真夏の暑い日には差別的なツイートが増える…40億件の投稿を分析【役に立つオモシロ医学論文】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2023年7月30日 9時26分
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
【役に立つオモシロ医学論文】
温暖化をはじめとした気候の変動は、二酸化炭素の排出量増加など、人間の生産活動が主な原因だと考えられています。気候変動はまた、人間の性格傾向にも関連している可能性があります。特に高温環境では、暴力性や攻撃性が増すことを報告した研究も多く、アフリカにおける内戦の発生率も気温の異常と関連していることが指摘されています。
インターネットが普及した現代社会において、気候変動に関連した暴力性の増加は、デジタル環境でも広がる可能性があります。とりわけインターネット上の誹謗中傷は、重要な社会問題として注目されています。そのような中、気温の変化とヘイトスピーチ(特定の人種や民族への差別的発言)の関連性を検討した研究論文が、地球環境と人の健康に関する専門誌の2022年7月号に掲載されていました。
この研究では、2014~20年の間に、米国内の773地域からツイッターで発信された約40億件のツイート(ツイッターへの投稿文章)が分析対象となりました。ツイートの文章パターンをコンピューターで解析し、ツイートが発信された地域の気温変化とヘイトスピーチの関連性が解析されています。
その結果、ヘイトスピーチに関連したツイート数は、気温が15~18度で最も少ない一方、27度を超えたり6度を下回ると急激に増加していました。具体的には、15~18度を基準とすると、マイナス6~マイナス3度の低温環境では12.5%、42~45度の高温環境では22%、統計学的にも意味のある水準でツイート数の増加が認められました。
論文著者らは、「気候変動の緩和と気温の極端な変化に対する適応も重要であるが、ヘイトスピーチによって影響を受けた人々に対する社会的支援も重要である」と考察しています。
(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)
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