位置情報ゲーム「Ingress」や「Pokemon GO」を手がけるNianticは、日本の東京に開発拠点である「Tokyo Studio」を4月に設立した。7月31日、Tokyo Studio代表の野村達雄氏から初めて報道陣向けにその狙いが説明された。
Nianticは2010年に設立されたGoogleの社内ベンチャーで、2015年にGoogleから独立。同社が2012年にリリースしたIngressは2000万ダウンロード、2016年にリリースしたPokemon GOは8億ダウンロードを超えるという。現在は、ハリー・ポッターを題材にしたゲーム「Harry Potter : Wizards Unite (邦題未定)」を開発中だ。
ゲームタイトル以外の取り組みとしては、ARを利用してデジタル世界と現実をつなぐ「Niantic リアルワールドプラットフォーム」を開発している。たとえば、複数のプレイヤーで同じ空間で撃ち合ったり、オブジェクトの奥行きを判定してピカチュウが机の上に乗ったりできる基礎技術を開発しているという。
Nianticはこれまで米国に開発拠点を設けていたが、今回初の地域開発拠点を日本の東京に設けた。野村氏は日本を選んだ理由として、IngressやPokemon GOの熱狂的なファンが特に多く、市場がさらに成長する可能性が高いことを挙げた。
また、日本ならではの歴史や文化、豊富なコンテンツも決め手だったという。「Ingressを通じて、長年住んでいた自宅の近くに大きな大仏があることを知ったユーザーがいた。また、Pokemon GOで渋谷に水ポケモンがよく出るのでユーザーが調べたところ、地下に水路があることが分かった」(野村氏)。日本に拠点を設けることで時差や言語の問題も解決できるとした。
Tokyo Studioは当初、野村氏を含めたグーグル出身者やドワンゴ出身者など6名のメンバーで始動した。2018年内に倍の人数まで増やす予定だが、国籍や年齢などは問わないという。“人を外に連れ出して冒険させる”というNianticのミッションに沿った新たなゲームタイトルをリリースしたいとしている。「世界にインパクトを残せるプロダクトを日本から発信する」(野村氏)。
ナイアンティック代表取締役社長の村井説人氏は、「われわれはARテクノロジのパイオニアだと考えている。ARが社会に与えるインパクトは未知数だが、未来の主役になるテクノロジだと信じている」と挨拶。Tokyo Studioは同社にとって重要な位置づけであり、「世界基準で社会にインパクトを与えられるチャレンジングなチームになると思っている」と期待を寄せた。
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