完了しました
政府は、原則0~2歳児を対象としている「小規模認可保育所」について、3~5歳児を対象とする施設の設置を認める方向で検討に入った。保護者の多様な保育ニーズに応えつつ、待機児童の解消を図る狙いがある。来年の通常国会にも児童福祉法改正案を提出したい考えだ。
2015年に導入された小規模認可保育所は、6~19人を定員とする施設。通常の認可保育所(定員20人以上)と比べて保育スペースの確保が容易なため、都市部のマンションの一室などを活用して迅速に開設できる。乳幼児1人あたりの面積要件などは通常の認可保育所と変わらないほか、保育士の配置基準についてはより厳しくなっており、きめ細かな保育が受けられることも特徴だ。
導入当初は対象が0~2歳児に限定されていた。こども家庭庁は、「当時は3歳以上の発達には集団での保育が重要との考え方があった」と説明する。
一方、近年は一人一人の発達に寄り添える少人数保育のメリットが注目されており、3歳以上のこどもを持つ保護者にも小規模認可保育所への入所希望がある。2歳まで小規模認可保育所に預けていた場合、3歳になる際に転園先を見つける必要があることも課題となっている。
こども家庭庁は今年4月、小規模認可保育所での3歳以上の受け入れについて、「市町村がニーズに応じて柔軟に判断できる」との通知を全国の自治体に発出した。ただ、すでに0~2歳児を保育している施設のみでは、受け入れ数に限界があるとの指摘も出ている。
6月に閣議決定された規制改革実施計画では、3~5歳児に限定した施設の検討が盛り込まれており、政府は保育の選択肢を増やすことで、子育てしやすい環境を整えたい考えだ。