「北マケドニア共和国」に改名で合意 ギリシャとの対立解消へ
【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャのチプラス首相とマケドニアのザエフ首相は12日、電話協議し、ギリシャが求めていた国名変更を巡り、「北マケドニア共和国」への改称で合意した。最終決着には両国議会の承認と、国民投票を通じたマケドニア側の憲法改正が必要。両首相とも野党や世論の反対に直面しているが、今回の合意は問題解決に向けた大きな一歩となる。
ロイター通信によると、ザエフ氏は12日、「後戻りはない」と強調した。国名問題を解決することで、ギリシャの反対で阻まれている将来の北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)加盟への道が開けるとも述べた。
マケドニアは旧ユーゴスラビア連邦から1991年に分離独立したが、マケドニア地域は古代ギリシャのマケドニア王国に由来し、ギリシャにもまたがる。同国は「領土的野心を示す」として、国名変更を要求してきた。チプラス氏は12日、「ギリシャ側の条件をすべて満たす良い合意を得た」と語った。
ギリシャはバルカン半島におけるロシアの影響力拡大を懸念する米国やEUから妥協するよう求められており、7月のNATO首脳会議が問題解決の期限とみられていた。