【7月30日 AFP】ドイツのベッティーナ・シュタルクワツィンガー(Bettina Stark-Watzinger)教育・研究相は29日、政府奨学金を得て同国に留学している中国人学生が科学分野でスパイ行為を働くリスクが高まっているとして、同国との交換留学制度を見直す必要があるとの考えを示した。

 シュタルクワツィンガー氏は国内メディアのインタビューで、「中国の競争力は増し、科学・研究分野で組織的な競争相手となっている」と指摘。バイエルン(Bayern)州のフリードリヒ・アレクサンダー大学(FAU)が、政府奨学金を運営する中国奨学金評議会(CSC)から全額、奨学資金を支給される中国人学生については、今後受け入れない方針を決めたことを歓迎した。

 公共放送ドイチェ・ウェレ(Deutsche Welle)などによれば、そうした奨学金の給費生は中国政府への忠誠を誓約する必要があり、拒めば法的処分を科される可能性がある。

 シュタルクワツィンガー氏は「CSCの奨学生に関しては、ドイツ基本法(憲法)の根幹である言論や科学の自由を完全には実践できない」とし、他の研究機関にも制度見直しを呼び掛けた。(c)AFP