「ようこそナイトシティへ」(ここでもうグッときちゃう)
いろいろあるNetflixオリジナルアニメシリーズに凄いのがやってきた! 世界で2000万本売れたゲーム『サイバーパンク2077』の1年前を舞台にした全10話で駆け抜けるアニメシリーズをあのTRIGGERが制作して2022年9月にNetflix独占公開!
これはサイバーパンク系のお手本作品にいつも上がる常連作品に確実に加わるレベルの新たな伝説だぜ...というぐらいに出来がよかったです。
このエモーションと喪失感を外部記憶装置に残しておかねばなるまいとまたゴーストが囁くので(別作品ノルマ)、このエントリではTRPGが分かるマンの視点から、感想や考察をオタク特有の長文乙な感じで書いて行こうと思います。一部ネタバレしてます。
- 「ようこそナイトシティへ」(ここでもうグッときちゃう)
- 『サイバーパンク』シリーズとは
- 「この世界で名を残す方法はどう生きるかじゃない…どう死ぬかよ」(←ここでもグッと(ry
- キーワードとか
- 登場人物雑感
- おまけ:『トーキョーN◎VA』にスタイル換算してみたよ
- まとめ:エッジランナーズ最高じゃあないっすか...
『サイバーパンク』シリーズとは
SFのジャンルとしての「サイバーパンク」とは?と定義を突き詰めるとまた長いのですが、自分的にはそれっぽければサイバーパンクでいいじゃないか...お前がサイバーパンクだと思ったものがサイバーパンクなんだぜチューマ...と禅問答的に思っています。
映像作品でメジャーなものといえば『攻殻機動隊』が有名ですね。でも素子少佐たち公安9課は体制側の人なので「サイバー」だけど後半の「パンク」の反逆の要素はないのでサイバーパンクではないという解釈もあります。(でもめんどいので略)
このジャンルとしてのCyberpunk
と同名の『サイバーパンク』シリーズとして、同じ世界観の同一のタイムラインの架空の未来、暗黒の未来(ダークフューチャー)の地球を舞台にした一連の作品群があります。
『サイバーパンク2.0.2.0.』
こちらは自分でキャラクターを作って紙とペンでシートに書いて乱数要素をサイコロで算出して、ゲームマスターと一緒にストーリーを作り上げていくテーブルトークRPGを媒体にした作品。タイトル通り架空未来の西暦2020年、分解した新アメリカ合衆国西海岸カルフォルニアあたりにある架空の都市ナイトシティを舞台にサイバーパンカーとしてヒャッハーするゲーム。アメリカのR.タルソリアンゲームズ作、日本語版が1993年に販売されました。
真っ黒な表紙に赤い走り書き風の文字で"Cyberpunk"
のロゴ、銃を持ったヤバげなお兄さん、なんかワルっぽい非合法感と未来感があってカッコイイ...!と思わす一味違うルールブック。
当時の日本のTRPG界も映像作品でいうと『LotR』シリーズみたいなファンタジー世界が舞台の作品が多かったのですが、主要な作品をだいたいやり込んでもっとマニアックな刺激が欲しい層、より通なゲーマを気取りたい層など、初心者を脱して中級者以上ぐらいで厨ニ心にピピッと来ちゃったTRPGゲーマー陣に熱狂的に受け入れられました。
当時大学生だったワイ氏も恥ずかしながらその一人だった訳ですよ...フヒヒ(サーセン)
シビアなルールで銃撃戦して頭に当たるとすぐキャラクターが死んじゃったり、ルールに意外と煩雑なところがあったりでプレイしづらく荒削りな部分はある作品でした。
その一方でとにかくルールブックがなんだかカッコイイ! 「だってお前は、”サイバーパンク”じゃないか」とか「〜お前はその代償を喜んで払い続けるだろう。なぜならお前はソロだからだ。」とかことあるごとに読み手に語りかけてくるスタイル、ゲーム内世界のキャラクターの台詞での世界観の描写、ゲーム内世界の商品カタログみたいな形式でのアイテムデータ類の表示など、膨大な情報を詰め込んでゲーム内世界への没入感を高める描写が秀悦。後の様々な日本製TRPG作品群にも大きな影響を与えました。
そして舞台の街ナイトシティ、世界の歴史もゲーム内で解説されているのですが、タイトル通り西暦2020年に至るまでの背景設定がキレッキレでぶっ飛んでて面白い。アメリカは弱体化して分裂してるし戦争も災害もてんこもり、CIAやFBIは率先して汚職にまみれてUSA失墜の元凶になっています。
80年代から始まったサイバーパンク・ムーブメントのお約束として日本はとにかく悪! アラサカを始めとする日本発の現実にはない悪徳企業が摩天楼に君臨! 娯楽の世界ではスクエニもなくて、セガ+アタリが合併したセガタリ社が覇権! GAFA+Mも生まれず、インターネットも生まれずに別の形でサイバースペースが生まれたこの架空の歴史がなかなか面白い。90年代当時はすごく刺激的で、現実の2020年もどんな未来になってるのだろうとそれはもうワクワクしたものでした。
それがこの記事を書いている2022年にはもう過去なんですよね...時の流れってヤツはもう...(涙) さすがに現在時点だとこの『2020』の新品はもう売っておらず、復刊リクエストが出たりしています。
僕もTRPGセッションとしての実際のプレイ回数はそんなでもなかったのですが、眺めてるだけでも楽しいのでイメージソースにはよく使っていました。その後日本語版で出たルールブック以外の商品群もたしか全部持ってましたね。
1990年代当時の世相というと、SF小説のウィリアム・ギブスン作のクラシックな名作『ニューロマンサー』を始めとする作品群が話題になったり、サイバーパンクがムーブになった頃でもあります。映画でいうとギブスンの短編『記憶屋ジョニィ』を映像化した知る人ぞ知る『JM』で、若き日のキアヌ・リーブスとビートたけしが何気に共演したのが95年。
押井守版の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に世界が湧いたのも同じく95年。元はニューロマンサーの映画化企画から始まって別作品になった『マトリックス』の映像革命に世界が熱狂したのがちょっと後の99年でありました。
『サイバーパンクRED』
こちらも媒体はテーブルトークRPGで日本語翻訳版が2022年に発売。TRPGの進化に合わせて『2020』のルールの煩雑さが改良、キャラクターの負傷がゲージ制だったのがわかりやすいヒットポイント制に変更。背景世界の変化に合わせて電脳世界のネットランの仕組みが変わったり大量にあった銃器やサイバーウェアなどのアイテム群はメーカーは違ってもデータ上は同じものに扱われるようになったり、様々にリファインされています。
そして舞台はこちらも同じくナイトシティなのですが、タイムラインは西暦2045年に進行。世界設定の変化も詳しく語られていて資料的な価値もあります。
第四次企業間戦争がこじれてアラサカ社とミリテク社は全面ガチンコ対決。アラサカ・タワーは二度の襲撃を受けた上に戦術核爆弾の爆発で壊滅!(設定でこれをやっちゃうのがアメリカンな大味で笑います。TRPGで作ったPCとか有名NPCとかだいぶ死んで困るやろ!w) アラサカ社は一旦はナイトシティから撤退して本拠の日本で力の回復に勤しみ、その中枢では3つの派閥が権力の座を狙っています。
ロゴが現実のIBMに激似だった欧州の大物企業EBMはドイツでクーデターを起こして自滅したり、サイバースペースの崩壊で有名企業が消える一方で新しい企業が出てきたり、軌道では相変わらずクリスタル・パレスを拠点にハイライダー達が汚れた地上を見下ろす。
ナイトシティから立ち上る煙と異常気象で空は赤く染まってしまった「赤の時代」。国家間の貿易はもはや機能しない状態になって、物資や人の移送にはキャラクターの職業/生き様を示すロールのひとつである「ノーマッド」が率先して活躍する時代になっています。
ルールブックには短編小説風の章が3つほど入っています。
- 作内世界で有名なロッカー、ビデオゲーム版の『サイバーパンク2077』でもおなじみのジョニー・シルヴァーハンドが当時の仲間の凄腕の戦闘屋のローグたちと一緒にアラサカ・タワーに突撃、恋人のオルト・カニンガムを助けに行く話。キラーウィルスを無理やり作らされていたオルトは肉体が死んでしまい、精神が電脳世界に閉じ込められてしまう。Never fade away...
- もう1回ジョニー・シルヴァーハンドが仲間と一緒にアラサカ・タワーにリベンジで凸る話。ここでタワー最上階を守る超つよつよサイボーグのアダム・スマッシャーにやられてしまう。作中世界で最強と言われていた凄腕戦闘屋のモーガン・ブラックハンド+ミリテク社の精鋭部隊が別働隊で動いていたが、これがなんと囮! 持ち込まれた戦術核が爆発してタワーが崩壊して全てが終わる。
- Where is johnny? ジョニーは死んだが、遺体は完全義体のある人物が回収して無事だったというストリートの噂話は本当なのか? というのを確かめるべく、2045年時代の別キャラクターたちが旅する話。
『2077』でも密接にリンクしてくるこのへんのエピソードを確かめるために読んでみるのも面白いと思います。僕はもうTRPGやる機会ないのに買ってしまい、設定を読み込んでしまいました...
『サイバーパンク: エッジランナーズ』
そしてアニメシリーズの本作。舞台はビデオゲーム版の1年前の西暦2076年で密接にリンクしています。
ちなみにここからタイトルロゴの"Cyberpunk"
の文字はフォントがちょっと変わって黄色になります。
『サイバーパンク2077』
話題になったビデオゲーム版。作ったCD Project Red(CDPR)社はアメリカでなくポーランドというのが面白い。タイトル通り2077年が舞台です。最初のタイトル発表が2012年、時間が掛かってやっと2020年末に発売、当初はバグの多さに炎上したりしましたがパッチが当たって徐々に回復、作り込まれた世界観が評価されました。
売上2000万本クラス、アニメシリーズの本作のヒットの相乗効果でまた伸びたそうですね。
「この世界で名を残す方法はどう生きるかじゃない…どう死ぬかよ」(←ここでもグッと(ry
企画からかなり時間をかけてCDPR社と日本のスタジオTRIGGERで綿密に話し合いを続け、満を持して地上波でなくNetflixオリジナル作品として配信されました。
16才以上推奨、飲酒喫煙ドラッグに暴力あり、ヘッドショットで人が死ぬグロ場面とかえっちな場面とかもあり完全に大人向けではあります。でも世界展開向けに普通の日本のアニメと一味違うポップな絵柄(と言っていいのでしょうか)でもあり、あまり抵抗はなかったですね。大胆な色使いはいつものTRIGGER作品らしい!
予告編がいくつかあるのですが、TRIGGER編集版が一番刺激が強いです。
TRPG版から知ってるとね...ナイトシティの夜景が映るあたりからもう感動しちゃうんだぜ...(´;ω;`)ブワッ
日本向けアニメ諸作品とまた一味違うOP。世界展開の作品らしく、フォントの使い方とかもかっこいい。歩いていく主人公のデイビットが破滅していくのがもうここで暗示されています。
最後に額を撃たれてしまう相手が特定の人物でなく、ナイトシティそのものを表している...というのが『サイバーパンク』の世界観を表していてイイ。ナイトシティを敵に回しては生きていけない..という要素は作品に残すよう、CDPR社からも提示されたそうです。
エンディングのほうは、主要キャラクターの中のルーシーのみの登場となっています。これが作中の時系列でいつなのかを考えてしまうともうね...(´;ω;`)ブワッ
全10話で一本の長い映画みたいな感じなので続けて見たほうが面白いのですが、6話で一旦区切りがついて続きは数カ月後、この間に主人公のデイビッドも17歳→18歳にアップデートしています。2つに分けるなら1〜6話、7〜10話で分けて観るとよいでしょう。
キーワードとか
アニメ作品として作りこまれた世界観
『2077』の場面をそのまま取り込んでアニメ絵で再現した背景、ゲーム中に行ける場所多数登場、ゲームと同じ銃や車や店なども多数登場、電話が鳴る音もゲーム版と同じに再現...とかなり作りこまれた世界観はファンを喜ばせました。電話の会話内容がそのまま画面に出る演出も大胆ですね。
なおよく見ると通話の際に表示される英文のテキスト、日本語の台詞とはけっこう違うことを言っていてかなりスラングも入っています。
『サイバーパンク』シリーズでは「よう相棒」「やあ兄弟」「Hey man」みたいな気軽な呼びかけにネオアフロアメリカンのスラング語源の「チューマ」という言葉をよく使います。綴りは choomba/choombatta
で後にchoom
。これはTRPG版のルールブックにもよく出てきてファンたちもよく使っていました。
『エッジランナーズ』作中の通話テキストにもこのchoom
は時々出てくるのですが、日本語音声だと入っていません。まあ混乱を避けるために統一したのでしょうか。
サイバーパンクとエッジランナー
「エッジランナー」(Edgerunner)
は越えてはいけないサイバーウェアの限界のエッジ、最先端のカッティングエッジ、危険やスリルや破滅や刹那的な快楽のエッジ、などなどいろんな意味を持った「ギリギリのエッジの上を疾走する者」的な抽象的な意味合いでした。
サイバーパンクな生き方を体現した作中世界の人物の中で、TRPG版では主に主人公のプレイヤーキャラクターたちを表す言葉に使われています。
職業兼生き様を表す「ロール」(役割のRole
)というものをそれぞれ持っていて、ロッカーボーイ/ガール、ソロ、ネットランナー、テッキー、メドテク、コーポレート(続編『RED』だとエグゼク)、メディア、コップ(続編『RED』だとローマン)、フィクサー、ノーマッドに分類できます。ファンタジーRPGにおけるクラスの戦士/魔法使い/僧侶...みたいなものです。
このエッジランナーたちが臨時だったり常にだったりでチームを組んでバーで集結したり、ヤバい仕事を請け負って仕掛けたり冒険したり...というのが基本スタイル。見た目がSFでも根本的にはファンタジーRPGの冒険者パーティみたいなものです。
作中世界の人々の間で「エッジランナー」という言葉がどれだけ使われているかはTRPG版では明確には記述がなかったのですが、ビデオゲーム版の『2077』の時代だと割と使われているようです。
『2077』は主人公ヴィーさん一人で何でもできちゃうフルスタックなのでシステムが全く違い、TRPG版でいうとロールをいくつも持っているような感じになっています。最初の来歴のライフパスで選べるのがストリートキッド、コーポレート、ノーマッドとなっているのがTRPG版とも繋がっています。
ですので『エッジランナーズ』作中ではメインやデイビッドのチームはみんなエッジランナー。バー「アフターライフ」にたむろしている同業者たちもエッジランナー。お母さんのグロリアはモニョモニョを横流しして副収入を得ていましたが、組んで一緒に仕事をしていたわけではないのでエッジランナーではない。ストーリー上のノンプレイヤーキャラクター(NPC)扱いやモブ扱いである、ギャングとか警察のNCPDの皆さんとかトラウマ・チームやMAX-TACの皆さんやリパードクはエッジランナーではない...という感じの扱いになります。
というわけで言葉としては大体同じかつ「サイバーパンク」の中に「エッジランナー」が部分集合で内包されている感じなのですが、『エッジランナーズ』作中では混乱を避けるためか、呼び方は「サイバーパンク」に統一されていますね。序盤でデイビッドが面々に初めて会った頃の
デイビッド「なあ、あんたたち、“サイバーパンク”なのか」
メイン「だったら、どうした?(ニヤリと笑う)」
的なやりとりなんかはTRPGを知ってるとグッときますね。これはまさにプロローグの物語を経て、デイビッドがプレイヤーキャラクターの主人公として、新たなエッジランナーとして誕生する瞬間なわけですよ...!
ちなみに作中後半、ファラデーさんやアラサカのみなさんが捕獲対象のある人物を表す台詞でよく「ランナー」という言葉を使っていますが、こちらはロールのひとつの「ネットランナー」のランナーです。このへんややこしいですね。
ネットラン回り
『サイバーパンク』世界では正式名称NET
というサイバースペースが広がっていて、ロールの中では「ネットランナー」(Netrunner)
という職業の人(本作だとルーシーやキウィ)が得意にしています。『攻殻機動隊』によく出てくるあのハッキングシーンみたいなのができるわけですね。
このネットラン、TRPG版の『2020』だとネットラン回りだけ別ルールなので処理が重かったりそのシーンにリソースを食われてしまったり、ネットランナーのキャラクターはリモートでワークすればいいので他のキャラクターと合流する必要がなくぼっちになりがち、などの構造上の弱点がありました。
この後で時代が進むとアラサカvsミリテクの企業戦争のさなか、世界最高レベルのネットランナーとして有名だったレイシィ・バートモス氏が自分が死んだときに備えていた罠が2022年に発動。DataKrashウィルスが発動して世界のNETが分断されて情報インフラ自体が破壊され、これまでのように世界中へのネットランは不可能に。
現実世界で言ったらインターネット自体が壊れるとか、AWSやAzureが全部落ちるレベルの大事件が起きています。作中世界ではこれが原因でデータ全損で有名企業もいくつか潰れています。
なおこのレイシィ氏のご遺体は住んでいた場所ごと軌道上からのマスドライバー攻撃で消え去ってしまったそうであります。TRPG版の『2020』シリーズだと台詞がよく出てくる有名NPCだったのに...合掌...。2045年に続く『RED』を読むとシナリオフックのネタ向けに、実はNET上でだけ生きているのではという噂があります。
こうして放棄されたオールドNETにはダイブしてくる獲物を待ち構えているR.A.B.I.D.sウィルスや正体不明のAIがうろついている危険なエリアになり、一応アクセスはできますがまともなランナーは近づかないように。
TRPG版『RED』の2045年の“赤の時代"や『エッジランナーズ』の2076年には、街の中でビルとかのレベルの小規模なネットワーク内に物理的にアクセスしないとジャックインできないようになっています。
ヴァーチャリティ・ゴーグルというアイテムを頭に被ると現実世界と電脳世界が同時に知覚できる拡張現実みたいな状態、ゴーグルなしで首筋のプラグからジャックインする際は肉体が気絶状態になるという寸法です。
これは世界設定レベルでは科学技術が退化してしまっているのですがTRPG的には面白い進化で、『RED』の時代以降はネットランナーのキャラクターも他のキャラクターと基本は一緒に行動してその場で同時進行でネットランを仕掛ける必要が生じ、ぼっち問題も解消されているわけです。作中でもルーシーが過去の歴史を大まかに説明していますね。
『エッジランナーズ』作中でもこれが活かされています。某JKおじさんの倉庫で迫りくる武装ドローンにサンディヴィスタンを起動したデイビッドがなんとか立ち向かい、その横でルーシーが同時進行でドローンにハッキングを仕掛けるシーンなんかはまさにそのものですね。ここなんかはいかにもTRPGのセッション中の1シーンみたいで良きでした。
ちなみにここでルーシーたそはよくあんな短時間でやれたね!と驚かれているので、やはり年齢の割にネットランナーとしては優秀、特技レベルも高いようです。
なお危険なオールドNETへのアクセスを「ディープダイブ」と呼ぶ、専用のでっかいプラグがいる、本格ネットランでは熱暴走でヒートしてしまうのでダイブ専用のネットランニングスーツがない場合は氷風呂の中から...などの設定はTRPG版では特になかったので、その後オリジナルで設定が広がったようです。『2077』だと氷風呂とスーツはよく出てくるみたいですね。
反射神経増強とサンデヴィスタン (Sandevistan)
現代もしくは未来が舞台のTRPGでは、防具も進化していますがだいたい基本は銃の攻撃力の方が高く火力偏向気味。そして『サイバーパンク』シリーズは銃撃戦のルールがなかなかシビアなため、戦闘が発生したら「とにかく相手より速く動く」「遮蔽に飛び込む」「相手より先に銃をぶっ放してそこで倒すか傷を負わせて行動のペナルティーをつける」という、とにかく先手必勝が常道となっていました。西部劇の早撃ち勝負みたいな世界観ですね。
TRPG版『RED』では戦闘中の行動順は戦闘開始時に
【反応】の能力値(通常1~8、一般人は3とか)+ダイスで1~10の乱数+サイバーウェアなどの修正
でイニシアチブ値を出して、約3秒となっている1ターンごとにその順番に各キャラクターが行動します。そのための戦闘系キャラクターはみな反射神経増強のサイバーウェアをこぞって入れたり、何かしらイニシアチブ上昇の手段をとっておく傾向がありました。
『サイバーパンク』シリーズではサイバーウェアの中の「ニューラルウェア」という神経系の分類にあります。常にイニシアチブ値が+2される「ケレンジコフ」という製品もあるのですが日常生活中も常に反応速度が上がってしまうので人間性コストが多めの14。ということでインストールした後は必要な時だけONできる「サンデヴィスタン」がプレイヤーキャラクターが入れる定番品となっていました。TRPG版の『RED』だと以下のデータ。
1アクションで起動すると1分間イニシアチブ+3、その後1時間起動不可。人間性喪失は7(ゲーム中にインプラントするとサイコロで2d6)
確か『2020』だともっと強かったのですが猛威を振るいすぎたので弱体化したようですね。『2077』はまたシステムが全く違うので、サイバーウェアとしての種類がたくさんあって効果もバラエティに富んでいます。
『エッジランナーズ』作中に出てくるのはこのサンデヴィスタンのなんか軍用試作バージョンみたいので効果がもっと高くて副作用も大きい...という、シナリオ独自のオリジナルアイテム的な扱いなのでしょう。WikiだとMilitary Grade
のサンデヴィスタンということになっています。
こういう、ゲームを知っているとありきたりでPCがみんな入れがちなサイバーウェアを改めてストーリーの中核アイテムとして活かしているのもすごく面白い。
ちなみにTRPG版『2020』ではロールが「ソロ」(Solo)
のキャラクターは特殊技能<コンバット・センス>を持っています。(Lv1~10。作りたてで3とか4とか、伝説レベルのモーガン・ブラックハンドでLv10、アダム様はLv7とのこと)
そしてソロはこのLvをイニチアチブ値算出に常にそのまま足せるという凶悪な強さを誇っていました。「敵でも味方でもソロが一人いるだけでヤバイ」という状態です。
時代が進んだ『RED』ではこのソロの特殊技能の名前が<コンバット・アウェアネス>と変わり、イニシアチブ値上昇以外に攻撃が当たったかの判定、ダメージ上昇、知覚判定などに振分けできるようになっています。これは面白い進化だと思いました。
『エッジランナーズ』作中ではメイン兄貴たちのチームでロールがソロなのはメイン、ドリオ、デイビッド、レベッカ、あとちょっとだけ合流する人...と多く、戦闘能力は十分な構え。相手が反射神経を増強していない場合やそこらのギャングが相手の戦闘なんかだと、圧倒的に強いでしょうね。
そしてこの反射神経増強を使った際の描写、『2077』だとそのまま周囲の動きがスローモーションになる中ヴィーさんだけ普通に動けるようなビジュアル。そして『エッジランナーズ』ではPVや冒頭に出てくるサイバーサイコおじさんでもお馴染み、カラフルな残像ヴィジュアルで表現されています。
後のTRIGGERさんへインタビューによると周囲がスローモーションや静止に近い状態をアニメで表現すると作画にかなり負荷が高いのを解決する目的もあって、同じ絵を重ねていくアニメでは古典的な手法を取って作業を節約しつつも効果を出したそうです。
これがすごくアニメ的な表現方法で分かりやすくて面白い。作品中でもデイビッドが度々残像と化して活躍しています。一人だけ動く速度が違うとこうなるんだ...というのが絵でよく分かります。でもその後鼻血吹いて負荷が溜まっていくんだぜ....(´•ω•̥`)グスン
人間性(Humanity)とサイバーサイコシス(Cyber Psychosis)
サイバーサイコシスはTRPG版では「義体化精神病」「機装化精神病」などと訳されていました。強力なサイバーウェアを入れすぎるとキャラクターも強くなりますがだんだん人間をやめてしまってエッジの向こう側に行ってしまうという、暗黒の未来らしいシステムです。
TRPG版『RED』ではキャラクターの能力値の一つに【共感】(Empathy)
があり、普通1~8で一般3とか4とか、ロッカーボーイなど人の感情に訴えかけるロールのキャラクターは高めになっています。
この【共感】x10の値が「人間性」という別の値に。サイバーウェアそれぞれにはキャラクター作成時に入れた場合の人間性喪失コスト(その後ゲームに入れた場合はサイコロである程度ランダムな値になる)が決まっており、サイバーを入れまくってどんどん肉体がクロームに近づいていくと人間性が下がっていきます。そして人間性が10下がるごとに【共感】の能力値も対応して下がってしまい、対人交渉などのスキルに影響が...という具合。
なお作中世界は医療技術とサイバー技術はとても進化している設定になっており、本人のDNAに適合させた臓器培養と移植なんかは当たり前になっています。事故や病気が原因で単に目や臓器を手足を置換するだけの場合は人間性コストはかからず、強化目的で自発的に入れた場合にコストが掛かる設定になっています。
ちなみにキャラクターが買えるサイバーウェアの人間性コストは2045年が舞台の『RED』では代表的なもので以下です。
- 首筋にチップを入れられるチップウェア・ソケット:7
- 技能チップ(カツオ君も使ってるやつ):7
- 眼球を置き換えるサイバーアイ:7
- ネットラン用のマシンを体に埋め込むサイバーデッキ:3
- 皮膚装甲の皮膚繊維:7
- 腕を置き換えるサイバーアーム:7
- サイバーアームもしくは生身に入れる単分子鞭のスライスン・ダイス(ルーシーが入れてるやつ):3
- サイバーアームが便利になるツール・ハンド(ピラーニキのはたぶんこれ):3
- 拳を強化するビッグ・ナック(たぶん『2077』のゴリラアーム相当、ドリオやレベッカたちが入れてるやつ):3
- ポップアップ・グレネード・ランチャー(メイン兄貴のプロジェクタイル・ランチャー):7
- 足を置き換えるサイバーレッグ:3
- 埋込み型リニア・フレーム(全身がほぼ機械のあの人のやつ):14
目や髪の色が自由に変わったりするファッション的なものが人間性コスト0、ちょっとした機能が1-2、控えめの機能で3、標準的で7、強力だけどエッジの向こうに行ってしまいそうな危険なやつが14という具合。2076-2077年になると人間性コストはもうちょっと改良されるのかもしれません。
そして人間性と連動して【共感】の能力値が下がっていくとTRPG版では以下のルールになっています。まあこうならないように普通はプレイヤーが自制するのですが...
- 【共感】が2:解離性障害の発症間際なので、プレイヤーは「全力を尽くして」ロールプレイする。
- 【共感】が1:解離性障害が発症、サイコパスの特徴リスト(衝動的とか良心の欠如とか自我肥大化とか)から3つ以上の特徴が現れる。ロールプレイする。
- 【共感】が0:サイバーサイコになってサイコパスの特徴リスト5つのロールプレイが必要。ただしまだプレイヤーキャラクターではある。
- 【共感】が0かつ人間性がマイナスまで落ちる:プレイヤーの手を離れてゲームマスターの管理下になり、最悪の心理的傾向に従って行動。たいてい派手にくたばることに...
サイバーサイコシスの医学的な定義は解離性障害+精神病質の傾向とあるので、必ずしも攻撃とは限らないのですが、一番分かりやすいのは自分や他人をモノと見るようになって見境なく周囲を攻撃しちゃうようなパターンでしょう。
一応サイバーウェアをダウングレードしたり病院で根気強くセラピーを受けると治ることもありますが、たいていは通報されてゴーグルに目が3つあるアノ人たちが軍用レベルの完全武装で出動してきて、激しい銃撃戦の後に射殺されてニュースを賑わせてEND、となっています。
『エッジランナーズ』作中ではこちらもPVのサイバーサイコおじさんでお馴染み、目のあたりがグルグルチカチカしまくるあの独特のビジュアルでこれがサイバーサイコの兆候なんだと1話の最初に視聴者に伝えつつ、作中人物たちの破滅を映像表現でじっくり描いています。このへんもアニメ的な、TRIGGERさん的な表現方法で面白い。
またTRPG版のサイバーウェアには回数制限などはありますが、使うたびに人間性が減ったりヒットポイントが減ったりするもの、抑制剤やドラッグが必要だとかのサイバーウェアは出てきません。『エッジランナーズ』では抑制剤を何度も打つシーンがありますが、これは絵でわかりやすい映像表現のために設定を広げたのかなと思います。なんだかんだいってあのリパードクは親切やな...(´•ω•̥`)グスン 『2077』でも抑制剤は出てこないそうですね。
なお9話のタイトルがHumanity
になっていますがこれは曲の名前の引用。また終盤のキーとなる某サイバーホネホネのインストール時に画面にそのまんま「人間性」と出てゲージみたいのが上がったり下がったりしてますが、これはアニメ的な描写で特に関係ないと見た方がよいでしょう。試作型のアレ、TRPGルール的に見るとオリジナルアイテムで人間性コストはかなり高いのでしょうね。
ビデオゲーム版の『2077』のシステムでは人間性周りの話が一切排除されているそうですが、まあ主人公が一人のゲームだし仕組みが全く違うしサイバーウェアの数も多いし、これはしょうがないかと思います。現実世界の病気の人や義手や義足を体に入れている人に配慮したのではという説もあります。
下の紹介記事中にありますが、主人公さんのヴィーさんが入れているサイバーウェアの人間性コストを合計すると初期から53で、『RED』のTRPGルールに当てはめるともうアウトに近いらしいですね。まあヴィーさんは伝説のジョニー・シルヴァーハンドが脳内に住んでる特殊な人なので...
そしてなんとその後、ゲームの方でもサイコシス発症が体験できるMODができたそうです。なんとMな... news.yahoo.co.jp
登場人物雑感
~エッジランナーのチーム~
デイビッド・マルチネス (David Martinez)
★後にナイトシティに伝説を残すことになる17歳の主人公。お母さん共々ラテン系(ラティーノ)で肌の色も濃く、序盤の生活シーンでも格差社会で苦しい思いしたりしたんだろうなあというのが伝わってきます。
アラサカ社に忠実な社畜エリートを養成するアラサカ・スクールに嫌々ながら通いつつ知り合いのドク経由で入手した違法ブレインダンスのチップを回したりしていますが、ある出来事がきっかけでエッジランナーの世界に足を踏み入れることに...というのがメインストーリー。
デビュー後はロールは戦闘職のソロ(Solo)
で、サンデヴィスタンの神経加速の力をフルに使って戦います。
★TRPG版だと企業が運営するこういう学校系は特に記述がなかったのですが、まあ当然あるでしょうねえ。ちなみにナイトシティには企業の息がかかっていない総合大学もひとつあります。こっちの道を選んでいれば...
★やせ型、比較的童顔に描かれていますが途中からサイバーアップしてどんどん体格も大きくなっていくので、人はこんなに変わってしまうんだ...というのが映像でよくわかります。後半になると神経系のニューラルプロセッサー、サイバーの視覚と聴覚、肺も強化、遺産を受け継いでからは腕もゴリラアームとプロジェクタイルランチャー、皮膚装甲に両脚もサイバーレッグに足首強化してジャンプ力も強化...とクローム化が激しい。
これで特別製のサンデヴィスタンの速さで動けるのですから、もとは一般人だった経験不足を補って余りあるほど戦闘では十分強いでしょう。そんなに急いで強化しなくてもよかったんや...(´•ω•̥`)グスン
★アイテムではお母さんから受け継いだ黄色いジャケットにはEdgerunnersの"ER"
の字をもじったマークを描いて着用、『2077』内でもDavid's Jakcketとして入手できるようになっています。
バイクではヤイバ社のKusanagi
という赤いかっちょえーバイクがちゃんと出てきますね。こちらはあの伝説的な『AKIRA』に出てきた金田のバイクのオマージュとして『2077』でも有名なやつ!
★作中ではトレーニングしながらルーシーたそにストレートに年齢を聞いてしまう天然ぶりを発揮したりしもしていますが、何気に年上キラーとして無自覚のモテぱわーを発揮しています。
通して観ると彼の優しさの描写はあちこちにあり、どうしようもないクズが満載のナイトシティの中では、母子家庭で苦労して年頃なりにお母さんに反発しつつもちゃんといい子に育ってきたんだろうな...というのが分かります。TRPGのルール的にはやはり人間性の数値は高かったんでしょう...(´•ω•̥`)グスン
なおCDPR社サイドの初期デザインの主人公案はこんなだったそうです。これは...日本人のアニメ視聴者の感性から見るとコレジャナイ感がすごい...今のデイビッドになってよかった! 2020年頃のNetflixの公式ティーザービジュアルでも、後ろ姿を見せて立っているキャラがこちらのデザインになっています。
★デイビッドに関しては何を語ってもネタバレになってしまうのですが、その後作中世界のバー「アフターライフ」では彼の偉業を称えたThe David Martinezというオリジナルカクテルがお値段150ユーロダラーで飲めるようになっています。
このカクテルは二コラ・クラシックという作中世界のコカ・コーラみたいな飲み物がトッピングされてて炭酸風味だそうです。でもデイビットは炭酸が苦手なのよね...(´•ω•̥`)グスン
ルーシー (Lucy, Lucyna Kushinada)
★デイビッドがエッジランナーの道を選ぶことになるきっかけを作ることになる女性。ロールはネットランナー(Netrunner)
でキウィ姉貴が拾ってきて教え込んだ後輩ということになっています。髪は地毛が白でパステルに染めていて目は紫。
ジャックイン時に首筋の端子を使いやすいように髪はショートカットというのもハッカー系女性キャラの約束として、服装が黒のハイレグレオタードスーツにジャケットと、このへんかなり『攻殻機動隊』の草薙素子スタイルを受け継いでいる感があります。やっぱりサイバーパンク系作品のノルマなんでしょうかw Wikiにもデザインで差を出すのに苦労したという記述があります。といっても似てるのはそこまででですね。
★メインの武器は左腕に仕込んである単分子鞭(『2077』的にはモノワイヤ/Monowire
)。強靭な単分子結合で作られているので何でも斬れるというSF感あふれる理屈になっているこの武器、サイバーパンク物だとお約束的によく出てきます。ムキムキメン+でっかい銃やらでない、スタイリッシュなキャラクターや女性キャラクターが持っていると様になるアイテムなのでこのへんのチョイスは嬉しいところ。
Netflix公式のイラストだとワイヤは白色に発色していますが、本編だとオレンジ色になっています。普通の紐っぽくも使えて、スイッチを入れた時だけ斬れるという便利仕様になっているようです。
なおプレイ動画にありますが『2077』では何でも常時スパスパ斬れるほど強くはないようです。(そりゃそうかw)
★サイバーウェアはサイバーの視覚に聴覚、ネットラン用のデッキを体に埋め込んで携帯不要にするサイバーデッキ、インターフェースプラグ類など、ネットランナー向けに軽めに抑えています。よく見るとオトナ向けのMidnight Ladyというやつも積んでおる...
★作中でも宣伝でも、ティーンエイジのいたいけな少年を悪の道に誘い込む年上の女性、過去を語りたがらない謎めいた妖艶な魔性の女っぽいムーブを最初こそしていますが、その願いが牢獄のような都市を離れて月に行きたいというなんともセンチメンタルなものであるのがすぐ判明。
デイビッドと親密な関係になった後も依存が激しいしかなり弱メンタルなのが分かるシーンもあり、感情の揺れ幅が非常に激しいキャラクターです。
そしてその揺れ幅を声の演技でしっかり表現してるのがすごい...Aoi Yukiであおいゆきさんじゃなくて悠木碧さんですね、エッ『平家物語』のびわちゃんとか『異世界おじさん』のメイベルの声なの?今季オリジナル枠だと『忍の一時』にもいる...全然わからんかった...
★Netflixの公式ティーザーでも大人の女性ぶっていますがWikiにも年齢は20前後とあり、作中でも分かりますがデイビッドとそんなには変わらないんですね。美味しそうにタバコを吸うシーンが前半で時々ありますが、このへんも内面が分かってから観ると精いっぱい大人ぶってるのかなとも思えて、こういうところが奥深い。
★夜に打ち上げられていくロケットを見たり、二人でブレインダンスで仮想の月に行くシーンはよくYouTubeにも動画が上がっていますが作中屈指の美しいシーンですね。退廃のナイトシティの住人にしては美しすぎる夢ですが、サイバーパンク世界でこれをやる、そこが尊くていい!
『RED』の設定によると2045年時点では、ナイトシティの北西にあるモロ・ロック島で作中世界で宇宙関係を一手に担っているオービタル・エア社がマスドライバーを建設中ということになっています。『2077』になるとマスドライバーという設定は消えて宇宙港になって実際に行けますが、ルーシーの住処からちょうど見える位置にあるのでしょう。
★ちなみに序盤の彼女の部屋が映るシーンで、背景に『2077』の女性主人公版ヴィーさんがちゃんと映り込んでいるそうです。自分は発見できませでした...ワイの目は節穴や...キロシのサイバーアイに換えないと...w
★彼女の過去にも秘密があり作中のストーリーと大きく関係してきます。タロットカードの月が象徴するような、不安定さや脆さ、儚さをも併せ持ったようなメインヒロインのキャラクターでした。レベッカと人気を二分しておりファンアートにもよく登場します。月に行く絵が多くてもうね...(´•ω•̥`)グスン
★なお作中では誰からもルーシーとしか呼ばれていませんが、フルネームはLucyna Kushinada
(ルツィナかルツィーナ、 英語読みだとルシナ、姓は櫛名田とか?)、ポーランドと日本のハーフという設定とのこと。ポーランドのCDPR社と日本のTRIGGERのコラボレーションを祝しての設定であり、作品のクリエイターのRafal Jakiさんのお母さんの実名だそうです。インターナショナルだ!
そしてWikiによるとLucyna
はポーランド語だと「光をもたらす」「誕生」の意、ローマ神話の月の女神ディアーネやジュノーの愛称でもあるそうです。最初から作品全体を通して月そのものを象徴するキャラクターだったんですね。なるほど〜。
メイン (Maine)
★デイビッドが加わることになるエッジランナーチームのリーダー格のソロ。体も大きいので登場時は最初かなり威圧感があって怖そうですが、打ち解けると何気に面倒を見てくれるし仕事の分け前はいつも参加メンバーで等分、頼りになるナイスな兄貴です。
★人種は黒人、髪は一応ブロンド、アニメらしいデフォルメ体型ですが手足も太く逞しい巨体、目元は埋め込みでなく外せるサングラス、武装もミリテクやカンタオのオートショットガンとでっかい武器。といかにもアメリカンなサイバーパンク世界にいそうなパワー系キャラ。実写版映画にしても黒人俳優が演じたらめっちゃ再現できそうです。設定では年は30代後半。
サイバーウェアはサイバーの視覚に聴覚強化、皮膚装甲に両手もサイバーアーム(『2077』のゴリラアーム)、両足もサイバーレッグ。左腕がポップアップの武器内蔵(『2077』的にはプロジェクタイルランチャー)でグレネードかロケットランチャーと、いかにも戦闘系のソロという感じ。
メイン兄貴に以外にも作中何人か、手に武器を仕込んでいるキャラクターが出てきます。これはTRPG版だとそんなにメリット高くないのですが、映像で見ると完全に相手の不意を打って奇襲攻撃できるのは強いなというのがよく分かります。
★新米エッジランナーのデイビッドにも何かと絡んだりルーシーとの仲の進展を聞いてきたり、ナイスガイなプレイが目立つニキ。新しい家族みたいな仲間ができてよかったねデイビッド...
★そして二人で仲良くドラッグをキメたり(それとももしかしてアレは抑制剤なのか?)、もしフラットラインしたらサイバーアームはやってもいいぞと約束したりするあたりが、全部先に繋がってるのが辛い...(´•ω•̥`)グスン
★そんな頼もしいメインニキだけに、中盤で見せる変調が衝撃的です。予兆がかなり張ってあるのですが仲間への言動がもう完全に変わっちゃってるのがうわぁァァ...ってなります。この5−6話の見せ方はすごい!
★TRPG版『RED』のルールで計算してみるとサイバーウェアによる人間性喪失コスト合計は40〜50ぐらい。プレイヤーがいるTRPGだったら計算しながらやるのでまあぎりぎりなんとかエッジを踏み越えずにいられるぐらいでしょうか。
いちおう過去設定ではNUSA(新合衆国)陸軍の兵士で、除隊後にエッジランナーとして名を挙げてきたというソロらしい設定があるなので、軍用グレードの規格の古いサイバーウェアを入れたままアップデートしていなかったとかメンテが不十分だったとか、あの電磁パルス(EMP)攻撃で不調をきたしたのが重なった、とかで理由がつくでしょうか。ドリオ姐さんの言うことちゃんと聞いてれば...(´•ω•̥`)グスン
★メインだけに見える心象風景の場面がまた良くできていて、周囲を正常に知覚できなくなった人間は確かにこんなビジョンを観てしまうのかもなーという感があります。
周囲の荒れ地は生まれ故郷のアフリカとかの原風景なのかな?とも思ったのですが、作り手の意図としてはナイトシティの回りに広がるバッドランズの荒野の風景なんだそうです。自分の体をサイバーアップしながら前へ前へとどこまでも走り続けてきたメイン。そしてランニング姿の強化前の体が細いのがもうね...(´;ω;`)ブワッ
★そんな、エッジを走り続けてきたニキの逞しいサイバーの腕に込められた想いはデイビッドに受け継がれるのでした。
でも観終わった後によく考えると、これは受け継がれるべきじゃなかったんや...(´•ω•̥`)グスン
ドリオ (Dorio)
★体格も大柄でブロンドに青い目、時々イケメン度マシマシで描かれているので男性と見間違えそうなドリオ姐さん。メインのガールフレンドで、ストリートで成り上がった夫婦コンビみたいな感じになっています。彼女もロールは戦闘職のソロですね。
★Wikiを見るとサイバーウェアは目を強化(Cyberoptics)、『2077』にも出てくるゴリラアームに両手を変えて接近戦能力と肉体を強化、両脚もサイバーアーム、体は皮膚装甲と戦闘系キャラクターっぽいスタイル。
しかし作中で電磁パルス攻撃を食らった際、同じくサイバーウェアを埋め込みまくっているメインには直撃するけど近くにいたドリオさんにはあまり効いていない描写があります。サイバー化はそれほどではないという扱いのようです。軍用品より後の世代にナイトシティに出回った軽めのサイバーウェアだったりしたのでしょうか。
★彼女も最初は一見怖そうなのですが、信頼した仲間だけに見せる優しさやリーダーシップを見せる場面もあります。ドリオ姐さんが残ってくれれば、後半の展開もだいぶ違っただろうなあ...(´•ω•̥`)グスン
ピラー (Pillar)
★見た目はそのへんのギャングとほとんど変わらないピラー兄さん。男性向けのいろんな店にも詳しくてナイトシティの生活をエンジョイしています。下ネタかなり多めですが設定だと30台後半だそうです。
★作中あまり披露の機会がないですがああ見えて(?)ロールはテッキー(Techie)
、いろんなハードウェアの改造や修理に長じた技術屋なんですね。アニメのデフォルメ表現で大きく描かれている両手のサイバーアームが、テッキー的な作業に適したやつになっています。
★なんでこんな人の妹がレベッカなんだ! そもそも年が離れすぎじゃないか? という気もしますがそこはそれ。よく見ると一同が並んで歩くシーンでピラーとレベッカは同じ仕草で両手を後ろにやっていたり、同じ飲み屋の店でサイバーアームをネタに芸を披露したり、なんとなく互い似てるんですよね。(こういう細かい描写がさすが!)
レベッカたその家にお使いに行って髪を下ろした彼女が出てきて、「デイビッド、やっぱあんたいイイわ~」となるのあのシーンのやりとりでも、レベッカは激おこだけど血が繋がってるからこその気の置けなさ感がなんとなくあります。
★そして、ナイトシティの治安の悪い地域ではヤバげな奴に近寄ってはいけないという基本原則を、ピラー兄さんの事例を通し我々は改めて学ぶのであった...
「アイツを○していいのはアタシだけだァ!!」と激高するレベッカを見ると、なんだかんだ仲良かったりしたのかなと思ってしまう...(´•ω•̥`)グスン
レベッカ (Rebecca)
★ほんとにピラーの妹なのか謎ですが前半のチョイ役からナイスプレイが目立つレベッカ、周囲のメンバーと比べるとかなり小柄、何気にツインテ、太めの太もも露出多め、2丁拳銃、治安かなり悪めのポップなトリガーハッピー美少女キター!! と、世界のアニメファンのチューマたちが歓喜する属性を各種取り揃えて登場しています。
★彼女はCDPR社が提示した当初のストーリーにはいなかったキャラクターで、TRIGGER側から提示してかなり話し合った末に生まれたキャラクターだそうですね。『サイバーパンク』の世界観にそぐわない! いやアニメ媒体ならではのこういうキャラクターがいないと制作メンバのモチベーションにも関わる! Loli must stay! という議論があったとか。最終的にはTRIGGER案が通って今のレベッカが誕生、結果としてはルーシーと人気を二分するほどに大人気になり、当初反対したCDPRサイドの方々も後になって考えを改めたというナイスな展開になっています。
★トレーラー等では楽しそうに銃をガンガン撃ちまくってヒャッハーしているのでトリガーハッピー属性の人に見えますが、実際そうでもあるのですが意外としっかりしているんですね。
前半の仕事のシーンからナイスアシストが目立ち、初めてデイビッドに横から声を掛けるシーンではデイビッドはルーシーの方を複雑な気持ちで眺めています。(このへんから既にデイビット→ルーシーへの気持ちに気づいている可能性も...?)
その後もアプローチを続けるのですが言動もアレなのでなかなか気づいてもらえず、それでもメンバーが減った後半ではデイビッドをしっかりサポートして最後まで、本当に最後まで付き合うのでした...。ベッカ...陰キャには陰キャのアプローチで行くべきだったんや...(´•ω•̥`)グスン
★名シーンはたくさんあるのですが、エッジを超えてもうダメそうになっているデイビッドを優しく支えて受け止める母性を見せるあのシーンがね...
そしてデイビッドはもう錯乱していて別の人の幻影を見ているのが悲しぃ...(´;ω;`)ブワッ
★そんな、ラブコメ物アニメで言ったら主人公とメインヒロインがくっつくのが確定しているのに最後まで助けてくれる負けヒロインのようなムーブをずっと続けるので世界のチューマに大人気。さすがオレたちのヒロイン、ポップな小柄キャラ+でっかい銃的な構図でネタにしやすいこともあり、ファンアートにもかなり登場します。
ちなみに彼女はWikiにルーシーと同じ20歳前後としっかり書いてあるし、作中で酒も飲んでるし人もたくさん撃ち◯していてしっかり成人キャラクターですね。アニメ特有のデフォルメ表現で小柄に表現されている的なキャラだそうです。後述のサーシャさんのPVで年齢制限疑惑も晴れています。
★ロールは彼女もソロ、サイバーウェアは意外に少なめで赤と緑の目で特徴的なサイバーの視覚、皮膚装甲、両腕のサイバーアームだけ。最初は拳銃やサブマシンガンが多かったですがピラー兄の事件を気に火力不足を考えたのか、両腕を更に大きい色違いのサイバーアーム(『2077』的にはおそらくゴリラアーム)に置換して強化した後はでっかい武器でヒャッハーしています。作中で使っている武器のバリエーションが一番多いです。
★その中でもひときわ反動の大きいショットガン、”カーネイジGUTS"はアニメを記念して『2077』でも入手可能となったそうです。
『エッジランナーズ』視聴後に深いアニメロスと悲しみに見舞われた世界中のチューマたちの間では、アダム・スマッシャー絶対殺すマンとして覚醒する人が続出。『2077』にログインしてこの”カーネイジGUTS"をゲットしてアダムをキルしに殴りこむヴィーさんがたくさんいるそうであります。いいぞ...もっとやれ!
キウィ (Kiwi)
★チームのネットランのメインのネットランナーのキウィ姐さん。『2077』でも口の部分を丸ごと取り外したサイバーアップの人が出てきますが、キウィもマスクの下はそのようです。暴力を振るわれてしまってマスクが外れる場面が1カットだけあります。
煙草を吸っているシーンがけっこうありますがストローみたいにマスクに刺す的な描写になっています。(あれ煙吸って旨いんだろうか?) 食事も流動食的なものをチューチューやっているんでしょうか。
★主に後半で多人数を一斉にハックしたりそのハッキングの腕を披露していますが、ルーシーも年の割に優秀ですがさらに腕は高いようですね。
なおサイバーウェアを入れた人間の首筋のあたりをビビビッとショートなのか感電なのか焼き切って無力化する、『2077』だとできるいかにもネットランナーぽいスゴ技も披露していますが、TRPG版だと人体の直接攻撃はできないルールになっています。きっとキウィ姐さんだからできるんだぜ...!
★ナイトシティでは他人を信用してはいけない、信用できるのは自分だけだといかにもサイバーパンクらしい台詞を言っておいて体現しつつも、悪人になりきれないキウィ姐さん...最期の最期のあたりのあの動きがもうね...(´•ω•̥`)グスン
★そして、「久しぶりにお前の顔も見たいしな」とか昔のオトコに言われるとなんだかんだ物理で会いに行ってしまうキウィ姐さん...(´•ω•̥`)グスン
ファルコ (Falco)
★後半にデイビッドが仕切るようになってからお助けキャラで登場が多くなるヒゲの走り屋のおぢさん。TRPG的にはロールは「ノーマッド」(Nomad)
になります。
★ノーマッド出身の人はナイトシティみたいな大都市の外側の荒野で輸送全般を取り仕切って走り回っている車やバイクの大船団、クランみたいな結束の固い一族のメンバー、映画だと『マッドマックス』に出てきそうなバイカースタイルみたいな服装の人も多いですが、ファルコさんはどちらかいうと職業としてのノーマッドを表す感じでしょうか。右腕のみサイバーアーム、カウボーイっぽい服装に銃も西部劇っぽいホルスターの中というスタイルです。
★その運転技術は後半、ゴニョゴニョ相手の大逃走からモニョモニョも加わっての大乱戦でも際立っています。このへん作画も大味になって車がブンブン大回転してオーバーアクション気味、若干ギャグっぽくも描かれていますが、これだけの車両を相手に立ち回れるって冷静に考えると腕は相当ですね。
TRPG版『RED』ではノーマッドの特殊技能「モト」のレベルを運転関係の技能判定に常に足せることになっていますが、レベル相当高いんじゃないでしょうか。
★しかも報酬分の働きはきっちりこなしてるし、アレがアレ過ぎるミッションにも最後まで付き合ってくれます。ゴニョゴニョを犬死させないためにモニョモニョを連れて脱出を成功させてるのもファルコさん、あのジャケットを持ち帰れたのもファルコさん、あのメッセージを伝えたのも伝説を世に残したのもファルコさん。お助けキャラとはいえ実はずば抜けて超優秀なのでは....?
★レベッカたそにヒゲネタやおぢさんネタでさんざん絡まれていますが、「俺が髭剃ったりしたら惚れちまうぜ」と軽く返しているのが大人の余裕で(・∀・)イイ!!
★ビデオゲーム版の『2077』にもメッセージの形でちらりと登場するそうです。まあファルコさんは出てきてルーシーのその後は一切不明なのが、ストーリー的には美しいのかなあと。
サーシャ (Sasha Yakovleva)
★エンディングテーマ"Let You Down"のPVに出てくる女性キャラクターのネットランナー。CDPR社サイドの元々のストーリーライン案だと存在していたようです。
★キャラデザは『攻殻機動隊 SAC_2045』で草薙素子少佐をさらに若返らせてしまった犯人ロシアのデザイナー、イリヤ・クブシノブさん。言われてみると確かにそれっぽいです。NET上のアバターアイコンも猫、本人もショートカットで猫っぽく、このへん日本のMoe文化をしっかり嗜んでおられるようです。
★PVの映像だけでだいたい伝わるようになっているのが流石ですが、彼女はメインのチームにいたのですがバーの面々と帰りで別れて単独で作戦開始→『サイバーパンク』世界では割とましな方の企業のバイオテクニカ社の施設に侵入してネットラン→その過程で同社の試作品か何かの薬の不正を見つける→彼女の母親がこの薬のせいで死んでおり、この事実をネットワーク・ニュース54社にタレコミ→脱出が間に合わずに警備ロボットと戦闘となって...(´•ω•̥`)グスン という流れ。
よく見るとデータ転送画面的な絵面で、ちゃんとNetwork News54のロゴが書いてあって芸が細かい!
★ビルから落下する時のフォームが完全に草薙素子スタイルを継承していて、これはもうノルマなのかと思ってしまいますw
★こうして彼女は命は落としたけれど目的は達成し表情は満足げだった...そしてメイン兄貴たちのチームにはネットランナーが不在になってしまう→しばらくしてキウィ姐さんが穴埋めにジョイン→そしてまたしばらくしてルーシーを拾ってくる→そして『エッジランナーズ』本編へ..というタイムラインになっているそうです。
ちなみにこのPV内で、サーシャの他にメイン、ドリオ、レベッカが4人一緒にバー「アフターライフ」でチラッと映っており、『エッジランナーズ』本編前半での1カットから推測される「レベッカたそ年齢制限に引っかかって入店を断られてるのでは疑惑」は晴れて彼女は酒を飲んでイイ年齢であることが分かります。
まあ彼女のキャラ的にも、店内でなんかやらかして出禁を食らってたとかなんでしょう...そしてこの図でも靴履いたままソファーに脚を乗せててお行儀がイクナイ!
~その他の人々(ゲーム的に言うとNPC)~
ファラデー (Faraday)
★ストリートのワルい人たちばっかりで飲んでたところにピカピカの高級車登場! 高そうなスーツ! 目が2つ多くてコワそう! 声が豪華! 大物感威圧感期待感マシマシで登場するファラデーさん。
TRPG的にはロールは「フィクサー」(Fixer)
。『2077』にも何人か登場する、ストリートの取引を仕切ったり仕事を回したり人を派遣したりする手配師の仕事の人。アクション映画なんかでよく部下を引き連れて出てくる敵組織の親玉みたいな役どころです。
★TRPG版だとサイバーアイを両目2つ以上に増やすのはルール上はたぶんできないのですが、視界が広がる訳でもないしやっぱり対人交渉の威圧が目的なんでしょうねえ。エヴァンゲリオンの使徒か!って感じですがアニメならではのキャラデザで面白い。ファラデーさんのサイバーアイはとあるシーンで個別に見ることができます。
★そんな、最初の形から入る所は完璧にこなしてくるファラデーさん、視聴者を期待させておいてその後の失速感小物感がすごい...取引相手からまったく相手にされてないやんか...(´·ω·`)ショボーン
★でもこの人は最後まで自分の成功を信じて疑わないのでそこはさすがですw 悪徳の都ナイトシティで成り上がるにはこれぐらいの強メンタルが必要なんや!
★さすがにフィクサーだけあって人は集められるらしく、モブのギャングやエッジランナーは背景によく出てきます。よく見ると戦闘系じゃない男娼とおぼしきモブも出てきてゲイのようです。両方イケるなんてさすが設定が盛ってあるぜファラデーさん!
★そして重要な取引の前にコーポ製のエアロダイン・ヴィークル(AV)に乗せてもらうと、ウキウキ気分で仕事前から祝杯を挙げてしまうファラデーさん...それは完全にフラグや...(´•ω•̥`)グスン
リパードク (Ripperdoc, Doc)
★『サイバーパンク』世界では「リパードク」は個人の通り名ではなく、医療とサイバネティクス技術に長じていてストリートで個人病院や闇クリニックを開いているような人たちの総称です。
TRPG版だとエッジランナーならロールで「メドテク」を選ぶとこうした職業の人やトラウマ・チーム隊員なんかも演じることもできます。たいてい怪我の多いソロとか戦闘系キャラクターが知り合いのNPCで持っておいて、銃撃戦の後で駆け込んで傷を治してもらったり新しいサイバーウェアを入れてもらったり...というのが定番。
★名前がないですがデイビッドにとってのドクと言ったらこの人なのでしょう。オフィスは義手や義足がジャラジャラ並んでいて怪しげで治安悪し衛生も悪そうですが、ストリートのリパードクの仕事部屋ってまさにこんな感じなんでしょうねえ。人体をイジイジしていないときはブレインダンスをエンジョイしています。そしてファラデーさんと同じく声が無駄に豪華!
★何気に出番の多いドク、色々とアレですが最後まで付き合ってくれるしなんだかんだ面倒見がよいですね。序盤は完全に高校生デイビッドを手玉に取っていますが、デイビッドがどんどんクロームをキメて強くなっていくと立場が逆転しちゃってもう...でも心配して抑制剤ちゃんと作ってくれるのよね...(´•ω•̥`)グスン
★おまえのチンケな伝説ってヤツを見届けてやるぜ...という一連のくだりがほんと世界観を表しています。このドクとファルコさんがいたから伝説が伝わって、「アフターライフ」であのカクテルが飲めるんだな...(´•ω•̥`)グスン
アダム・スマッシャー(Adam Smasher)
★体の96%が機械になっているフルボーグのヤバい人。『サイバーパンク』の世界では昔から有名なNPCで、『2020』の時代からジョニー・シルヴァーハンドをKILLしたり、『RED』の時代も健在、『2077』になるとアラサカの一番偉い人のサブロウの息子、離反を考えたりしてるヨリノブのボディガードをしているソロです。これまた有名NPCの伝説的ソロ、モーガン・ブラックハンドの長年の敵でもあります。
「アラサカに歯向かうと最終的にはアダムが飛んでくるぞ!逃げろ!」的なレジェンドですね。
★Cyberpunk Wikiによるとこの方のTRPG版、『RED』でなく『2020』版と思われるデータも一部載っています。
【知力】4 【反応】15 【技術】4 【意志】7 【魅力】なし 【運命】4 【移動】20 【体格】18 【共感】ああ、うん...
(Year, right...)
能力値は人間は1〜8、エッジランナーのキャラクターで高くて6~8ぐらいなので、ああ、うん...人間やめてるね...という感じ。
『2020』データ版だと反射神経増強を入れていませんが特殊技能の<コンバット・センス>7で基本値22+1d10で戦闘中はほぼ確実に先に動いてくるし、【反応】が8以上なので銃弾への回避も可能、戦闘系スキルはみな持っているので20以上の基本値で撃ってくるし、負傷しても【体格】が10以上なので傷を追った際の死亡ロールもファンブル以外失敗しない、また【移動】が20なのがバイクやオートジャイロと同じぐらいの速さで動けることになります。おまけにサイバーウェアは山盛り、武器は世界のアラサカがなんでも提供してくれますから重火器始めなんでもありと、ああ、うん...という感じ。
一応設定では元ギャング→NUSA(新アメリカ合衆国)軍に入って素行不良で除隊→ロケット攻撃で体をほとんど失う→アラサカが取引を申し出てきて企業に魂を売り、クロームの体を手に入れて生まれ変わる→忠実な手下になって護衛や汚れ仕事や各種何でもやる人に...という流れ。
ルール的には元から他者への共感が欠落していて【共感】の能力値がなく、それゆえ人間性の値もなく、人間性が下がらないのでサイバーウェアを入れまくってもサイバーサイコの影響を受けない...というなんか屁理屈みたいな設定に確かなっていました。
(アメリカのTRPGにはこういう、通常のキャラクター作成ルールでは絶対作れないようなオーバールールのNPC、やたらめったら強いデータのNPCとかぶっとんだ設定がときどき平気で出てきます。半分ジョークみたいなネタと思って「アダムさんだからしょうがない」的に笑って流すのがTRPGゲーマーの習わしでした...)
★そんなアダムさん、『エッジランナーズ』作中では満を持して最強最悪の相手として登場します。アラサカのオフィスでカメラが移動すると既に部屋に来ている初登場シーンが、TRPG的にはPCたちが登場しないシーンの演出みたいでちょっと面白い。
★そして結果はああ、うん...という感じなのですが、「けっこう楽しかったぞ」とか相手を称えるムーブをしているのが強NPCとしてナイスな動きであった...。(´•ω•̥`)グスン
海外のWikiによるとアダムvsデイビッドでのやりとりは時代を遡ったアラサカ・タワーでの対決でのアダムvsジョニー・シルヴァーハンドの時と似通っているそうで、このへん意識しているのだろうなあと思います。『2077』の主要人物同士の関係性と『エッジランナーズ』のキャラ同士の関係性との類似点も時々考察されますね。
★そんな無敵っぽいアダムさんですが、YouTubeによく動画が上がってますが『2077』ゲーム内では実はあまり強くなくてあっさり倒せるそうです。(´·ω·`)ショボーン
今頃は世界中から続々と集まってくるアダム・スマッシャー絶対殺すマンたちの対応に忙しいことでしょう。あのヘイトは相当激しいので手こずることでしょう。仕事乙であります...
グロリア・マルチネス (Gloria Martinez)
★序盤にちょっとだけ出てくるデイビッドのお母さん。ナイトシティに2つある大きな総合病院の一つに救急救命士として勤めているので、TRPG的に言うならロールはメドテク(Medtech)
になります。トラウマ・チームが担ぎ込んできた重症患者の相手とか、NCPDやMAX-TACとワルモノたちがやらかした金曜の夜の銃撃戦の後、惨状に出動したりする場面はきっとこれまでもあったでしょうね。
★よく見ると1話でちゃんと兄貴とこっそり通話していて、相手の名前が暗号化的なエフェクトで隠されているのが芸が細かい!
二人が住んでいるアパートが『2077』ゲーム中のものと同じなのも有名ですが、序盤の描写で母子家庭の二人が苦しい生活をしているのがよく伝わってきます。現実のアメリカも格差社会でしょうが、サイバーパンク物の構成要素の一つに富める者と貧しい者の対比はよく出てきます。ナイトシティはとにかく金がすべてなんだよなあ...
★自分は体を壊すぐらい働いて副職でも金を得て、学費を払って息子をコーポの学校に行かせ、せめてお前にはいい生活をしてあのアラサカ・タワーのてっぺんに行くぐらいになってほしいと息子に夢を託す姿が悲しい...そしてこの台詞が完全に伏線なのが泣ける......(´•ω•̥`)グスン
脚本にも時間を掛けたそうですが、ほんとこういう細かいところがよくできています。
★なおTRPG版の製作者のR・タルソリアン社のマイク・ポンスミスさんによって、デイビッドがなぜあれだけサイバーウェアと親和性が高かったのかのコメントがされています。
100万人に1人レベルの珍しい人扱いで、ゲーム的には元から人間性の値がかなり高く、お母さんの深い愛情と生きる道があったので金持ち学校での厄介ごとはそれほど影響しなかったこと。その後もチームの面々が家族の代わりになって友だちもできてガールフレンドもできて、メイン兄貴が父親の代わりのような存在になったこと。これらがサイバーウェア追加のストレスをある程度緩和したことで、あそこまでエッジを走れたという理屈だそうです。
なんてこったい、ナイトシティでは人を信用してはいけないとか言っといて、強いのは母の愛と仲間との絆じゃないか...(´•ω•̥`)グスン
そんな感じで見どころの多い作品でした。重要シーンで使われている曲 “I Really Want to Stay At Your House”
のPV。全編見終わった後にこの曲を改めて聴くと、なんとも言えない喪失感に浸れるのだぜ...
ファミ通の充実したインタビュー記事。これによるとCDPR社の提示したエンディング案はもっとBADなものもあったそうです。海外こえー!
またアニメロスを感じて国内国外ファンアートを探すと、あの二人が月に行ってる尊いシーンとか、こんな展開であってほしかったというのが分かるイラストがかなり見つかります。これでアニメロスがさらに深まってしまうのだぜ...(´;ω;`)ブワッ
おまけ:『トーキョーN◎VA』にスタイル換算してみたよ
TRPG版の『2020』の影響も受けつつ生まれた国産のサイバーパンク系TRPGに『トーキョーN◎VA』という人気シリーズがあります。こちらの界隈で僕は以前かなり活動していました。このゲームでは『2020』では「ロール」で表していたキャラクターの職業や本質を、タロットカードの大アルカナになぞえらた「スタイル」というもの3つで表すルールになっています。
このN◎VAゲーマーがよく発症するものに「ストーリーを鑑賞すると登場人物のスタイルをつい考えてしまう」というゲーマー特有の精神病...じゃなかった習性があります。この病が10数年ぶりに再発してしまったので勝手に書いてみます。くっもう引退して久しいのに、この不治の病ってやつぁ...ドクに頼んで抑制剤を作ってもらうしかないぜ...
デイビッド (『サイバーパンク』シリーズでのロールはソロ)
デビュー後 カブトワリ◎, カゲ, カブト●
序盤の通学していたころはクグツとかカブキでしょうか。
抑制剤が切れるとキーはカブトワリ←→カブトを行ったり来たりする流れで!
ルーシー (ロールはネットランナー)
ニューロ◎, カゲ, マネキン●
設定とは一部矛盾しますが、本質的なところでハイランダー●風味というのもありかと。
メイン (ロールはソロ)
カブト◎, カリスマ, カブトワリ●
目が綺麗なときはカブト●にするんだ...(´;ω;`)ウッ…
ドリオ (ロールはソロ)
チャクラ◎, カブトワリ, ミストレス●
なんとなく接近戦も強そうだったので。
ピラー (ロールはテッキー)
カブキ◎●, タタラ=タタラ
両手が改造なのでなんとなく2枚で。
レベッカ (ロールはソロ)
カブトワリ=カブトワリ◎, ミストレス●
キーがミストレスなのは世界のチューマ達のためにも譲れない...!
キウィ (ロールはネットランナー)
ニューロ=ニューロ, マネキン●
ルーシーの師匠ネキなのでとりあえずニューロ2枚で。レッガーというのもありかも。
ファルコ (ロールはノーマッド)
カゼ=カゼ=カゼ◎●
終盤の大盤振る舞いの超有能ぶりを鑑みて。トーキー●もありですね。
ジュリオ (ロールはソロ)
カブトワリ◎ に見えるエキストラ...(´·ω·`)ショボーン
ファラデー (フィクサーのNPC)
クロマク◎, レッガー, クグツ●
と大いに期待させてエキストラとか...(´·ω·`)ショボーン
アラサカの皆さん (コーポレートのNPC)
クグツ◎やエグゼク◎ に見えるエキストラか、神業のみのゲスト
アダム・スマッシャー (ソロの敵NPC)
カブトワリ◎, カブト, ヒルコ●
スタイルもう1枚ぐらいありそうですが、圧倒的な強さは装備+特技で表現ですかねえ。真面目にやるとデータが重そうなのでインパクトのある完全義体を中心に組むとか。
ドク (メドテクのNPC)
タタラ◎に見えるエキストラか、加えるならレッガー, カブキ● とか
グロリアお母さん (メドテクのNPC)
タタラ◎に見えるエキストラか、神業のみのゲスト扱いでミストレス追加2枚、万能系3発をデイビッドへの強い加護として表現するとか...
まとめ:エッジランナーズ最高じゃあないっすか...
というわけでオトナ向けの観る人を選ぶ類の作品ですが、最高でした。
一般的なアニメを観る方にもかなりオススメ、もしSFやサイバーパンク系が分かる方なら必見レベルでオヌヌメです!(強い圧)
そして鑑賞後はビターエンドのこの深いアニメロスに浸ってください。(強い圧)
そしてゲームの方もやっている方はぜひアダム・スマッシャー絶対殺すマンに覚醒しましょう。(強い圧)
なおゲーム版の方も正式続編制作の流れがあるそうです。
僕はTRPGはもう引退して長いし、ビデオゲーム版はやる時間ないし、アプローチ変えるしかないッスかねー。
『ワールド・オブ・サイバーパンク2077』という設定資料集的な本が出てるのでそれで我慢するかな...ぐぬぬ...