板垣雄吾という男
突然、Twitterのメッセージがきた。
「幻冬舎からビジネス書を出版するので、前田さんにデザインをお願いできませんか?」
さっき、その時のTwitterを確認したらぼくの想像よりていねいな文章だった。今は、ぼくの中で板垣さんのことを「豪快で楽しい人」「子供みたいな大人」というイメージが大きいが、実は豪快に見えてすごく繊細な人だ。彼の著書は「やりたくたくないことやらなくていい」だが、「できないからやりたくない」のではなく、細かいことも常に考えて行動できる人だ。
やれることを「やりたくない」と気づけるってすごいことじゃない?
板垣さんからの連絡は「ついに装丁の仕事が来たか!」と本当にうれしかった。任天堂でぼくのデザインの基盤ができたのは会社案内。本作りだ。任天堂を辞めてから作った「死ぬまでにやりたい100リスト」の1位だった。
装丁の依頼は喉から手が出るほどやりたかった仕事だけど、まずは板垣さんに会ってから決めさせてもらうことにした。理由のふたつある。ひとつは漫画修行のため、デザインの仕事を極力ひかえると宣言した直後だった。もうひとつは、傲慢かもしれないが誰がデザインしても同じようないわゆるビジネス書のデザインの依頼なら断ろうと決めていた。レイアウトだけのデザインでもぼくならいいものにする自信はあるけど、どうせなら僕にしかできない新しい見え方の装丁がやりたい。
1月に渋谷のオフィスで幻冬舎の編集者の片野さんと板垣さん3人で会った。5分で「ぜひ、やらせてください」と答えた。
ふたりは本当にぼくのデザインを求めてくれていたとわかったから。
板垣さんはいつも豪快に笑う。いつもポジティブで前向きだ。1.5リットルのペットボトルにカルピスを作って飲んでいる。「それ、カルピスですか?」と聞くと「カルピスです!わっはっはっは!」なんかもうこっちまで元気になる。違う日に会った時にアイスコーヒーをがぶ飲みしていた。「今日はカルピスじゃないんですか?」「はい、眠いからです!わっはっはっは!」普通のことなのになんか元気にさせてくれる。いちいち聞きたくなる人だ。通常は無邪気な子供みたいなんだけど、一転してビジネスの話をするといつも気づきをもらう。この人には固定概念がほんとうにない。
そして、板垣さんの語ることにはロマンがある。
板垣さんのサロンの話を聞いたときは心底ワクワクした。ぼくは板垣さんに似ている部分を感じるけどもっと内向きで小規模。だから板垣さんをうらやましくもあり、リスペクトしている。
板垣雄吾。この人はこの本を起点にさらに面白い人が集まり、もっと有名になっていくだろう。渋谷のオフィスで仲間と漫画とゲームに囲まれながらイノベーションを起こす。そんな気がしてならない。
前田が念願の書籍の装丁しました!絶対売りたいし、いろんな人に読んで欲しい。この本に書いてること、板垣さんがやっていることは僕の考えに近しい。「面白いことをやっていたら面白いことが集まってくる。」「遊びは仕事であり、仕事は遊びである」はいろんな人に実践して欲しいこと。
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※おまけ 板垣さんおもしろい
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