公務員と民間企業の併願は可能?ポイントは?
- 2020.12.29
就職・転職活動をしていて、公務員と民間企業の併願を考える方が増えてきました。
民間企業でしかできないこと、公務員だからこそできること、それぞれ魅力があります。
ですが、「公務員試験は難しいから専願でないと無理かも。」そう考えて、ためらう方も多いのも事実です。
本稿では、公務員と民間企業の併願の実現するための条件やコツについて徹底解説します。
ぜひ参考にして、人生の選択肢を広げることにお役立てください。
目次
実際に併願は可能なの?
公務員と民間企業の併願は可能
結論から申し上げると、公務員と民間企業の併願はもちろん可能ですし実現可能性が低いものでもありません。
両者を併願してはいけないというルールはありませんし、筆者の教え子の中にも、併願して公務員も民間企業も内定を取られた方は多くいます。
公務員と民間企業を併願しようと考えている人には
- 公務員が本命で民間企業も併願してみたい
- 民間企業が本命で公務員も併願してみたい
- 公務員か民間企業か絞り込めていない
これらの中で、2つ目の「民間企業が本命で公務員も併願してみたい」と考える方は少数派だったかもしれません。
でも、昨今の社会情勢から、公務員に興味を持つ方も増えてきています。
では、併願すべきか否か。併願のメリット・デメリットについて分析してみましょう。
併願するメリット
選択の幅が広がる
最後に就職できるのは、もちろん一社のみですが、就職活動って面接を受けるうちに志望や適性に気付くことが多いものです。
公務員も民間企業も別物ではなく、同じ就職活動と横並びに考えて、選択の幅は広いに越したことはありません。
特に民間企業への就職しか念頭に置いてないと、情報がないだけで、公務員の職域の広さを知らないことは大きな損失といえます。
出身大学、学部、学歴に左右されない
ほとんどの公務員試験の受験資格は年齢制限だけです。
国家公務員、地方公務員問わず、年齢制限にひっかかりさえしなければ受験できます。
大卒程度とされる採用枠は、試験のレベルを指しているだけで、中卒でも高卒でも受験できます。
いわんや、出身大学・学部によるふるいに掛けられることもない、非常に公平・平等な採用試験です。
勉強したことは決して無駄にならない
公務員受験で最も不安に思うのは、法律とか経済とか、あれだけ多くの勉強をしても不合格だったら、時間も労力も無駄に終わるじゃないかということです。
ですが、仮に残念な結果になったとしても、ここで勉強したことは大きな財産になります。
筆記試験の勉強をしたことで、「社会の見方が変わった。」「政治・経済の報道を聞いても何が問題なのか理解できるようになった」と、公務員の受験生は語ります。
さらに、勉強したことを活かして、資格試験にチャレンジする道も開けます。
リスクヘッジ
公務員試験の面接まで行ってから不合格になった場合、その時点だと民間企業の大半は選考が終わってしまっています。
公務員の勉強と並行して民間企業の就職活動を進めておけば、どこにも就職できなくなるリスクを避けることができます。
併願するデメリット
時間が取られる
民間企業も公務員も就職活動という意味では同じで、面接対策はどちらを受けようが労力はさして変わりません。
ですが、公務員試験には筆記試験の物量が多く、勉強に絶対的な時間を必要で、生活の色々な時間を削らなければならないのは辛いところです。
やっぱり単純に大変
大企業だとESのハードルは高く、面接対策と情報収拾にも多くの時間がとられます。
公務員の試験準備は長丁場で、筆記試験対策だけでなく、民間企業の就活と同程度の面接対策が必要です。
なので、肉体的にも精神的にも大変なのは否めませんし、心が折れそうになることもしばしばです。
併願をするにあたってのポイント
メリット・デメリットを踏まえ、「やっぱり併願したい」と考える方のために、ここでは、併願を成功させるポイントについて解説しましょう。
スケジュール管理が成否の8割を握る
民間企業の選考スケジュールは、6月から面接や選考が解禁というパターンが一般的です。
ですが、経団連が2021年卒から就活スケジュールに関与しないと発表したので、選考スケジュールを変更する企業があるかもしれませんし、これまでも独自のスケジュールで選考を進める企業も少なくありませんでした。
早い場合だと、5〜6月には内定が出多人もいます。
他方、公務員は筆記試験準備を本試験の1年〜1年半くらい前からスタートするのが通例です。
そして採用スケジュールは、概ね、5~6月に1次試験と合格発表、6~7月に2次試験(面接など)が行われ、内定が出るのは早くて7~8月、職種によったら翌年になる場合もあります。
つまり、1年以上前から準備を始め、民間企業の内定が出始める頃にようやく1次試験始まり、最終結果が出るまで数ヶ月かかるのがほとんどです。
併願する場合には、公務員試験の勉強スケジュールをこなしつつ、民間企業のES提出や面接対策をしなければなりませんし、民間企業を手当たり次第に受けていたのでは、公務員試験の勉強の妨げになりかねません。
したがって、行き当たりばったりでは対策が困難で、計画性がモノを言います。
情報収拾
民間企業は、企業ごとに選考の日程や試験内容は異なります。
同様に、公務員試験には、国家公務員だけでも、総合職、一般職、専門職、裁判所職員、国会職員など、多種多様で試験科目・出題数・形式も日程も様々です。
地方公務員も、都道府県、市区町村は全て独立した団体で、個性豊かです。
民間企業同様に説明会やインターンシップを実施する自治体、省庁も多くあります。
民間企業の就職活動に限らず、公務員試験も今や情報戦です。
なので、情報収拾は併願の成否を左右すると言っても過言ではありません。
公務員の職種に共通項のある企業や業界を志望する
公務員の職種と共通項のある民間企業にエントリーしましょう。
受験する公務員の職種と民間企業が、全く関連性のない業種であると、志望動機や自己PRの作成に二重三重の手間暇がかかるからです。
例えば、地元の市役所を受験するのであれば、地元の信用金庫を併願するのは、併願に一貫性が伺われます。
とはいえ、あらゆる企業は、行政との関わりなりには企業活動はできません。
無数にある許認可、給付金や貸付金などの企業支援、産官連携プロジェクト、課税……我々の生活のいたるところに行政との関わりがあります。
特に地方自治体の業務は多岐にわたります。
ですから、民間企業の企業研究・業界研究をしっかりと行えば、行政との関係、ひいては公務員の職種との共通項のある企業や業界を見つけることができます。
これらの作業は、志望動機や自己PRの作成にもなって、一挙両得です。
筆記試験の負担が少ない「新方式」を受験する
地方公務員では、これまでの採用方式(一般方式と呼ばれます)に加えて、「新方式」呼ばれる採用方式を採用している自治体が急増しています。
民間企業と同じように、ESと面接を中心に採用試験を実施し、民間企業に流れる人材を確保するのが目的です。
例えば、大阪府は橋下府政の時代に、全ての採用試験で難しい筆記試験を廃止しました。
試験の実施時期も、一般方式とは別日程を設定し、前倒ししている場合も多く、民間企業と併願しやすくしているところも多くあります。
特に、「民間企業が本命で公務員も併願してみたい」と考えている方には、絶好の採用方式ですよね。
試験日程や内容は自治体によって様々なので、しっかりと情報収拾して併願先の候補にされるといいでしょう。
プロの手を借りて効率的に対策を
なんだかんだ言っても、公務員試験の準備には時間と情報が必要です。
スケジュール的にきついなと考えたら、さっさとプロの手を借りることを考えましょう。
公務員試験と民間企業の就職活動の準備に必要な時間を捻出するために、「時間と情報を買う」のです。
確かに、公務員受験予備校を利用すれば、金銭的コスト(大手予備校の通学講座だと30〜40万)がかかります。
ですが、これは「受験予備校を利用する=時間と情報を買う」ことへの出費であり、自分への投資です。
これくらいの投資は公務員に合格すれば最初のボーナスで回収できますし、公務員として働くことのリターンは大きいです。
最後に〜迷っているならとにかく一歩踏み出す〜
併願するか否か、どこを併願するのか迷っているなら、とにかく始めましょう。
まずは、時間が必要な公務員試験対策からです。
どんな職種があって、出題科目、勉強方法といった情報取集からでも結構ですし、とにかく勉強を始めるのもいいでしょう。
特に、数的処理はどのほとんどの公務員試験で出題されますし、民間企業で出題されるSPI対策にもなります。
自治体研究、省庁研究、企業研究をするうちに、やりたいこと仕事の輪郭がみえてきます。
就職活動は、探りながら準備するものだと考えて、とにかく一歩踏み出すことです。
公務員を目指す場合には、効率よく試験対策ができる予備校の活用を考えましょう。
アガルートアカデミーでは、過去の試験問題等を徹底的に分析した上で、公務員試験に最短合格できるカリキュラムをご提供しています。ぜひご検討ください。