誰でもISBNを発行して書籍を販売できる「MyISBN」ベータ版

 デザインエッグは3月1日、個人でISBNを取得し、書籍をAmazon.co.jpから出版できるサービス「MyISBN」ベータ版を公開した。料金は4980円。

 ISBN(国際標準著書番号)は、世界共通で図書を特定するための番号。出版社などから刊行されて出版取次や書店で流通する出版物のほとんどに適用されている。従来の電子書籍や同人誌などの個人出版物は、ISBNが付与されていないため国会図書館などで正規の図書保存ができない。

 MyISBNはPDFファイルなどの原稿をアップロードすれば、ISBNを発行する日本図書コード管理センターへISBNの代行取得業務をすることで、個人でもISBNを付与した出版物を作成できるサービス。ISBNを取得した原稿は、そのままAmazon上でプリントオンデマンドで販売できる。紙媒体でもISBNのついていない書籍は流通に乗せることが難しいが、このサービスを使えば、流通に乗せられるという。

 デザインエッグ代表取締役の佐田幸宏氏は「これまで、紙の書籍を出版するには多額の初期費用がかかった。最近では電子書籍が盛り上がりをみせているが、情報を形で残すための環境は整っておらず、紙の書籍を出版する需要はまだまだ高い。(MyISBN によって)ISBNを誰でも簡単に取得すれば、紙の形で未来に情報を残すことができる」と語る。

 世界共通の図書認定を受けられるが出版までのハードルが高い出版社書籍と、手軽に誰でも出版できるが、図書認識されない電子書籍や同人誌。MyISBNは両社の差を埋め、電子書籍や同人誌でも、広く「世界標準」の形で紙の書籍として発行することを助ける。

 今後は、個人でも出版ができる環境づくりを中心にサービスを展開していく。「出版業界のインディーズ・レーベルとして、大手では出せない多種多様な著書を出し続ける出版社を目指したい」(佐田氏)。今年中に、1万5000冊の書籍発行を目指している。

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