもので、サイケが「明らかにした」精神内容の量と重さに自我が耐えきれず膨張しすぎたことを言う。

 心理療法としてのサイケの効能は、主に抑圧されたコンプレックスの自覚にある。これは巨大なドースがなくても達成できる。ドースそのものより内省やカウンセリング、つまり自己や他者との対話の質にかかっている。ハイドースになってくると解離が強すぎるので、心理療法的効果はむしろ下がってしまうと思われる。かわりに好奇心を満たす冒険、宗教的な修行、霊的な旅などといった側面が強くなってくる。






・無断転載について
報告は不要ですが、元サイトのリンクくらいはつけてやったほうが常識的なマナーかと思います。
あと、売人がサイケ摂取を「勧める」ためにこの情報を使用することは禁止します。
この表は、より多い容量の摂取を動機付けるためのものではありません。むしろハイドースの危険性を伝えるためのものです。