1日から4日にかけ西北西へ向かうと思いきや、東方向へ転じ九州・西日本に近づくような予想進路が示された台風6号。SNSなどでは「台風右折するんか」「急カーブやん」など驚く声が上がった。なぜこのように特徴的な予想になったのか、前田智宏気象予報士は、「急カーブではなく、ウロウロ停滞しそう。西日本に近づくかどうかは、太平洋高気圧が守り切れるかどうかの勝負」と、最新の見通しを話した。
最近の記録的な猛暑は 太平洋高気圧が強かったため
ここ数日、日本列島は、太平洋高気圧にしっかり覆われ、猛暑が長く続きました。台風5号は西へ進みましたが、5号よりやや東の海上で発生した台風6号は、日本に近づくルートをとりそうでしたが、太平洋高気圧の「高い壁」に阻まれて、進むことができず、高気圧の縁(ふち)を通る形で、西方向へ進んでいました。(下図参照)


「太平洋高気圧が弱まり、台風の進む道ができた」
ところが、強かった太平洋高気圧が、今週末の5~6日にかけて、西日本への張り出しが弱まるとの予想が出たため、「高い壁」が無くなって、台風が東へ進む可能性が生じました(上図参照)。ただし、『急カーブする、というわけではなく、ウロウロ、停滞するでしょうね』
気象庁の台風の進路予想は、予報円が数日間重なっています。前田気象予報士によりますと、これは、台風が沖縄付近で停滞気味になることを示しているといいます。そもそも、夏の台風は、上空の風が弱いこともあって進み方が遅く、迷走しがちなのだというのです。そのため沖縄地方には、あす2日に台風が最接近し、とどまって週末あたりまで影響が長く続くおそれがあるということです。